サイトマップ 青森の山歩き ├青森 無雪期 ├青森 積雪期 ├県外 無雪期 ├県外 積雪期 └English |
青森 無雪期 ├山歩き一覧 ├北八甲田連峰 ├南八甲田連峰 ├下北半島 ├上北地方 ├夏泊半島周辺 |
├津軽半島 ├岩木山の北西 ├岩木山 ├白神山地 ├県南西部 ├十和田湖周辺 └県南東部 |
青森県の無雪期登山情報が、このページに入っている。登山道情報や山行記録などである。
沢歩き情報は無雪期の第2部に入っている。
このページにどのようなセクションが含まれているかは、画面左端の目次フレームに表示されています。 もし、画面左端に目次フレームが表示されていない場合はここをクリックしてください。
更新日: 2013年9月30日
|
|
|||
|
|
|||
|
|
|||
|
|
上のリストに示す山において、2010年版東北百名山に選ばれている山をリストアップする。 次の山も加え、その理由を山名の後に示す。
このようなリストは、どこの山へ行こうか迷っている時に役立つかも知れない。
当サイトが提供する登山道マップ(無雪期)やハイキングコース図の一覧である。
北八甲田連峰は登山として人気のある山々があり、その中でも主峰の八甲田大岳(1584m)は最も人気があり、登山適時には多くのハイカーを見かける。 大岳を中心として複数のコース設定がしやすく、かつ状況に応じて長短のコースを選ぶことができることが北八甲田登山の特徴になると思う。 登山適時は6月上旬から10月下旬である。
次のようなページの「北八甲田版」を誰か作ってみませんか。出来れば月別になっている方が良いと思います。
はっこうだおおだけ
1584m
八甲田大岳(1584m)は北八甲田連峰の主峰であり、「八甲田山」と呼ばれることもある。青森県の最高峰・岩木山(1625m)につぐ第二の標高を誇っている。 日本百名山や新・花の百名山に選ばれており、高山植物が見られる場所が多いことが特徴的である。 酸カ湯温泉から八甲田大岳への登りは、山頂部など一部を除き全般的に緩やかな登りであり、2時間ないしは2時間半ぐらいで山頂に着くことができる。 日帰りの登山としては、短すぎず長すぎず、適度な運動量になる。 さらに縦走道や小岳を組み合わせることにより、体調や状況に応じて複数のコース・バリエーションを作ることができることも特徴的である。 このようなことから八甲田連峰の登山において最もポピュラーな山となっている。
酸カ湯温泉(890m)から八甲田大岳へ登るコースは二つある。 一つは酸カ湯温泉のところにある下側駐車場から始まり、毛無岱と大岳ヒュッテを経て大岳山頂に至る毛無岱コースである。 他の一つは酸カ湯温泉から少し離れた上側駐車場から始まり、地獄湯ノ沢と仙人岱を経て大岳山頂に至る仙人岱コースである。 上下の駐車場にはそれぞれ公衆トイレがある。 上側駐車場の方が大きく、酸カ湯温泉から少し離れている分、混雑する時期でも駐車スペースを見つけやすい。
仙人岱コースは上側駐車場(900m)の東南端にある鳥居から始まり、登山口には登山案内板がある。 登山口から1時間半ほどで仙人岱(1320m)の平坦な湿原となり、木道を辿って行くと休憩場所が見えてくる。 その手前で南側へ分岐している脇道を少し入ると仙人岱ヒュッテがあり、そこにはトイレがある。 休憩場所のところには八甲田清水(辰五郎清水とも言われる)が湧き出しており、周りにはベンチが設けられている。 八甲田清水は美味しい湧き水であり、人気がある。
八甲田清水から大岳山頂へ向って歩き始めると、2分ぐらいで小岳分岐を通過し、いよいよ山頂部の登りになる。 この辺りでは多くの高山植物を見ることができ、毛無岱の湿原と共に高山植物が広い範囲で見られる。 勾配が徐々にきつくなり、アオモリトドマツ林を通ってガレ場に出る。 ガレ場の急斜面をジグザグ状に登っていく。 この辺は視界が開けており、仙人岱や南八甲田連峰を眺望することができる。 鏡沼(1530m)に着くと、勾配がゆるくなり、山頂がすぐ近くに見える。 八甲田清水から40〜50分で大岳山頂(1584m)に着く。
山頂は広く開けており、晴れていれば360度の展望が可能である。 青森市街・岩木山・南八甲田連峰・高田大岳などを眺望することができる。 山頂の東側には噴火口跡がある。
山頂からは北側の登山道を通って大岳ヒュッテへ向かう。 山頂部はガレ場になっており、やがてアオモリトドマツ林へ入り、大岳ヒュッテに着く。 大岳ヒュッテの外側には休憩用ベンチが多数設けられており、大岳ヒュッテ内にはトイレがある。 大岳ヒュッテからアオモリトドマツの樹林帯を通り、毛無岱にでる。 毛無岱一帯は湿原であり、木道を歩くことになる。 毛無岱一帯は高山植物が花を咲かせる時期になると人通りが多くなり、上りと下りの行き交いが木道上では困難となることがある。 毛無岱は280段ぐらいの階段がある急坂を介して上毛無岱と下毛無岱に分かれている。 この階段から見る下毛無岱はすばらしく、特に紅葉の時期は絵に描いたような美しさである。 上毛無岱と下毛無岱には、それぞれ休憩場所が設けられている。
下毛無岱の休憩場所から少し下ると階段があり、ブナなどの落葉樹林帯に入る。 樹林帯に入ってから10分ほどで城ガ倉分岐に着く。 ここは直進し、さらに10分ほど歩くと、湯坂という名の急坂の上側に出る。 湯坂を下ると酸カ湯温泉であり、こちらの登山口にも登山案内板がある。
はっこうだおおだけ
1584m いどだけ
1452m あかくらだけ
1548m
酸カ湯温泉(890m)から八甲田大岳(1584m)への登山だけでは物足りないと感じる場合に適している。 八甲田大岳への登山に加え、井戸岳・赤倉岳を含む縦走路を楽しむことができる。 距離は長くはないが、縦走路の区間は北八甲田連峰の魅力を詰まっている。 井戸岳噴火口跡や赤倉断崖は壮観であり、花シーズンのころは高山植物を楽しむことができる。 赤倉岳の少し先には五色岩(1521m)があり、ここは赤倉分岐と呼ばれる登山道分岐になっている。 一方の登山道は深沢温泉へ向い、他方の登山道はロープウェー山頂駅へ向っている。 ロープウェー山頂駅へ向けて下り、五色岩・田茂萢岳の鞍部に位置する宮様分岐(1290m)まで進む。 この分岐から宮様コースを通って上毛無岱へ向かう。 大岳ヒュッテから直接上毛無岱へ下る場合に比較して1時間から1時間半ほど余分にかかる。
城ガ倉温泉にも八甲田大岳への登山口がある。登山口から30分ぐらいで酸カ湯温泉からの登山道と合流する。
こだけ
1478m
仙人岱から八甲田大岳へ行くときに小岳の麓を通過する。 したがって八甲田大岳へ登るついでに小岳へ登る人々もいる。 八甲田大岳や高田大岳と比較して小岳はマイナーな山といったイメージがあるが、容易に登れることや眺望が良いことから、小岳が好きな人は多いと思う。
仙人岱の八甲田清水(1320m)から八甲田大岳へ向って歩き、2分ぐらいのところに小岳へ向かう小岳分岐がある。 そこから小岳へ向かい、急登もないまま、20分〜25分で小岳山頂(1478m)に着く。 小岳山頂は腰掛けるに適したサイズの石が散乱しており、その周辺はハイマツ地帯となっている。 山頂から小岳分岐への下りは15分〜20分ほどかかる。
たかだおおだけ
1552m
高田大岳は北八甲田連峰の東南端に位置し、円錐形の堂々とした山である。 酸カ湯温泉から仙人岱の八甲田清水までは1時間から1時間半ほどかかる。 八甲田清水から20分〜25分ほどで小岳山頂(1478m)に着く。 小岳(1478m)は南北八甲田全体をうまく眺望できる位置にあり、 そこからの景色は北八甲田連峰の中で最もよい部類に入る。
小岳山頂からは洗掘(せんくつ)が進んだ滑りやすい登山道を下り、30分ほどで鞍部分岐に着く。 花の咲く時期であれば鞍部はお花畑になっている。 鞍部からは高田大岳への登りとなり、引き続き洗掘された登山道を進む。 上に行くに従って普通の登山道のようになり、森林限界を過ぎると視界が開け、気持ちよく登れる。 鞍部から高田大岳山頂へは40分ほどかかる。 酸カ湯温泉からだと高田大岳山頂へは3時間から3時間半ほどかかる。
山頂は二つのピークを持ち、酸カ湯温泉からのコースは西端のピークに着く。 東端のピークの方には祠と三角点があり、谷地温泉からのコースが着いている。 山頂(1552m)からは北八甲田連峰の雄大な全体像を見ることが出来る。 小岳と高田大岳との間の登山道、特に鞍部近くの下部では、洗掘・ヌカルミ・笹密生地帯が続き、歩きづらい。
たかだおおだけ
1552m
谷地温泉(790m)から出発して直線的に高田大岳(1552m)に登るコースである。 谷地温泉旅館の裏手の道から出発し、小さな湿地を通り、ブナ林の中を緩く登って行く。 植生がブナから混合樹林となり、小高い台地(ピークは974m)を越えて緩やかな下りとなる。 登山口から30分ぐらいで平坦な樹林地帯へ入って行く。 小さな沢が幾筋も入った湿地帯のような平坦地である。 この平坦地ではヌカルミと水溜りのため、歩きづらい泥道が続く。 したがって履き物は登山靴よりも長靴の方が良い。 そのような泥道が15分ほど続く。 谷地温泉から50分ほどで標高1000mぐらいの休憩適地に着く。 そこは山頂からの大斜面と平坦地との境目あたりにあり、多人数でも休憩できる大きな広場になっている。
標高1000mぐらいの休憩適地あたりから、洗掘(せんくつ)が進んだ滑りやすい登山道が続き、徐々に勾配がきつくなってくる。 滑りやすいところや段差の大きいところが多々あり、歩きづらい。 標高1200mぐらいから展望が得られる地点が現れ始めるが、山頂は遥か彼方にある感じだ。 えぐられた登山道はさらに続く。そうでないところは登山道を覆っている笹や灌木をかき分けて進むことになる。 標高1300mぐらいからは山頂がハッキリと見え始め、えぐられた登山道も終わり、歩きやすくなってくる。 このあたりから眺めの良いハイマツ地帯となり、休憩に適した地点も小間隔で現れ、やがて山頂に着く。 谷地温泉から山頂までは2時間半から3時間かかる。
山頂は二つのピークを持ち、谷地温泉からのコースは東端のピークに着く。 東端のピークには祠と三角点がある。 西端のピークの方が少し高く、酸カ湯温泉からのコースが着いている。 山頂からは南八甲田連峰全体をうまく見渡せ、その隣には戸来岳なども見える。 天気の良いときは十和田湖がかすかに見える。 東側に目を向けると太平洋が見え、野辺地あたりも見える。 北の方向には陸奥湾が見え、その向こう側には下北半島の山々が見える。 さらに北八甲田連峰を眺望することができ、その隣には青森市街や津軽半島も見える。
谷地温泉からのコースはヌカルミや洗掘の区間が延々と続く感じであり、歩きづらい。 そのためか、登山者から敬遠されているようだ。 酸カ湯温泉から小岳を経て高田大岳に登るコースが一般的に利用されているようだ。
山頂から谷地温泉への下りは2時間弱かかる。 山頂から標高1000mぐらいの休憩適地へは1時間ぐらいかかり、そこから40分ぐらいで谷地温泉に着く。
北八甲田連峰の主だったピークを1日でめぐる周回コースとして上のコースを歩いてみた。 小岳 〜 高田大岳の区間を2度通ることになるが、出発点と終点とが同じであり、単独行にとっては都合がよい。 八甲田大岳山頂の到着時刻によっては大岳ヒュッテから毛無岱へ下るショートカット的なコースを取ることも考えられる。 その場合は1時間ほど時間短縮ができる。一方、大岳山頂から縦走路と宮様コースを通って酸カ湯温泉へ下る場合は2時間半ほどかかる。
