北八甲田 小滝沢

北八甲田連峰の紅葉シーズンが終わったころに小滝沢を訪れた。 小滝沢は2008年に山岳雑誌『岳人8月号』において「やすらぎの渓、直登できる滝と明るく展望のいい沢」と紹介された。 それ以降、訪れる人が増え、ポピュラーになりつつある沢である。小滝沢を訪れた印象は確かに上の表現がピッタリする渓流である。

ルートとしては、小滝沢を標高1130mぐらいまで詰め上がったところで右岸の枝沢へ入り、近くの登山道へ抜けるのが一般的である。 ところが、短い区間に4本の枝沢があり、ルートファンディングに苦労している山行記録を読むことが多い。 そんなわけで、このページでは藪こぎが少なく容易に登山道へ出れる「正解ルート」を紹介したい。 第1回目の山行で「正解ルート」を見つけられなかったこともあり、1週間後に再び訪れた。 全ての疑問が解けたわけではないが、現場において戸惑いや混乱が生じない程度の情報は集められたと思う。


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駒込橋のところから沢へ入り、石がゴロゴロした緩やかな渓流を進む。
この辺りは地図上では「小川」と呼ばれている。
標高630mあたりの最初の二股は、実のところ中州になっており、少し上流側で再び合流する。


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標高655mの二股に着いた。左が小滝沢、右が井戸沢。


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小滝沢を進む。入渓地点からゴーロ歩きが続く。


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標高760mあたりの第1の滝
左岸に巻き道があり、それを利用した。


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第1の滝の上流側へ出ると、沢の雰囲気がパッと開けた感じになり、小滝沢の特徴であるナメ床が続く。


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ところどころで滝が現れ、沢歩きに適した変化もある。


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小滝沢の特徴であるナメ床が続く。


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長い区間にわたって展望が得られ、このように開放感がある沢は珍しい。
田代平に広がる牧場が見える。


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岩畳地帯


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標高1050mあたりの滝
「最後の滝」と呼ばれており、この滝を越えると滝の区間が終わる。


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高田大岳が見えてきた。


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再び岩畳地帯となり、前方に高田大岳・小岳の鞍部が見えてきた。
登山道へ抜ける枝沢を探す場所に近づいてきた感じだ。


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標高1100m〜1140mぐらいの区間に、4つの枝沢が30mぐらいの間隔で現れる。
これは第1の枝沢であり、沢入口が赤茶けた1mほどの段差になっており、ポタポタ程度の水が滴っていた。
写真ではハッキリしないが、沢入口に赤テープが見られた。


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これは第2の枝沢であり、岸を上がったところに数本のダケカンバが見える。
ダケカンバのところに赤テープが見えるなど、通行した形跡が見られた。
沢の入口は特定しにくいが、入口と思われるところにも赤テープが取り付けられていた。


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これは第3の枝沢であり、沢入口に石がゴロゴロしており、第2の枝沢よりも沢らしい雰囲気がある。
水流がないものの、沢入口には赤テープが見え、総合的に見て第3の枝沢は良さそうに見える。
ところが、「正解ルート」ではない。


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これは第4の枝沢であり、 標高1130mぐらいで小滝沢が緩くカーブするところにあり、ハッキリとした水流のある点が特徴的である。
したがって第4の枝沢は現場において沢入口を特定しやすい。写真ではハッキリしないが、沢入口に赤テープが見られた。
この沢は登山道へ抜けるのが比較的容易なルートであり、「正解ルート」と言うようか。


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第4の枝沢を辿ると、このような沢筋が鞍部へ向かって延びている。
第4の枝沢は次々と枝分かれしているので、どの枝沢を辿るかによって登山道へ出る地点が異なる。
沢筋が登山道まで延びているルートもあれば、そうでないルートもある。
このような差異があるが、標高1240m〜1280mぐらいで登山道へ出る。


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第2回目の山行では第4の枝沢を辿り、少しの藪こぎで鞍部(1285m)の湿原へ出る結果となった。
このときは山岳同人たがじょの仲間・Yさんが同行してくれた。藪こぎから湿原へ出たところである。
ここから登山道を辿って標高差で5mから20mほど下ったところに枝沢が次々と現れ、2、3の枝沢で赤テープが見られた。


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小滝沢から登山道へのルートを2つ示している。
ウェブサイト「We are 八甲田」の管理者から得たGPS軌跡図に基づている。
この場を借り、感謝の意を表したい。


上の地図に示す2つのルートに関する説明



小滝沢から登山道へ:上の情報と重複するが、より詳しい情報

記録

資料



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