北八甲田連峰の全てを1日で満喫するコースとしてガイドブックなどに紹介されているのは、ロープウェー山頂駅から出発する上のコースである。 このコース取りであれば、同じ区間を2度通ることもなくなる。 ただし、高田大岳〜谷池温泉の区間が悪路であり、高田大岳の裾野には水の溜まった泥道の区間が15分ほど続くところもある。
先の「ロープウェー山頂駅から」のバリエーションであるが、上のようなコース取りを思いついた。参考までに。
ロープウェー山頂駅には近くの田茂萢岳(1324m)と田茂萢湿原をめぐる8の字状の遊歩道が設けられている。 その少し先には宮様分岐があり、一方の登山道は赤倉岳から始まる縦走路へつながり、他方の登山道は上毛無岱へ向かう宮様コースとなっている。 ロープウェー山頂駅から出発する場合は幾らかのコース取りができるが、一般的なのは上に示すコース取りであろう。
ひなだけ
1240m
雛岳(1240m)は北八甲田連峰の南端に位置し、北八甲田連峰の他の山に比べて人気がない。 しかし、登山口となる箒場から雛岳分岐までのブナの森は訪れるに十分な価値があると思う。 このブナの森は四季を通じて楽しむことができる。 雛岳分岐から山頂までは40分ほどの急登が続くが、山頂からの眺望は良い。 急峻な谷を隔てた目の前に高田大岳の大斜面が見える。 特に紅葉のころの晴れた日の眺めは最高である。 紅葉の真っ盛りのころに混雑する八甲田大岳などを避け、北八甲田の紅葉を楽しみたいのであれば雛岳が考えられる。
駐車する場所としては田代高原駐車場がある。ここには公衆トイレがある。 登山道は民宿又兵衛の隣から始まり、田代キャンプ場を通り、ブナの森を緩やかに登っていく。 鳥のさえずり、ブナ林の森林浴を楽しむことができる。 このあたりは四季を通じて気持ちよく歩くことができる。 駐車場のある箒場(610m)から6合目の雛岳分岐(900m)までは歩きやすく、40分から1時間ほどで着く。
雛岳分岐を過ぎると、ブナ林が終わり、急登になる。 雨のときは滑りやすそうな粘土質の区間もある。 雛岳分岐から40分ほどで山頂(1240m)に着く。 雛岳山頂の標識から20mほど高田大岳側へ進むと、雛岳と高田大岳との間の鞍部を見下ろす岩場にでる。 ここは雄大な景色を見ながら昼食を楽しむのに適した場所である。 山頂からは高田大岳・八甲田大岳を含む北八甲田連峰の全体を見渡すことができる。 さらに南八甲田連峰や田代高原なども見える。
たかだおおだけ
1552m はっこうだおおだけ
1584m
田代高原駐車場に駐車し、民宿又兵衛の隣から登山道に入る。 登山道は田代キャンプ場を通り、ブナの森を緩やかに登っていく。 駐車場のある箒場(610m)から6合目の雛岳分岐(900m)までは歩きやすく、40分から1時間ほどで着く。 雛岳分岐を過ぎると幾らかの沢越えがあり、徐々に知名度の低い登山コースのようになっていく。 そうであっても樹林帯ではハッキリとした道筋が着いている。 幾らかの沢を越え、高田大岳を巻くようににして徐々に鞍部の方へ登っていく。
樹林帯から徐々に笹密生地帯になると、鞍部が近いことが実感できるようになる。 そのあたりから道筋が笹で覆われ、笹をかき分けて進むようになる。 笹をかき分けると道筋が見え、迷うような感じはしない。 洗掘された坂道や笹で滑りやすいところがある。 長い登りの後の笹密生地帯であるので、鞍部への最後の登り30分ほどは楽ではない。 やがて小岳と高田大岳との間の鞍部分岐(1280m)に着く。 駐車場から鞍部分岐までは2時間半から3時間ほどかかる。 花の咲く季節であれば鞍部はお花畑になっており、長い登りの後だけに楽園に着いた感じがする。
鞍部から見る高田大岳は円錐形の端正な姿をしており、鞍部の湿原と合わせて絵になる風景になっている。 鞍部分岐から高田大岳へ登る場合は下部で洗掘された山道を進む。 上に行くに従って普通の山道のようになり、森林限界を過ぎてからは視界が開け、気持ちよく登れる。 鞍部分岐から山頂(1552m)へは40分ほどかかる。 箒場から高田大岳へ登る場合は往復で7時間から8時間かかる。
鞍部分岐から小岳を越えて八甲田大岳へ向かうことも考えられる。 鞍部分岐から小岳への登りは、洗掘された坂道であることや疲れていることから長いと感じる。 それでも鞍部から30分〜40分ほどで小岳山頂(1478m)に着く。 小岳は北八甲田連峰の全体をうまく眺望できる位置にあり、そこからの眺めはよい。 小岳を越えると歩きやすくなり、15分〜20分ほどで仙人岱の八甲田清水に着く。 八甲田清水からは最後の大岳への登りとなり、40分〜50分ほどかかる。 箒場から八甲田大岳へ登る場合は往復で8時間から9時間かかる。
みちのく深沢温泉から赤倉岳への登山道は北八甲田連峰で最も人気がない。 その最大の理由は赤倉断崖を通る区間があり、危険度が高いためである。 土砂崩れ跡のような急斜面の上端をトラバースする場所でも柵やロープがない。 登山道が濡れていてスリップしやすいときは通行しないことに限る。 そのようなことを感じる断崖である。 南八甲田の赤倉岳へ登るコースに「断崖コース」と呼ばれる登山道があるが、こちらの方も「断崖コース」と名づけたいような登山道である。 こちらの方が断崖を実感するコースである。
コースの下見をしてから、後日このコースを利用するか否かを決めても良いと思う。 五色岩から10分ほども下れば、赤倉断崖を通る登山道の状態が理解できる。
県道「青森・田代・十和田線」から八甲田温泉へ入るY字状交差点のところに登山口が書かれた地図を見かけるが、 実際の登山口は県道「青森・田代・十和田線」からみちのく深沢温泉へ入るY字状交差点のところにある。 しつこいようであるが、登山口は深沢温泉近くのY字状交差点にある。 この登山口には、かって登山案内板があったが、いつごろか登山案内板を見なくなった。 その後、登山口を示す小さい標柱「赤倉岳登山道入口」が立てられた。
深沢温泉近くの登山口からスタートし、水の流れている小さい沢に沿って登りはじめる。 登山道が下草で覆われ、最初からマイナーな登山道の様相をしている。 20分ほど進むと下草の少ない地帯となり、ブナ林の中に普通の登山道が続く。 適度な勾配の登山道を進む。視界が得られないが、この辺りの登山道自体は悪くはない。 2.5Kmの標識が木に取り付けられたところを通過し、次は3Kmの標識が木に取り付けられたところを通過する。 コースは尾根に沿って設けられているが、そのことを感じるようになるのは3Kmの標識の辺りからである。 ところどころ視界も開けてくる。 3Kmの標識がある場所から少し上側には松が生えていて休憩に適した場所が数カ所ある。 やがて笹で登山道が覆われた地帯を通過するようになる。 笹をかき分けて進むが、その下の道筋はハッキリとしており、道に迷うようなことはない。 笹密生地帯を30分ほど進むと、突然断崖のところにでる。
ここから赤倉断崖の全貌が見える。そのスケールの大きさに身が引き締まる。 登山道は断崖の急斜面上端を通ったり、断崖から少し離れたところを通ったりする。 断崖の急斜面上端をトラバースするところは数カ所ある。 最初に断崖のところに出た地点から40分ぐらいで五色岩に到着し、ロープウェイ山頂駅からの登山道と合流する。 五色岩から赤倉岳へは5分もかからず、登山口から赤倉岳へは2時間半から3時間ほどかかる。 この登山道の所要時間を測った時に比べ、登山道の藪化が進んでおり、登山口から赤倉岳へは4時間半ほどかかる山行記録を見るようになった。
さらに長く歩きたい場合は、八甲田大岳へ向かうことが考えられる。 五色岩からは整備された縦走路となり、赤倉岳・井戸岳・大岳ヒュッテを経て八甲田大岳に着く。 五色岩から八甲田大岳へは1時間ぐらいかかる。
下山では赤倉断崖の区間で緊張を強いられる。 複数人で通る場合はロープを持参し、その場でロープを使うか否かを決めても良いと思う。 そのようなことを感じる場所が一カ所ある。
なお、深沢温泉〜赤倉岳の登山道については適切な登山道名がない。南八甲田の赤倉岳断崖コースと区別する意味で、「北赤倉岳断崖コース」や「北赤倉岳登山道」などが考えられるが、・・・。
駒込川に沿って田代元湯を始め、幾つかの温泉が湧いている。田代新湯には温泉小屋が建っている。
いしくらだけ
1202m
石倉岳は北八甲田連峰の南端に位置する岩峰であり、その裾野には国道103号線が通っている。 登山道の途中に位置する岩場は岩登り訓練に利用されている。 30分ほどで登れてしまうこと、近くに適当な駐車場が無く国道を歩いて登山口へ行く必要があること、等々が関連していると思うが、人気がある山とは言えない。 確かに短時間で登れてしまうが、岩峰であることから展望は良い。 眼下には樹海に延びる国道103号線、そして遠くには南八甲田の山並みを見ながら、岩場でゆっくりするのも良い。
登山口に一番近い駐車場所は、登山口から200mほど西へ移動した道路脇にある。 車2台分の舗装された駐車スペースが道路脇に設けられている。 この駐車スペースと登山口との間には、舗装されていないが、車1台分の駐車スペースがある。
登山口の鳥居を通過すると小社があり、その右側に登山道が見えるので、それを辿る。 いきなり大岩が散乱した急斜面を登るようになる。 10分も登ると、高さ15mほどの大岩にでる。岩登りに利用されている岩壁である。 さらに5分ほどで赤い奥宮(小社)に着く。奥宮の右隣りには高さ10mほどの岩登り用の岩壁がある。 奥宮の左隣りに道筋が見えるので、道筋を辿って岩場を登って行く。岩場を通過すると尾根の上にでる。 尾根の上では道筋はハッキリしているが、笹をかき分けて進むようになる。 尾根の上では広い範囲で展望が得られるが、すぐに山頂に着く。 山頂では展望が得られないので、岩場に戻り、そこで休憩するのが良い。 そこは岩と松とからなる風光明媚な場所になっており、展望もよい。
石倉岳は岩登り訓練にも利用されている。
現在のところ、この遊歩道は閉鎖されている。 詳しい情報はウェブサイト「青森の自然」の関連ページや 毎日JPの関連ページ(PDF)を参照。
以下の情報は、城ガ倉渓谷遊歩道が閉鎖される前の情報である。
これは城ガ倉渓谷に設けられた遊歩道を歩くコースである。 酸カ湯温泉の駐車場から城ガ倉渓谷の方へ進み、酸カ湯野営場に寄る。 酸カ湯野営場から新湯までは20分ほどであり、温泉が湧き出ているところなどを見ながら、さらに10分ほど歩くと城ガ倉渓谷にでる。
そこからは渓谷に設けられた遊歩道を歩き、全行程を通じて渓谷美を楽しむことができる。 途中には絶壁の真下に作られた幅30cmほどの歩道のところがある。さらにつり橋や滝などもある。 そして城ガ倉大橋のところで谷は狭くて深くなり、120m上の城ガ倉大橋を見上げると、ほんとうに「渓谷」であることを実感する。 谷底から少し登ると、城ガ倉大橋の下にある旧道にでる。ここに遊歩道のゲートが設けられている。
参考コースでは城ガ倉温泉から山道を通って酸カ湯温泉に戻るが、遊歩道を往復することも考えられる。 遊歩道を往復する場合は4時間程度かかる。
山行のついでに立ち寄るような沼や湿原に焦点を置いて北八甲田の沼や湿原に関する情報を集めてみた。
田代湿原は八甲田温泉の東隣りにある八甲田山系最大の湿原であり、200万年前はカルデラ湖だったところである。 田代湿原の入口は道路を隔てて八甲田温泉の向かい側にあり、そこには駐車場やトイレがある。 ゆっくり散策をしながら1時間ほどで一周できる。 6月〜7月にはワタスゲやヒメシャクナゲが花を咲かせ、夏にはニッコウキスゲやキンコウカが湿原を彩る。
田代高原の箒場(雛岳登山口)から車道沿いに東側へ1Kmほど行ったところにグダリ沼がある。 北八甲田連峰の地下水が多量に湧き出して清流となり、その先の沼へ流れ込んでいる。 幅20メートルほどの清流にはバイカモやクレソンが生えている。 そのような清流を中心として絵になる風景が広がっている。 下流はヤマメなどが住む清い沼になり、それから駒込川へ繋がっている。 田代高原駐車場から東側へ1Kmほど行くと、車道の右側(山側)に雪道避難所(ログハウス)があり、 その反対側には田代牧野畜産農業共同組合の小屋と小さな駐車場がある。 その駐車場から牧草地に入り、踏み跡を辿ると数分で湧き水が多量に流れ出している沢に着く。
谷地温泉のところにある。駐車場所は谷地温泉の駐車場。
国道103号線の傘松峠から少し東側へ行った道路脇にあり、北八甲田連峰の写真スポットとして有名な場所である。
酸カ湯温泉の少し南側にある観光スポット。
酸カ湯温泉上側駐車場と地獄沼との中間あたりに入り口がある。噴火口跡に造られた小さな植物園である。
大山湿原(寒水沢湿原)は寒水沢の右岸、標高900mぐらいに位置する小さい湿原であり、アオモリトドマツ林の中にある。国道から1時間ぐらいで着くようだ。
このようなリストを作った後のことであるが、このようリストであればウェブサイト「青森の自然」にあるのではないかと思い調べると、あった。 少し視点が異なり、したがって内容も異なっている。
北八甲田連峰と比べた場合、南八甲田連峰の特徴は、その原始性にあると言える。 全般的に道筋はハッキリとしているが、登山道が整備されておらず、北八甲田の登山道を想像して出かけると、南八甲田の登山道整備の悪さに驚かされるかも知れない。 さらに登山口からのアプローチも長い。 登山口から2、3時間進んだあたりで見渡す限りの樹海を見ると、人里から離れていることを実感する。 快適な山歩きにはならないが、より自然を味わうことができるのが南八甲田登山の特徴になると思う。
登山適時は6月下旬から10月下旬まであろう。 花のシーズンは6月下旬から7月中旬にかけてがピークになる。
笹藪地帯を通るところが幾らかあり、次の区間が含まれる。
次のような縦走に興味をおぼえる人がいるかも知れない。そう思い、リンクを張ることに決めた。
よこぬま
1110mぐらい
横沼は南八甲田連峰の2つの稜線に挟まれた樹海の中にあり、人里から遠く離れている。 現在のところ、整備された登山道はない。 城ガ倉大橋ができる以前は、城ガ倉渓谷を横切り、沢登りと藪こぎで横沼へ行くルートがあった。現在は利用されていない。 1995年に城ガ倉大橋が開通してからは、城ガ倉大橋の西側から始まる山道を利用して横沼へ行く登山者が増えている。 横沼への山行適時は6月下旬〜10月中旬になろうか。6月下旬になると、横沼湖岸の雪が完全に解け、タケノコ・シーズンが始まる。そして10月下旬になると、紅葉が終わっている。
この山道は登山地図に記載されていないが、タケノコ取りの人々が利用している山道である。 タケノコ・シーズンに限らず、横沼へ行く登山者が増えたので、道筋はある程度ハッキリしてきている。その一方で道に迷う可能性が無いとは言えない。 そのような意味でキーポイントとなる場所は、標高1080mぐらいで山道から沢へ入るところであろう。 その沢とは、登山口から1時間ぐらいで山道の最高地点(標高1080mぐらい)に達するが、そこにある幅2、3メートルの沢である。 この地点は「山道の最高地点」であるので、その沢を横切って先に進むと、谷へ下る感じになる。 そのような場合は問題の沢を通り過ぎたと考えた方がよい。 この沢を辿り、再び山道を進むと、逆川岳近くの高層湿原へ出る。 この湿原では北八甲田連峰の全体を眺望することができる。 この高層湿原までであれば登山靴でよいと思うが、さらに先の横沼へ行くのであれば長靴が適している。
横沼の登山口は、国道394号線を通って城ガ倉大橋の西側へ少し進み、七沢橋のところにある。 七沢橋は城ガ倉スノーシェルターの東隣りに位置している。 七沢橋から30mぐらい東側(城ガ倉大橋寄り)のところに、車数台が駐車できる広場が山側にあり、便宜上、これを登山口(標高750m)と呼ぶことにする。 駐車スペースは登山口から国道を横断した反対側にもある。
登山口のあたりでは山道が複数個所で分岐しているので、どちらに進めば良いのか迷うが、メインの道、メインの道へと進むのが良い。 それは右側の道、右側の道へと進むことでもある。 別の道を進んでも、それらはメインの道と合流する。 ただし、ひとつの道筋だけ左へ行って行き止まりになる。 したがってメインの道を進むのが無難である。
浅い沢に沿って延びたような道筋となり、岩が点在した山道となる。 赤ペンキが塗られた石が複数カ所で見られれば、横沼への道を進んでいる。 そのような山道を辿り、七沢と平行に進む感じで緩やかに登っていく。 登山口から30分ほどで休憩に適した広場に着く。 そこのブナの木には赤ペンキで矢印が書かれ、さらに「35分」といった文字も見える。
この休憩広場からは斜めに登りながら徐々に七沢(南西)の方向へ進む感じになる。 広場から15分ほど進むと七沢上流域と思われる支沢の近くになり、沢幅が数メートルの沢を右手に見ながら登る。 その途中では赤ペンキで「十文」と書かれたトドマツのところ(標高1030mぐらい)を通過する。 沢に沿って数分登ったところで沢を横切るように山道が延びている。 これが第1の沢(標高1040mぐらい)である。 ここには同じような幅の2本の小沢が5mぐらいの間隔で並んでいるが、少し下流側で合流し、先ほどの幅数メートルの沢となっている。 第1の沢では水がチョロチョロと流れている場合もあるし、ない場合もある。 もし、この沢を登ると、すぐに登ることが困難となり、登山ルートでないことが分かる。 第1の沢の後は沢と呼べないような小さい沢を幾らか越える。
第1の沢を横切ってから数分で、再び幅数メートルの支沢を右手に見ながら登るようになり、標高1080mぐらいで第2の沢を横切るようになる。 第2の沢は第1の沢と同じぐらいの大きさであり、第1の沢と同様に水がチョロチョロと流れている場合もあるし、ない場合もある。 第2の沢は30cm〜40cm程度の大きさの多数の石が比較的平坦な感じで横たわっていて緩やかな勾配になっている。 そのような「石畳」の部分は幅が1mほどであろうか。 木や笹で塞がっているというような沢ではなく、その目でみれば登山ルートではないかと思われるような沢である。 普通、このような場所には赤テープのような目印があるので、目印を探すと良い。 ところが山道の方は第2の沢を横切って直進しているので、そのまま山道を進む可能性が高い。 もし、第2の沢を横切って直進した場合は、大きな谷(七沢本流)へ下る感じになり、行き過ぎたことに気づく。 ここまでのことを要約すると、登山口から1時間ぐらいで山道の最高地点(標高1080mぐらい)に達するが、そこにある沢が第2の沢と言える。
山道から第2の沢へ入り、沢の中を進む。 沢の石にはスパイク長靴などによる傷跡が見えるので、人通りのある沢であることが分かる。 沢が右へ分岐しているところに出くわすが、メインの沢を登ってゆく。 沢を登りはじめてから10分ほどで、沢が消える感じになり、上に向かって右側の岸(左岸)へ上がり、再び普通の山道を辿るようになる。 山頂部に近い感じの緩やかな山道を15分ほど辿ると高層湿原へ出る。 第2の沢を登り始めてから25分ほどで高層湿原(標高1205mぐらい)に着く。 この湿原は「くの字湿原」や「ブーメラン湿原」と呼ばれている。 近くの逆川岳(1183.4m)とほぼ同じような標高があり、山頂部と呼ぶに相応しい場所である。 北八甲田連峰や青森市街を見渡す大展望が得られる。 登山口から湿原までは1時間半ほどかかる。
道筋はくの字湿原の上端を横切るように延びており、湿原を過ぎると、すぐに横沼へ下る急坂になる。 この急坂を下り、浅い小さい沢を3つほど越え、下り始めてから5分ほどで幅2メートルほどの小沢に出る。 ここは右手の方向、つまり沢を辿って南西の方向へ150mぐらい進む。 ぬかるんだ小沢を辿って2分ほど進むと、横岳の南側急斜面を見渡すことのできる開けた場所にでる。 ここで小沢が消えたようになっているが、小沢はUターンする感じで左へ曲がり、横沼の方向へ続いている。 笹で見えにくくなっているので、注意して小沢の続きを見つける。 笹をかき分け小沢を辿って行くと、すぐに大きな石がゴロゴロした急勾配の沢になる。 水が流れ、石には苔が生えている。 したがって履物としてはスパイク付きの長靴が適している。 2段になった急な沢を下ると、横沼周辺の湿地帯に出る。 湿地帯は長靴でないと進めないほどぬかるんでいる。 湿地に着いている道筋はハッキリしている。 そのような湿地帯を数分進むと横沼の岸辺に達し、休憩に適した小さな広場に着く。 ゆるく盛り上がった地形になった小さな草地であり、数人が休憩できるほどの広さがある。 その脇には幅1mほどの清流が横沼へ流れ込んでいる。 くの字湿原から横沼へは30分ほど、登山口からだと2時間ほどかかる。
この休憩場所から数分のところに美しい小沼であり、足を延ばしてみる価値がある。 休憩場所から湖岸に沿って踏み跡を辿り、広い草地に出る。 ここで踏み跡が二つに分かれているので、右手側(南西へ延びている方)の踏み跡を辿って草地を進む。 すぐに水流跡が見え、それは水の溜まった小沢となり、小沼へ通じている。 その河口あたりはぬかるんだ状態になっているので、小沢の途中から左岸へ上る踏み跡を見つける。 左岸へ上る踏み跡は草地から10mぐらいのところに着いている。 その踏み跡を20メートルほど進むと小沼の岸辺に出る。 そこには綺麗な草地が広がっている。ここも休憩に適した場所である。
あと1週間ほどで城ガ倉大橋のあたりで紅葉が見ごろとなる時期に横沼へ行くと、紅葉が真っ盛りであり、早めの紅葉を静かに楽しむことができる。 先ほどの休憩場所の脇を流れる清流では魚の遡上が見られる。
くの字湿原から横沼へ下る急坂のところには、横岳方向へ延びている横沼展望コースが分岐している。 この横沼展望コースを進むと、道筋が徐々に不鮮明になり、完全に消えてしまう。 それより先は背丈より高い根曲り竹の密生地帯となり、進むことが困難となる。 山行後に得た情報によると、道筋が完全に消えても稜線の上に出るのではなく、稜線と急斜面との境目あたりを辿ると、いくらか藪こぎが楽になるそうだ。
城ガ倉大橋(1995年開通)ができる以前の昔のルートであり、いまは利用されていない。 このルートの概要は次のようになる。
八甲田ホテルの駐車場から渡り廊下を通って城ガ倉渓流へ下って行く。 城ガ倉渓流へ下る途中の分岐では右手側の踏み跡を辿って川底へ降り立つ。 そこは逆川岳から城ガ倉渓流へ突き出た鎌尾根(「赤タグレ」と呼ばれていると思った)の北斜面と対峙する位置になる。 この鎌尾根の北斜面に入っている沢を登り、滝のところは巻き、鎌尾根の付け根へ至る。 一方、城ガ倉渓流へ下る途中の分岐において左手側の踏み跡を辿って川底へ降り立ち、鎌尾根の先端から尾根伝いに登ることもできる。 鎌尾根の付け根から逆川岳の脇を通って横沼へ向かう。 このあたりは藪漕ぎになる。
さかさがわだけ
1183.4m
登山道なし。無雪期に逆川岳を訪れる価値があるどうか分からないが、訪れるとなると次のようなルートになると思われる。 横沼への山道を辿り、「くの字湿原」の上端に着く。そこから稜線の南端に沿って進み、300mほどで逆川岳に着く。 つまり、上に示した「横沼展望コース」の逆方向へ進む。 どの程度の藪漕ぎになるかは不明。飛び飛びに湿原を辿るようにすれば、少しはマシかも知れない。
みなみさわだけ
1198.8m
登山道なし。
くしがみね
1516.5m
南八甲田連峰の最高峰が櫛ガ峰(1516.5m)である。 隣の下岳(1342m)との関係から櫛ガ峰は上岳とも呼ばれている。 均整のとれた緩やかな三角形の山容をしており、その裾野には湿原が広がっている。 したがって花のシーズンに訪れると、裾野にはお花畑が広がっている。
猿倉温泉から櫛ガ峰へは歩く距離が長いので、出発は早発ち、遅くとも朝7時には出発した方が良い。 猿倉温泉(850m)の奥側にある公衆トイレのところが登山口である。 旧道コースは緩やかな坂道から始まり、しばらくは歩きやすい。 10分ぐらいで猿倉神社のところを通過し、さらに20分ぐらいで間道分岐に着く。 間道分岐から5メートルほど先へ行ったところには直径1メートルほどの大石が登山道を塞ぐような形で転がっている。 休憩に適した大石である。 間道分岐を通過したあたりからゴロゴロした石やヌカルミが多くなり、歩きにくくなる。 登山口から1時間ほどで矢櫃萢に着く。ここは休憩に適した場所である。
矢櫃萢から10分ほどで矢櫃橋を渡り、再びゴロゴロした石が散乱した歩きにくい坂道を進む。 ヘアピンカーブを通過し、一ノ沢分岐の近くになると、松次郎清水と呼ばれる水場に着く。 松次郎清水から2分ほど、矢櫃萢から1時間ぐらいで一ノ沢分岐に着く。 松次郎清水も一ノ沢分岐も休憩場所に適している。 一ノ沢分岐からは平坦な道が続き、ゴロゴロした石が少なくなり、視界も開けてくるので、「比較的」歩きやすいと感じるようになる。 あくまで「比較的」であり、水溜りやぬかるんだ場所が多々ある。 一ノ沢分岐から30分ほどで黄瀬沼分岐に着き、そこから黄瀬沼側へ数メートル行ったところに池塘がある。 休憩を兼ね、訪れてみる価値がある場所である。そこから10分ほどで駒ガ峰分岐に着く。 駒ガ峰分岐を過ぎ、さらに平坦な道を進むと、左手に大きな湿原が見えてくる。 駒ガ峰分岐から30分弱、登山口から3時間ないしは3時間半で櫛ガ峰分岐(1250m)に着く。 ここから櫛ガ峰への登りになる。
裾野の湿原から見る櫛ガ峰は草原で覆われたモンゴルの山を見るような感じである。 裾野の大きい均整のとれた姿をしており、下部は森林で覆われているが、中部から上は草原で覆われているような感じである。 この景色を見るために歩きにくい旧道コースを3時間余りも歩く価値があるかどうかは意見の分かれるところであろうが、 裾野から見る櫛ガ峰は日本ではなかなか見られないゆったりとした山容をしている。
櫛ガ峰の裾野では2つの湿原を通る。 櫛ガ峰分岐あたりの湿原を田型萢、その少し上側の湿原を黄瀬萢と呼んで区別する文献がある一方、 黄瀬萢=田型萢として黄瀬萢で統一している文献もある。 裾野の湿原のあたりは楽園の感がある。 楽園のあとは櫛ガ峰登山最大の難関が待っている。 ぬかるんだ道と笹密生地帯からなり、下山のときは滑って転びやすいところがある。 そのような笹密生地帯を通り、幾らかの小さい沢を越え、櫛ガ峰の裾野を東から西へ移動する。 湿原のような草地斜面に出たところから南側尾根を登って山頂を目指す。 尾根では背丈が低い笹の中を進み、比較的登りやすくなる。 櫛ガ峰分岐から山頂までは1時間、猿倉温泉から山頂までは4時間半ないしは5時間かかる。
山頂(1516.5m)からは南八甲田の樹海、黄瀬沼、十和田湖などが眺望できる。 視界が良いときは十和田湖の先に岩手山が見える。 北の方向には北八甲田連峰が見え、目を少し西へ移動させると横岳が見える。 横岳の背後には青森市街や陸奥湾が広がっている。
平坦な旧道コースを歩くので、往路と復路に要する時間的な差はほとんど無く、復路は疲れている分、往路と同じか、それ以上に時間がかかる。
花のシーズンは6月下旬から7月中旬にかけてがピークになる。そのころに訪れると、櫛ガ峰裾野の湿原はお花畑になっている。 お花畑だけが目的であれば、その先にある笹密生地帯を避け、櫛ガ峰裾野の湿原で折り返すことが考えられる。
しもだけ
1342m
下岳は南八甲田連峰の最高峰・櫛ガ峰(上岳)の西隣に位置する。南八甲田連峰の中で櫛ガ峰が最もポピュラーな山であるのに対し、下岳は南八甲田連峰の中で忘れられたような存在の山である。 1977年のあすなろ国体のときに青荷温泉側の林道〜下岳〜櫛ガ峰の区間に登山道が作られたことがあったが、いまは登山道は跡形もなくなっている。
のりくらだけ
1450m
猿倉温泉(850m)から比較的登りやすい山として乗鞍岳(1450m)がある。 猿倉温泉の登山口から旧道コースを通り、松次郎清水と呼ばれる水場を過ぎると、2分ほどで一ノ沢分岐(1210m)に着く。 登山口から一ノ沢分岐へは2時間ぐらいかかる。 一ノ沢分岐は一ノ沢に隣接する開けた場所であり、7月になっても雪渓が残っている。 夏場は松次郎清水に近いことからキャンプ地として利用される。
一ノ沢分岐から大小の石が連なる一ノ沢を登る。 大小の石が連なる区間を過ぎると、笹藪でトンネルのようになった洗掘道を進む。 一ノ沢から30分ぐらいで頭が笹の上側にでるようになり、視界が一瞬開ける。 沢を完全に抜けた感じになり、山頂部が左上に見えてくる。 笹をかき分けて緩やかなに斜登し、10分ぐらいで山頂に着く。 一ノ沢分岐からだと40分ぐらいで山頂に着く。
乗鞍岳山頂(1450m)には人の背丈よりも高いおむすび形の大石がある。 この大石は牛馬の神として祭られているので、大石の上に登らないように。 山頂は東側に展望が開けており、南八甲田の樹海を見渡すことができる。 天気が良ければ十和田湖や岩手山が見える。
乗鞍岳から黄瀬沼へ向かう山道を10分ほど進むと、山頂台地の西端となり、展望の開けた岩場に着く。 端整な姿をした櫛ガ峰が正面に対峙し、南八甲田連峰全体を眺望することができる。 眼下には黄瀬沼、遠くには白神山地が見える。 北の方向には北八甲田連峰、東の方向には十和田湖が部分的に見える。 眺望の良さという点で南八甲田連峰の中で1、2位を争う場所である。 ここは風が当たる場所に位置しているので、寒くない時期であれば昼食休憩に適している。
この区間の情報は別セクションに記載している。
5月末に行ったときは、一ノ沢分岐から山岳スキーの乗鞍コースに沿って登った。 このときは乗鞍岳山頂近くまで残雪が残っていた。 山頂から黄瀬沼への夏道を見つけることができれば山頂に着くことができる。 6月上旬に行ったときは、一ノ沢の雪渓を登ったが、雪渓の上端では雪の重さのため笹が倒れて沢を塞いだような状態であった。 7月上旬になると、一ノ沢の中程に雪渓が一部残っている程度であり、笹が沢を塞いでいるようなこともなく、登るのが困難という印象はなかった。 ただし、水が流れている岩の沢を登るので、スパイク付きの長靴など、滑りにくい履物が適している。 なお、雪解けの状態は年によって半月ほどの差があるように思える。
1100mぐらい
黄瀬沼は乗鞍岳の西山麓に位置する山湖であり、乗鞍岳と黄瀬沼は登山道でつながっている。 したがって乗鞍岳(1450m)へ登った後に黄瀬沼を訪れることが多い。 つまり、一ノ沢分岐〜乗鞍岳〜黄瀬沼〜黄瀬沼分岐〜一ノ沢分岐からなる周回コースを取ることが多い。 一ノ沢分岐から乗鞍岳へ登るのに40分、 乗鞍岳から黄瀬沼へ下るのに1時間30分、 黄瀬沼から旧道コースの黄瀬沼分岐への登りに1時間、 そこから一ノ沢分岐へ戻るのに30分ほどかかり、合計4時間強で周回できる。
乗鞍岳から黄瀬沼へ下る区間の下部は、ひどくはないが、笹藪を通るところがある。 笹をかき分ければハッキリとした道筋が見える。 黄瀬沼の湖岸道は、融雪期には10cmぐらいは沈むヌカルミになっているが、夏場になると湿地帯のソフトな道といった感じであり、登山靴でも大丈夫である。 黄瀬沼で昼食休憩を取る場合は南側湖岸の木道のところが良い。 黄瀬沼から旧道コースへは幾らかの小さい沢を越え、緩く登って行く。 その途中には黄瀬沼全体をうまく見渡せる場所がある。 旧道コースの近くになると池塘に着き、さらに数メートルで旧道コースの黄瀬沼分岐に着く。
乗鞍岳と黄瀬沼との区間は登山者の通行が少なく、笹藪の成長や倒木によって道筋が不鮮明になっているところがある。 登山コースから外れた場合は道筋がハッキリしているところまで戻れば道筋が見つかるはずであるが、万一のことを考え、地図の他にもコンパスを携帯した方がよい。 2007年秋に通ったときはコースに沿って赤テープが取り付けられていた。
なお、猿倉温泉から直接黄瀬沼へ行く場合は片道4時間ほどかかる。
こまがみね
1416m
駒ガ峰(1416m)は南八甲田連峰の中では登りやすい山と言っていいだろう。 猿倉温泉の登山口から旧道コースを通り、2時間半から3時間ほどで駒ガ峰分岐に着く。 駒ガ峰分岐は付近に水場があり、キャンプ地として利用されている。 テント2、3張りでいっぱいになるぐらいの大きさしかない。 駒ガ峰分岐から駒ガ峰山頂への登りとなり、笹が多い登山道を登るが、その距離は短く、20分か30分ぐらいで山頂に着く。 猿倉温泉からだと3時間から3時間半程度で山頂に着く。 駒ガ峰山頂は数人でいっぱいになるくらいの広さであり、南側だけに展望が得られる。 見渡す限りの樹海や黄瀬沼、黄瀬萢の眺望を楽しむことができる。 人里らしきものが見えないので山の中にいることを実感する。
猿倉温泉から猿倉岳に登り、それから稜線を通って駒ガ峰へ登ることもできる。 その場合は猿倉温泉から猿倉岳への登りに1時間半、猿倉岳から駒ガ峰へは45分程度かかる。 花が咲く7月は猿倉岳と駒ガ峰との間の鞍部あたりでお花畑を楽しむことが出来る。 このコースは比較的人通りがある方なので、笹藪によって道が塞がれているようなことはないが、全般を通じて笹藪が多い。 駒ガ峰から猿倉岳を経て猿倉温泉へ下る場合は2時間強かかり、旧道コースを通る場合に比べて時間短縮ができる。
あかくらだけ
1298m
これは旧道コースから矢櫃沢を横切って赤沼コースへ移り、それから赤倉岳へ登るルートである。 旧道コースから赤沼コースへ移るルートは「間道」と呼ばれている。 間道は登山地図に記載されていないことが多い。 さらに現場には間道であることを示す標識や案内板も設けられていない。 間道と呼ばれる区間には赤テープが適当な間隔で付けられていることもあれば、無くなっていることもある。 このような間道を通って赤倉岳へ登ることができる。
猿倉温泉(850m)から旧道コースを30分ほど歩くと、旧道コースから矢櫃沢へ下る山道が分岐しているところに着く。 ここが間道分岐である。 間道分岐から旧道コースを5メートルほど先へ行ったところには直径1メートルほどの大石が登山道を塞ぐような形で転がっている。 休憩に適した大石である。
間道に入ってすぐに急斜面を下り、そこから矢櫃沢へ繋がっているに流水跡(沢筋)に沿って進む。 その流水跡は粘土質の流水跡から石がゴロゴロした涸れ沢へ変化し、やがて矢櫃沢と出会う。 矢櫃沢は石を伝って登山靴のままで横切ることができる。 その数メートル下流側から矢櫃沢は二股に分かれいる。 その右岸側(東側)の分流は石がゴロゴロした巾3mほどの涸れ沢になっている。 そのような涸れ沢を進むと、すぐに右岸側が高さ10mほどの崖になったところを通過する。 この崖から20mほど下流側の右岸に間道の続きがある。 そこは二股に分かれた矢櫃沢が再び合流するところから10mほど上流側でもある。 沢から右岸に上がり、すぐに小さい湿地を通過し、そして硫黄泉(常温)が湧き出ている小沢に出る。 硫黄泉の湧き口から数メートル下流側に踏み跡が続いている。 踏み跡に沿って進むと、すぐに湿地にでる。 この湿地で赤沼からの登山道(赤沼コース)と出合う。
湿地〜赤倉岳の区間は赤沼コースを通って赤倉岳へを参照してください。 猿倉温泉から赤倉岳山頂までは2時間から2時間半ほどかかる。
あかくらだけ
1298m
蔦温泉周辺から赤倉岳へ登るコースとしては、「北ナガムテ」と呼ばれる北尾根を通る赤沼コースと、「南ナガムテ」と呼ばれる南尾根を通る断崖コースとがある。 「長(い)峯(の)手」といった意味で「ナガムテ」と呼ばれる。同じく「長手」といった意味だが、「ムナガテ」と呼ぶ説もある。 赤沼コースを通って赤倉岳へ登る場合、出発点としては3カ所ある。(1)仙人橋、(2)蔦温泉、(3)蔦トンネル南端。 出発点が異なるものの、これら3つのコースは赤沼で合流し、そこからは1本の登山道となる。 したがって共通した区間、つまり赤沼〜赤倉岳の区間について最初に説明する。
赤沼は透明度の高い(全国で第三位の)神秘的な山湖である。 赤沼から流れ出す赤沼沢のところに赤沼コースが着いている。 湖岸から10mほど戻ったところの分岐から入って赤沼沢を横切り、それから北尾根(北ナガムテ)に着けられた登山道を辿る。 美しいブナ林の中に延びた普通の登山道を辿り、緩やかに登っていく。 赤沼から1時間ほど進むと針葉樹の森になる。 その辺から尾根の北側へ下り、湿地帯にでる。 湿地へ入るところの尾根の裾には登山道の左側に湧き水が流れ出している。 流量が少ない細々とした流れであるので、探す気になって探さないと見つからないかも知れない。
湿地帯は短い山道を介して2つの湿地に分かれており、1番目の湿地では旧道コースからの間道が合流する。 2番目の湿地を過ぎると北尾根への登りになり、10分ほど登ると北尾根の背に着き、そこは赤沼展望所(1030m)と呼ばれている。 展望所は赤沼を見下ろす風光明媚な場所にある。
ここから赤倉岳山頂部への急登となり、ところどころで段差のある急坂を登って行くと、山頂台地(山頂分岐)に着く。 そこは赤倉岳へ向かう左側の道と乗鞍岳へ向かう右側の道との分岐点になっている。 山頂台地では笹藪で登山道が覆われているので、笹をかき分け、登山道を確かめながら進む。 赤沼展望所から30分ぐらいで山頂に着く。 山頂(1298m)には数人が座れるほどの狭い広場と山頂を示す標柱がある。 山頂は赤沼を見下ろす方向にだけ展望が開けている。
赤沼〜赤倉岳の区間は説明済みであるので、ここでは仙人橋〜赤沼の区間だけを説明する。 仙人橋の北側(青森市側)には車数台が駐車できる広場がある。 その広場から仙人橋を渡ったところに登山口があり、「赤沼」の方向を示す標識が立っている。 登山口のところでは5mほどの高さの崖に設けられた急坂を登る。 崖を登ると、すぐに緩やかな山道になる。 20分ほど歩くと蔦トンネル南端からの山道と出合う分岐となる。 そこから幅広い山道を進んで赤沼へ向かう。 美しいブナ林の中を進むと、やがて赤沼に着く。
仙人橋から赤沼へは30分ほど、赤沼から赤倉岳山頂へは1時間45分ほどかかる。
赤沼〜赤倉岳の区間は説明済みであるので、ここでは蔦温泉〜松森山〜赤沼の区間だけを説明する。 まず、蔦温泉から「沼めぐり小路」を右回りに進むと、月沼を過ぎたところに、蔦温泉から1.3Kmの標識がある。 反対回りだと蔦温泉から1.6Kmのところにある標識である。 この標識は赤沼への分岐点であることを示していないが、ここが赤沼への分岐点である。 分岐点から5mほど入ったところに「この先、赤沼まで山道ですので、道に迷わぬように注意してください」といった意味の注意書きが立っている。 途中で道が二手に分かれているところがあるが、標識はない。ここは「メイン」と思われる右側の道を進む。 月沼近くの分岐点から1時間ほどで松の生えた小高い岩場に着く。 ここが松森山(804m)である。「松森」と呼ぶにふさわしい場所である。 松森山からは山道に従って北西へ進み、20分ほどで赤沼に着く。
蔦温泉から赤沼へは1時間半ほど、赤沼から赤倉岳山頂へは1時間45分ほどかかる。
赤倉岳と乗鞍岳との区間は全行程において根曲がり竹の笹藪が多く、その笹藪の濃さは南八甲田連峰においても特記すべきものがある。 赤倉岳から乗鞍岳へ行く場合、赤倉岳から乗鞍岳直下の湿原までが30分ほどかかり、そこから乗鞍岳山頂までは藪こぎの登りが30分ほど続いた。 この区間の所要時間は前回の刈り払いから何年が経過しているかによって、つまり根曲がり竹がどのくらい登山コースを塞いでいるかによって大きく左右される。 したがって1時間よりも長く、例えば2時間ぐらいかかるかも知れない。 一方、乗鞍岳から赤倉岳へは下りになるので、藪こぎと言えども少しは楽になる。
赤倉岳山頂近くの赤倉分岐から乗鞍岳を目指す。 赤倉岳と乗鞍岳との間の鞍部に出て、鞍部の平坦な山道を笹をかき分けて進む。 やがて小さい湿原に出て、そこから乗鞍岳山頂部への登りとなる。 その登りでは根曲がり竹からなる笹密生地帯での藪こぎとなる。踏み跡が急に横に振れており、踏み跡を探すようなところもある。 したがって楽しい登りにはならない。 急斜面を登りきり、尾根に沿って少し進むと一ノ沢コースと出合い、乗鞍岳山頂(1450m)に着く。
赤倉岳と乗鞍岳との区間では次のような遭難事故が起こっている。 2007年8月、登山暦の長い2人の男性がこの区間を通り、笹藪地帯で離れ離れになってしまった。 登山暦約20年の男性が道筋から外れてしまい、山中で2晩過ごすことになった。 そして自力で下山したところを発見された。
あかくらだけ
1298m
蔦温泉から赤倉岳へ登るとなると、「北ナガムテ」と呼ばれる北尾根を通る赤沼コースと、「南ナガムテ」と呼ばれる南尾根を通る断崖コースとがある。 「長(い)峯(の)手」といった意味で「ナガムテ」と呼ばれる。同じく「長手」といった意味だが、「ムナガテ」と呼ぶ説もある。
これら2つのコースのうち、断崖コースの方はほとんど利用されていない。 「断崖コース」という名が付いているが、崖から数メートル離れたブナ林の中を歩くのがほとんどであり、危険であるとは感じない。 崖を見下ろすところを2、3カ所で通過するが、危険というほどではない。もちろん注意は必要である。 ルートに沿って赤テープが取り付けられており、山頂部への急登が始まるまでは道筋がハッキリしている。 この断崖コースの最大の難点は根曲がり竹が密生している山頂部にある。 年々、笹の成長によって道筋が不鮮明になっており、特に笹密生地帯をトラバースする区間では道筋が完全に消えているところがある。 このあたりで道筋を見失う可能性が高い。
道順としては、まず、蔦温泉からそしてブナ林の中に延びている尾根道を緩やかに登る。 菅沼へ向って歩き始め、菅沼分岐で左へ折れて菅沼に着く。 そしてブナ林の中に延びている尾根道を緩やかに登る。 菅沼のあずま屋を通って尾根側(南側)へ移動し、菅沼を右に見ながら長沼へ向かう観察路を進む。 観察路を少し登った尾根斜面にY字状の分岐点がある。 ここは左へ折れて尾根斜面の山道を登り、南尾根の上にでる。
そしてブナ林の中に延びている尾根道を緩やかに登る。 菅沼から40分ぐらいで緩やかな斜面から比較的勾配のある小坂を登る。 小坂を登ったところは標高684mで、山道の右側に三角点がある。 その後も展望の開けない尾根道が続き、やがて断崖を見下ろせるように少し開けた場所に着く。 溝のような隙間から落差が何百メートルもありそうな断崖が見え、さらに赤沼や松森山が見下ろせる。 蔦沼から赤倉岳の方向を見ると、何百メートルもありそうな断崖が見えるが、それはこの断崖と思われる。 「断崖展望所」を過ぎると、すぐに1001mピークに着く。 蔦温泉から2時間ほどで1001mピークに着く。 ピークからは赤沼や蔦沼などが眺望でき、これから登ろうとする赤倉岳山頂部も見える。 このピークでは休憩を取り、これから始まる藪こぎに備え、スナック等でお腹を満すのがよい。 展望が得られる場所は1001mピークのみと言ってよいほど、この断崖コースは展望が得られるところが少ない。
1001mピークから少し下って鞍部にでる。 このあたりは潅木が群生していて展望が少し得られる。 鞍部から山頂へのルートとしては、鞍部から少し登ってから南東尾根へトラバースし、東南尾根を辿って山頂を目指すことになる。 鞍部を過ぎたあたりから笹藪が続き、倒木もあり、なかなか思うように進まない。 笹藪をかき分けて進もうとするが、根曲がり竹の反発力で押し返され、なかなか進まない。 さらに道筋が消えており、道筋を探すために立ち止まることが多々ある。 このあたりは木から木へ渡り歩く感じで笹密生地帯の中にルートが着いている。 東南尾根を登るようになると、やがて勾配がゆるくなり、山頂に近い感じになってくる。 このあたりは倒木が多くあり、ルートを探しながら進む。 山道はやがて北尾根からの赤沼コースと山頂近くで合流する。 この分岐点では引き返すような感じで右(南)へ折れ、1分か2分ぐらいで赤倉岳山頂(1298m)に着く。 1001mピークから2時間10分ぐらいで山頂に着く。 蔦温泉からだと4時間強かかる。
この断崖コースを登りにした場合は、断崖コースを下るのではなく、赤沼コースを通って蔦温泉へ戻ることが考えられる。 この周回コースについては2007年秋に3人パーティで歩いた。 蔦温泉〜断崖コース〜赤倉岳山頂〜赤沼コース〜松森〜蔦温泉からなる周回コースである。 朝6時に出発し、昼食休憩1時間を含め、9時間半かかった。
その数年前には単独で断崖コースを歩いた。そのときと比較し、笹藪がさらに濃くなっており、ルートが極めて不鮮明になっている点が強く印象に残った。 いまは単独での通行は要注意である。
蔦温泉周辺には見事なブナの原生林が広がっており、蔦沼など6つの沼が点在する。 このようなブナ林の中に二つの遊歩道、「沼めぐり小路」と「野鳥の小路」とが設けられている。 どちらも約1時間で周ることができる。沼めぐり小路は6つの沼をめぐるようにして設けられており、1周2.8Kmある。 蔦温泉周辺は環境庁によって野鳥の森に指定されており、 野鳥の小路は沼水の水を求める小鳥やブナ林に生息する小鳥たちを観察する目的で作られている。 いずれのコースも距離が短い分、家族連れで新緑や紅葉を楽しむのに適している。 蔦温泉周辺のブナ林は、八甲田山の自然の中でも特に美しいと思う。
蔦温泉周辺の自然林は「21世紀に残したい日本の自然100選」に選ばれている。
あかぬま
685mぐらい まつもりやま
804m
赤沼はブナの森に囲まれた透明度の高い(全国で第三位の)神秘的な山湖である。 ブナ林の新緑や紅葉とエメラルドグリーンの湖面とのコントラストが映え、絵になる風景が広がっている。 酸性度が強いので魚はいないと言われている。 実際には岸辺でメダカのような小さい魚を見ることがある。
松森山は赤沼の南隣に位置する岩の小ピークであり、山頂がヒメコマツ(姫小松)の純林で覆われている。 「松森」「姫森山」「姫小松森」と呼ばれることもある。 ブナの樹海に浮かぶ松の小島といった感があり、雰囲気のある岩の小ピークになっている。 山頂南端へ移動すると岩場があり、赤倉岳方面を広い範囲で眺望できる展望所になっている。 その辺りではコメツガ(米栂)が見られる。 したがって松森山ではヒメコマツも見られるし、コメツガも見られる。
赤沼と松森山は隣同士に位置するので、双方を訪れる山行になるものと思われる。 出発点は3カ所ある。(1)蔦温泉、(2)仙人橋南端の登山口、(3)蔦トンネル南端の登山口。
蔦温泉から「沼めぐり小路」を右回りに進み、月沼を過ぎたところに蔦温泉から1.3Kmの標識がある。 反対回りだと蔦温泉から1.6Kmのところにある標識である。 この標識は赤沼への分岐点であることを示していないが、ここが赤沼への分岐点であり、月沼分岐と呼ぼう。 分岐から10mほど入ったところに「この先、赤沼まで山道で迷いやすいので、注意して下さい」といった意味の注意書きが立っている。 この山道は普通の登山道よりも細めであるが、迷いやすいという感じはしない。 月沼分岐から1時間ほど歩くと、ヒメコマツ(姫小松)の生えた小高い岩場に着く。ここが松森山(804m)である。
松森山から赤沼へは引き続き山道を辿って北西へ進む。 やがて赤沼の南岸に沿って進むようになり、赤沼の沼尻に着く。 松森山から赤沼の沼尻へは20分ほどで着く。
月沼分岐と赤沼との間は片道1時間半、往復3時間ほどの道のりである。 全行程を通じて「奥の細道」であるが、ブナ林を楽しむことができる。
駐車場所は仙人橋の北端にあり、車数台が駐車できる。 仙人橋を渡った南端に登山口があり、高さ5mほどの崖に着けられた坂道を登る。 崖の上に出ると、ブナ林の中に緩やかな山道が赤沼方向へ延びている。 山道を数分辿ると、蔦トンネル南端からの山道と合流し、林道跡と思われる幅広い山道がブナ林の中に延びている。 仙人橋の登山口から30分ほどで赤沼の沼尻に着く。
登山口は蔦トンネル南端の道路脇にあり、車2、3台ほどの駐車スペースがある。 整備された山道が続いており、急坂もない。
松森山に生えているのはヒメコマツ(姫小松)とする資料がある一方、コメツガ(米栂)とする資料もある。 そこでヒメコマツとコメツガとについて少し調べてみた。 後で分かったことであるが、山頂あたりにはヒメコマツ、山頂台地の南端あたりではコメツガが見られる。 したがって松森山にはヒメコマツも生えていれば、コメツガも生えている。
ひかげぬま
日影沼は赤沼の上流500mほどのところにある細長い小沼である。2万5千分の1の地図にも記載されている。 赤沼から日影沼へ向かう途中で踏み跡がなくなっているが、行き方はハッキリしている。 まず、赤沼の沼尻から沼頭へ移動する。 沼尻から松森山へ向かう山道を進み、5分ほど進んだところから湖岸(南岸)に沿って延びている踏み跡を辿る。 途中で踏み跡があるような無いような状態になるが、適当に湖岸に沿って進み、赤沼沢が流れ込む沼頭に着く。 そこから赤沼沢を辿って標高780mぐらいまで登る。 赤沼沢は小さい沢であり、滝を巻くようなところもなく、容易に遡行できる。 標高780mぐらいとなり、沢の右岸に上がって周辺を見渡すと、少し先に湿地のような草むらが見える。 その草むらの先に日影沼があった。 赤沼沢を辿って行けば自然に日影沼へ着くわけではないようだ。
日本名瀑百選のひとつで、落差が90mある。 両側に切り立った岩山をひたがえ、そこに姫小松を配した落差90mの滝は圧巻である。 紅葉の松見の滝を撮るのなら午前中に訪れるのが良い。昼12時を過ぎると対岸の影が滝を覆う。 このような写真を撮る条件は他の季節も同様だと思われる。
滝へ行くルートは2つある。(1)黄瀬川林道からのルート、(2)蔦沼林道からのルート。 いずれのルートも案内標識が整っていない。 特に一般的でない第2のルートの方は、林道分岐において進むべき林道を地図とコンパスで割り出すようなことが想定されるので、地図のみならずコンパスも携帯した方が良さそうだ。
一般的な第1のルートは国道102号線の黄瀬バス停の近くから歩くことである。 黄瀬バス停の交差点では未舗装の黄瀬川林道へ入り、橋を過ぎると第1のゲートがある。 第1ゲートの脇には駐車スペースがある。黄瀬バス停と橋の間には公衆トイレがあり、ここにも駐車スペースがある。 両駐車スペースの距離は100mほどありそうだ。 第1ゲートの掲示板には「松見の滝等の見学のために入山する方は徒歩で入山してください」とある。 第1ゲートから黄瀬川に沿って黄瀬川林道を歩き始める。 30分ほどで吊り橋が見えてくるが、そのまま林道を進む。 第1ゲートから50分ほどで黄瀬橋脇の林道分岐に着く。 この林道分岐から少し先に黄瀬橋が見える。
黄瀬橋を渡り、右側の林道を辿って尾根斜面を登って行く。 尾根の上に出て少し進むと第2ゲート(通称コバヤシ・ゲート)に着く。 第1ゲートから第2ゲートへは6Kmほどあり、1時間半から2時間かかる。 第2ゲートから先は株式会社コバヤシの社有林となる。 第2ゲートを通過して20分ほどするとブナ林から杉林となり、杉林となってから7、8分(500mほど)で「松見の滝入口」の標識が見え、黄瀬川へ下る歩道がある。 黄瀬川の左岸を20分ほど下ると、松見の滝の下側に出る。 第1ゲートから滝へは9Kmほどあり、2時間半から3時間ほどかかる。
第2のルートは蔦沼林道〜取水口巡視路を利用し、その終点の駐車場まで車で進む。 蔦沼林道の入口は下に示す国土地理院の地図や「いちさんまるの山行記録」にも示されている。 蔦沼林道では幾らかの林道分岐があるが、「メイン」の方を進む。 「メイン」の道を進むと書いたが、進むべき林道を地図とコンパスで割り出すのが確実である。 蔦沼林道へ入ってから4〜5Km進むと、「湧口沢林道」という標識があるY字分岐に着く。 この分岐では左手側の林道、つまり取水口巡視路を進む。 この取水口巡視路は国土地理院の地図にも記載されていないが、分岐から南東へ延びている道である。 この取水口巡視路は車の底を擦りそうな悪路のようだ。 下に示す国土地理院の地図を見ると、幾らかの沢を結ぶように埋設水路が描かれており、その近くに標高543mの三角点がある。 そこの埋没水路の上あたりに駐車場があるようだ。
取水口巡視路終点の駐車場から滝までは徒歩となり、1時間半ほどかかる。 こちらのルートは駐車場から歩道や橋を通って橇ヶ瀬沢を横切り、対岸へ移動する。 駐車場から30分ほど進むと、第2ゲート(コバヤシ・ゲート)の手前で黄瀬川林道へ出る。 つまり第1のルートと合流する。
御鼻部山から猿倉温泉までの旧道コースは全長で約24Kmあり、9時間ほどで歩けるようだ。 「昼食1時間を含めて11時間のヤブこぎ縦走」であったとする山行報告(2006年)もある。 いずれにせよ長丁場になるが、旧道コース全部を1日で歩くことは可能である。 御鼻部山の登山口からスタートすると、次のような経路となる。 御鼻部山の登山口 〜 善光寺平分岐 〜 袖ヶ谷地(ソデカ萢) 〜 前谷地 〜 大谷地 〜 枯木沼 〜 松森のヘアピンカーブ 〜 櫛ガ峰の分岐 〜 猿倉温泉の登山口。 旧道コース全部を歩く場合は入口と出口の両方に車が必要となる。
車1台の日帰り山行であれば、御鼻部山の登山口から3時間ほど歩き、折り返すのが妥当なようだ。 御鼻部山の登山口から3時間ほど歩くとなると、枯木沼あたりまで行けそうだ。このような計画で旧道コースを歩くことにした。
登山口は御鼻部山の展望台近くにある。 国道102号線を通り、東側から御鼻部山の展望台に来た場合は、七曲がりの坂を下り始めた最初のヘアピンカーブのところにある。 西側から来た場合は七曲がりの坂を登り、最後のヘアピンカーブのところである。 道路わきに車数台が駐車できるほどのスペースがある。登山口を示す標識は目線よりも高い木の幹に付けられているので、見逃す可能性がある。 青森市街から登山口までは蔦温泉・焼山・惣部バイパスを通ると1時間45分ほどかかるのに対し、 国道394号線・虹の湖・滝の沢峠を通ると1時間30分ほどで着く。
御鼻部山の登山口(940m)からスタートして1時間弱ぐらいは平坦な普通の山道を歩く。 ところどころヌカルミがあるので履物は長靴がよい。 徐々に下草によって道筋が覆われゆくが、コース自体はハッキリとしている。 954mピークのヘアーピンカーブあたりは多くの倒木で山道が荒れており、かつ笹藪地帯があり、歩きにくい。 数十メートルぐらいの短い笹藪地帯が2、3カ所ある。 1時間20分ほどで善光寺平分岐に着き、善光寺平からの山道と合流する。ここは休憩に適した場所である。 善光寺平からの山道の方がハッキリとした道筋であり、普通の山道のような印象を受けた。
善光寺平分岐からは道筋のハッキリとした山道が続き、10分ほどで袖ヶ谷地(864m)に着く。 袖ヶ谷地から20分ほどで前谷地(860m)に着く。 前谷地を過ぎると、徐々に藪こぎが増える。 笹ではなく、低い潅木の藪こぎがほとんどであり、苦にはならない。 前谷地から30分ほどで大谷地(930m)あたりを歩く。 大谷地は南北2Kmほどの広がりを持ち、複数の湿原を通過する。 大谷地の途中では沢を通る部分があるが、すぐに沢の上に出て沢に沿って踏み跡を進む。 ところどころで笹の藪こぎをするところがあるが、その距離は短く、道筋はハッキリとしており、それほど苦にはならない。 大谷地を通過し、出発してから3時間が過ぎたので、そろそろ引き返す時間となったが、あと5分か10分で枯木沼(990m)に着くはずであるから進むことにした。 出発してから3時間5分ぐらいで枯木沼に着いた。枯木沼の湖岸には狭いながらも休憩に適した場所がある。ここで昼食にする。
全行程が平坦な山道であるから、帰路も往路と同じくらいの時間がかかる。善光寺平分岐から登山口までの最後の部分は長く感じた。 なぜ、このような山道を人は歩くのであろうか。そのようなことを考えているうちに登山口に着いた。
歩いた区間の全般的な印象は次のようなものである。 人通りのない山道で、藪こぎをするところや多くの倒木で荒れた状態のところがある。 藪こぎといっても低い潅木の藪こぎがほとんどであり、ところどころに笹藪地帯があるが、その距離は短い。 コースを見失うというほどではなく、コース自体はハッキリとしている。 全般的に視界が開けないが、ところどころで開けた湿原にでるので救われる。 藪こぎをするような区間を避け、「普通」の山道を歩きたい場合は、善光寺平の登山口から出発し、前谷地あたりまで歩くことが考えられる。
善光寺平から出発し、前谷地や大谷地あたりを散策するのも良い。見所としては、鴨沼・袖ヶ谷地(ソデカ萢)・ソデカの杉・前谷地・大谷地などがある。
ソデカの杉とは、袖ヶ谷地の近くにある杉の群落のことである。 村の神社の杉木立を思わせるような太い杉の群落がある。 袖ヶ谷地の西側湿原を突っ切って踏み跡をたどり、藪を漕いで西へ行くこと5分ぐらいのところにソデカの杉がある。
御鼻部山からスタートする旧道コースの西側1Kmのところに旧道コースとほぼ平行に延びている山道がある。 御鼻部山から善光寺平に至る山道である。 片道7Kmほどの平坦な山道を2時間弱で歩くことができる。 昼食の休憩を含め4時間半ほどで往復することができる。 水の流れている沢を越えたり、湿地を通ったりするので、履物は長靴が必要である。 道筋が不鮮明になっているところがあるので、赤テープを持参した方が良い。
この山道の入り口(820m)は御鼻部山の展望台から七曲がりの坂を西へ下ったところにある。 車数台が駐車できるほどのスペースがあり、そこには「奥羽山脈 緑の回廊」の大きな掲示板が立っている。 最初の数分は林道のような山道を進むが、すぐに人通りの少ない様相の山道になり、徐々に踏み跡程度になってくる。 約2Kmのところには小さい標識が立っており、国道から約2Km、善光寺平へ約6Kmであることを示している。 笹藪や下草で踏み跡が完全に覆われたところがあるが、踏み跡を見つけながら進む。 やがて湿地帯を通る。ぬかるんでいるが、進むのが困難というほどではない。 国道から1時間ほど進むと、下草が少なくなり、徐々に普通の登山道のようになる。
普通の登山道のようになってくると、休憩に適した場所も見つかる。 右手の方に旧道コースが通っている稜線が時々見えるが、視界は開けない。 道筋がハッキリとした平坦な山道を歩くので、このあたりは快調に進む。 途中で右に入る山道を2本見たが、メインの山道を進むことにした。 ところどころで大きなブナの木を見かけた。 国道から約6kmのところには最初の標識と同じ大きさの標識が立っている。 水が流れている比較的大きな沢を3つ越えたところで、草地の広場にでる。 ここが善光寺平の村はずれようである。車道があり、その先には高原畑が見える。 国道のスタート地点から1時間45分ほどかかった。
この広場から稜線に向かって延びている山道があったので、進んでみた。 旧道コースに繋がっていると期待したが、山道は徐々に消えていた。 タケノコ取りの人々が利用する脇道のようだ。 後日になって分かったことであるが、草地広場から300mほど先には善光寺平から旧道コースに繋がっている山道がある。 詳しくは「いちさんまるの山行記録」の大谷地を参照。
いかずちやま
636m
雷山は浅瀬石川のダム湖・虹の湖の右岸に位置し、田代山の南隣となる。 牧草地ないしは草刈場として利用されている台地状の山である。 国道102号線から青荷温泉へ向って雷山林道を進み、その最高地点(標高565m)あたりで右手側の脇道へ入る。 脇道へ少し入ったところの広場に駐車し、脇道を歩き始める。3分も歩くと、草地に着く。 広々とした草地を適当に歩き、高い位置へ行けば山頂となる。
青荷川に沿って国道102号線から青荷温泉へ至る歩道が設けられていた。 2003年には28年ぶりに復旧整備されたが、その後は整備されておらず、再び荒廃しているようだ。
2012年9月に青荷温泉に行き、その周辺において青荷渓谷歩道を見た。草藪が生え、荒廃していた。 渓流自体も普通の沢であり、わざわざ沢歩きに出かけるような理由は見つけられなかった。
雷山の中腹にはカタクリの群生地があり、4月中旬〜5月中旬が見ごろのようだ。 年によっては5月上旬にならないとカタクリの花が見られないときもある。 カタクリ群生地の場所は青荷温泉へ向かう林道の途中にある。 4月中旬〜5月中旬の期間、シャトルバス(有料)が津軽伝承工芸館と虹の湖公園から出ている。 カタクリのの群生地は個人の所有地内にあり、バスツアーに参加する以外にカタクリ群生地へ行く方法はないようだ。
たしろやま
769.9m
田代山は紅葉で有名な紅葉山の東側、つまり板留温泉郷の東側に位置する。 浅瀬石川のダム湖・虹の湖の右岸に位置するとも言える。 青森市街からだと田代山の山麓へは車で1時間強かかる。
田代山への登山道は数本はありそうだ。 人気のある山とは言いがたく、いずれの登山道も不鮮明になっている可能性がある。 そういった中で、最も利用されていそうな南西方向からのコースを利用することにした。 いちのへ義孝『新・分県登山ガイド(1)青森県の山』で紹介されているコースである。 途中に展望が得られる岩場があることから「展望岩コース」とでも名づけよう。
まず、歩き始めるスタート地点へは次のような道順で行く。 国道102号線の紅葉大橋から東へ900mほど進んだところで、道路北側の林道へ入る。 車1台がやっと通れるほどの細い舗装道路であり、急峻な尾根をジグザグ状に登って行く。 1Kmほど進むと平坦な地形となり、リンゴ畑が見えてくる。 林道の前方にはチェーンの取り付けられた車止めが見える。 この車止めの手前に駐車する。
車止めから歩いて林道終点を目指す。 途中で林道が分岐しているが、メインの道、メインと道へと進む。 とは言うものの、林道分岐では地図とコンパスで進むべき道を判断したようが良い。 車止めから40分ほど歩くと、林道が草藪で覆われた区間となり、そこからは登りに利用する尾根が見える。 この草藪を通過すると、すぐに林道終点となる。 林道終点は車数台が駐車できるほどの小さな広場になっている。 登山道入口を示す赤ペンキの印も見える。
林道終点からは右手に谷を見ながら登山道を辿り、右岸の尾根の背に沿って登っていく感じである。 登山道を歩き始めて数分で草藪が現れ、草藪の区間は20m、20m、40mといった感じで断続的に現れる。 最後の草藪では草をかき分け、その下側の踏み跡を注意ぶかく探すほどであった。 アケビ等のつるがバックパックに絡まり、思うように進めない。 草藪の区間を過ぎると、広葉樹林の中に普通の踏み跡が続いている。 ただし、急峻な尾根に着けられた踏み跡である。 それでも林道終点から1時間ぐらいで展望岩に着く。 ここは展望が得られる場所になっており、眼下に虹の湖などが見える。
展望岩から3分ほどでT字状分岐となり、ここは右折して山頂を目指す。 このあたりの登山道は緩斜面と急斜面との境に沿ってトラバースする感じで延びている。 やがて平坦な草藪地帯へ出て、刈り払いされた登山道を少し進むと山頂に着く。 T字状分岐から17分ほどで山頂へ着く。 時間的には林道の歩き40分、急斜面の登り60分、平坦な山頂部の歩き20分、合計2時間ほどで山頂に着く。
山頂は広い平坦な草藪地帯にあり、刈り払いされた小さい広場になっている。 その広場の潅木に「田代山」の標識が取り付けられているが、この標識がなければ山頂とは気づかないような平坦さである。 ススキなど、背丈のある草のため、山頂からの展望は良いとはいえない。
いちのへ義孝『新・分県登山ガイド(1)青森県の山』に記載されている地図には3つの登山コースが示されている。 3つのコースのうち、田代平からのコースは情報が極めて少ないので、このコースにおいて林道から登山道へ入るところ、いわゆる登山口を探すことにした。 それらしき踏み跡を見つけたが、やがて下草で完全に覆われ、道筋が見えなくなった。 とても「登山コース」として紹介できない感じである。 誤った踏み跡を辿っていた可能性があるが、その周辺の踏み跡を3本ほど探した範囲では、いずれも「登山コース」として紹介できない感じであった。 このような状態であるので、田代平からのコースの利用は踏み跡が露出している早春や晩秋が考えられる。
さらに南東側の冷水沢から山頂を目指すコースもあるようだ。
田代山の麓にある中野もみじ山は、秋の紅葉シーズンになると、多くの観光客で賑わう。
くろもりやま
606m
黒森山は山頂に無線中継所があり、山頂まで車道が延びている。 黒森山へ登る場合は、浄仙寺本堂裏側の登山口から登ると、1時間弱で登れるようだ。
一方、浄仙寺の近くには黒森山ウォーキングセンターがあり、周辺にはいろいろなウォーキングコースが設けられている。 そういった中で「ブナの森コース」は少し距離がありそうである。 黒森山へ登る代わりに「ブナの森コース」を歩くことにした。 「ブナの森コース」は黒森山から北東へ向う稜線に沿って歩くコースである。 黒森山山頂近くからだと、1時間ほどで「ブナの森」と呼ばれる場所に着く。 そこは「鉤掛峠」と呼ばれるピークの北東側の谷になる。
黒森山ウォーキングセンターが設定した「ブナの森コース」の起点はサブセンターの駐車場となっている。 サブセンターから「ブナの森」へは片道6Km強ある。 サブセンターからスタートする場合は、山頂へ向かう車道を歩き、山頂手前まで来ると車道の谷側に「ブナの森コース」の標識が見えてくる。 この車道の区間は歩く気がしないので、山頂手前まで車で登った。 山頂手前の車道から「ブナの森コース」へ入り、自然歩道を歩き始めた。 この場合は既に述べたように1時間ほどで「ブナの森」へ着く。 その最後の30分ぐらいは「幻の県道」と呼ばれる自然歩道と同じである。 したがって「ブナの森コース」が「幻の県道」から分岐するところの、谷側に「ブナの森」があるとも言える。
一方、「幻の県道」の方は引き続き大川原の方向へ延びている。全長で26kmほどあるようだ。
ぬいどういしやま
626m
縫道石山はマグマが上昇する時に通った経路が露出して出来た岩山であることから、巨大な石柱が天空へ向かって突き出たような岩山になっている。そして「入道石」とも呼ばれている。 その特異な山容から人気は高く、東北百名山に選ばれている。 また、米国のデビル・タワーと似ていることから、縫道石山は「日本のデビル・タワー」や「下北のデビル・タワー」とも言われている。 登山口から1時間10分ほどで登れるが、遠路はるばる登りに来るだけの価値はある。 登山後は近くの仏ガ浦を訪れるのも良い。
登山口への道順は、山間部の野平(のだい)集落から縫道石山経由で海岸線の福浦集落へ向かう道路へ入ることから始まる。 県道46号川内・佐井線(かもしかライン)から畑集落を経て川内ダムへと進んだ場合は、野平に入り、国道338号線交差点から100mほど手前側に交差点がある。 一方、国道338号線からきた場合は、野平の交差点において東へ進み、100mほど行くと交差点がある。 この交差点には縫道石山の登山口まで5Kmの標識がある。この交差点から福浦へ向けて進み、標高345mぐらいの峠に登山口がある。 登山口は車十数台が駐車できるほどの大きな駐車広場になっている。 青森市街から登山口へは車で3時間ほどかかる。
登山口からスタートし、ブナ林の中に延びている登山道を進む。 岩綾からなる424mピークの東斜面を通り、登山口から20分ほどで424mピークの東尾根上に出る。 そこには424mピーク(ババ岩)への脇道が分岐している。「ババ岩分岐」と呼ぶことにする。 424mピークへは帰路に立ち寄ることにして登山道を進もう。 この尾根上の登山道には、樹木が切り開かれ、縫道石山の山頂部が見える展望ポイントがある。しかし、縫道石山の全貌は見えない。 すぐに尾根から鞍部へ下り、野平分岐に着く。 野平側からの登山道が右側から合流し、福浦側からダルミ沢経由の登山道が左側から合流している。 ダルミ沢経由の登山道は「廃道」と掲示されている。野平分岐あたりは杉林になっている。
野平分岐を通過すると、杉林からヒバ林となり、勾配が徐々に増していく。縫道石山の裏側へ巻り込むように急斜面を登っていく。 急斜面を登り切ると、標高570mぐらいの尾根上に着く。ここから山頂へは10分ぐらいである。ここは休憩に適した場所である。 その後は大岩の間を縫うようにして進み、ヒバ林の中の急登が続き、やがて山頂に着く。 登山口から山頂へは1時間10分ほどかかる。
山頂(626m)は全体が岩場となっており、360度の眺望が得られる。 空気が澄んでいれば津軽半島や北海道が見える。 眼下に広がる森を見下ろすと、200m近い岩壁の上にいることを実感する。 その高度感は現場でしか実感できない。
なお、山頂部のいたるところの岩にオオウラヒダイワタケが生えている。 国の天然記念物に指定されている地衣類であり、一度踏むと、元の状態に戻るのに少なくとも50年はかかると言われている絶滅危惧種である。
写真撮影を含め、絵になる縫道石山の全貌を見たい場合は、424mピークに立ち寄るのが良い。 このピークは「ババ岩」と呼ばれ、「縫道石山の展望所」と呼ぶに相応しい岩場である。 ババ岩分岐は登山口から20分ほど歩き、尾根への坂道が緩くなった地点にある。尾根上にババ岩分岐があるといっても良いであろう。 ババ岩分岐からババ岩へはハッキリした道が延びており、5分ぐらいでババ岩に着く。 また、ババ岩の西隣にも岩ピークがあり、こちらの方は「ジジ岩」と呼ばれている。 ジジ岩にはタワーのような巨石が突出している。
ババ岩は恐竜の背中を連想させる岩稜であり、その尻尾に近い場所には岩の隙間からなるトンネルがあり、大人ひとりが通れる狭い通路が延びている。「恐竜の胎内めぐり」と名づけたくなるような岩のトンネルである。 岩のトンネルへ行く場合は次のようになる。登山口から縫道石山へ向けて2、3分進むとハリギリの巨木が見られる。 そこから藪こぎを2、3分行って岩稜下端(恐竜の尻尾)に着く。岩稜東壁と土肌との境目に沿って進み、すぐに灌木を掴みながら登る急斜面となり、トンネル入口に着く。 登山道からトンネル入口へは数分で着く。 舗装道路から近いこともあり、この岩のトンネルは遅かれ早かれ観光スポットになるであろう。そういった意味から、公的機関による適切なネーミングが求められる。
縫道石山はアルパインクライミングの山としても知られている。
だいさくやま
776m
大作山は縫道石山(626m)の北隣にあり、一等三角点本点がある。 一等三角点本点に興味を持っている人々が訪れるようだ。 整備された登山道はないが、踏み跡的なルートがある。
ぬいどういし
591m
名前が「縫道石山」と良く似ているが、縫道石山(626m)の南西に位置する別の岩峰である。 縫道石山に生えている天然記念物の「オオウラヒダイワタケ」が縫道石でも見られる。 登山道はない。
仏ガ浦の遊覧船については、現地の仏ガ浦港から出発する遊覧船が便利。 その他には佐井港や脇野沢港から出発する遊覧船もある。
おおづくしやま
827.7m
大尽山は霊場・恐山のある宇曽利山湖を南側から見下ろす位置にあり、その山頂からの眺望は素晴らしいものがある。 ハート形の青い山湖は無人の山並みに囲まれ、霊場・恐山が位置する湖畔の一角は白い土肌になっており、神秘性を感じる風景が広がっている。 山頂には直径2mほどの丸い大石があり、その上に立てば360度の眺望が得られる。 そこから2、3メートル北へ移動すると、宇曽利山湖を見下ろす小さい岩場がある。 大尽山への登山道は宇曽利山湖側からの「恐山コース」、陸奥湾側からの「角違コース」や「川内コース」がある。 宇曽利山湖側からのコースであれば、登山と霊場参詣を兼ねた1日を楽しむことができる。
大尽山は新日本百名山や東北百名山に選ばれている。 新日本百名山(2006年)は中高年が登り易い山という点を加味して選定された百名山であり、登山家の岩崎元郎さんによって選定された。
宇曽利山湖側からの登山道は「恐山コース」と呼ばれ、霊場・恐山から0.5Kmぐらい離れた湖畔の県営駐車場から始まる。 むつ市側から霊場・恐山へ来た場合は、湯坂と呼ばれる坂を下って湖畔に出たところの駐車場であり、道路を隔てた反対側には石楠花荘がある。 車数十台ほどが駐車できる大きな駐車場である。トイレはない。 駐車場からスタートし、湖畔に沿って4Kmほど歩く。 駐車場から歩道を2Kmほど進むと、左側から林道と出合い、そこからは車が通れる幅の林道を進む。 しかし車が通る感じは無く、幅広い登山道といった感じである。 そのようなハッキリした山道を湖畔の風景を楽しみながら進む。 駐車場から45分ぐらいで大尽山入口分岐に着く。そこは大尽沢の右岸になる。
大尽山入口分岐で林道と別れ、大尽沢右岸に沿って延びた登山道を辿り、峠へ向かう。 ヒバ林の中を進むため、ところどころで道筋が不鮮明になっているが、赤テープが要所要所にあるので、道に迷うほどではない。 標高380mぐらいには休憩に適した場所がある。 大尽山入口分岐から約3.5Km、時間にして70分ほどで峠に着く。 そこには一体地蔵(小さい石蔵)があり、陸奥湾側からの2つのコースと合流する。 一体地蔵から20mほど北へ戻ったところの分岐に、山頂へ向かう登山道が続いている。 ブナ林の中を進むと、30分ほどで山頂へ着く。 駐車場からだと2時間半ほどで山頂に着く。
角違コースは陸奥湾側から大尽山への登山コースの一つである。 その登山口は国道338号線の角違(すみちがい)集落から林道へ入り、林道を12Kmほど進んだところにある。 大川目林道または小川目林道のいずれでも良いが、一般的には小川目林道を進むのが良いようだ。 そして大川目林道と小川目林道とが合流する林道分岐あたりへ向かう。 具体的には林道分岐から西へ300mほど行ったところに登山口がある。 この登山口には車数台が駐車できる駐車スペースや登山案内板がある。 登山口から40分ほどで峠の一体地蔵に着き、登山口から1時間20分ほどで山頂に着く。
川内コースも陸奥湾側から大尽山への登山コースの一つである。 現在、川内コースは利用されていないと聞いている。 したがって以下の川内コースに関する情報は昔の情報である。
川内コースの登山口の一つは県道46号川内・佐井線(かもしかライン)の銀杏木(ぎんなんもく)集落から林道へ入り、八木沢沿いの林道を4Kmほど進んだところにある。 この登山口には車数台が駐車できる駐車スペースがある。登山口から1時間50分ほどで山頂に着く。
川内コースの別の登山口は、川内川の河口近くで国道338号線から高野川林道へ入ったところにある。 この登山口から山頂へは2時間半ほどかかるようだ。
登山には支障がないが、国土地理院の地図に示されている恐山コースの道筋は実際の道筋と多少ずれているところがある。
湖畔の県営駐車場から出発し、宇曽利山湖を時計回りに一周することができる。 歩き始める東側の歩道と林道はハイキングに適している。 ところが大尽山への登山道と別れ、そこから始まる西側の林道は湖畔から離れ単調で長い。 その林道終点から霊場・恐山への区間は笹藪で道筋が不鮮明になっているところがある。 道筋を見失っても湖畔が見えるようであれば、適当に歩いて湖畔に出れば、なんとかなる。 宇曾利山湖一周は2時間半ほどかかる。
あさひなだけ
874m
朝比奈岳は宇曽利山湖の西側に位置する。 整備された登山道はないが、踏み跡的なルートがある。
大尽山の登山後、霊場・恐山を訪れることが考えられる。 敷地内には温泉もある。
恐山大祭は7月20日〜24日。
かまぶせやま、かまふせやま
878.6m
釜臥山は下北半島の最高峰であり、むつ市街の西郊外に位置し、陸奥湾を望む展望所となっている。 北山麓から山頂へ向かって観光道路「かまふせパノラマライン」が延び、山頂近くの車道終点には釜臥山展望台があり、展望台から山頂へは遊歩道が設けられている。 山頂には航空自衛隊のレーダー基地がある。 山頂からはパノラマ的な展望が得られる。 左手にむつ市街、眼下に自衛隊基地がある芦崎湾、その先に陸奥湾や八甲田連峰が見える。
山麓からの徒歩による登山コースは2つが考えられる。 一つは釜臥山スキー場の駐車場から始まる「メインコース」である。 別の登山コースは釜臥山スキー場の西隣・水源地公園から始まる「公園コース」である。 釜臥山スキー場駐車場と水源地公園とは隣同士にあり、複数の小道で繋がっている。 したがって一方を登り、他方を下りに利用し、周回コースとすることが考えられる。
花情報としては、5月中旬になると、釜臥山スキー場あたりでシラネアオイの大群落を見ることができる。 同じく5月中旬になると、望海雪楼あたりのムラサキヤシオツツジが最盛期を迎える。 七面山から上側で見られるムラサキヤシオツツジは、5月下旬になってから最盛期を迎える。
むつ市街から釜臥山スキー場への道順は次のようになる。 むつ市街から国道338号線を西へ進み、大湊へ入ると左手前方に自衛隊の大湊基地が見えてくる。 その少し手前側に山側へ入る道路があり、そこの交差点には釜臥山スキー場の道路標識がある。 その西隣には水源地公園へ入る道路があり、そこの交差点には水源地公園の道路標識がある。
なお、青森市街から釜臥山スキー場や水源地公園へは車で2時間ほどかかる。
釜臥山スキー場の駐車場(標高110m)からスキーリフトに沿ってスキー場の頂点へ向かう。 スキー場の頂点には休憩所「望海雪楼」があり、そこは急勾配から緩斜面になる境でもあり、休憩場所に適している。 自衛隊基地がある大湊の芦崎湾が眼下に、その先には陸奥湾や八甲田連峰が眺望できる。 望海雪楼から山頂側を見ると、コース途中にある七面山、そしてレーダー基地のある山頂が見える。 望海雪楼から七面山へ向かうあたりは潅木地帯となっており、七面山と望海雪楼との間の小鞍部には、水源地公園からの公園コースが合流している。 望海雪楼から5分ほどで七面山(標高540mぐらい)に着く。 大きな岩がゴロゴロした一帯であり、そこには岩をくり抜いた祠がある。 七面山を通過すると樹林地帯へ入り、登りが急になる。 樹林地帯を抜けると3基のアンテナの下側を通り、すぐに岩場の底部に着く。 岩場の底部を左側から巻くと、人工的なガレ場となり、その先に山頂が見えてくる。 浮き石に注意をしながらガレ場を登りきると、レーダー基地のある山頂(878.6m)に着く。 レーダー基地の脇に三角点があり、そこには恐山釜臥山嶽大明神や兵主神社奥宮などの御堂がある。 スキー場駐車場から山頂へは2時間ほどで登れる.
水源地公園から始まる公園コースは七面山の近くでメインコースと合流する。 七面山と望海雪楼との間の小鞍部にコース分岐がある。七面山脇と言ってよいほどの近さに分岐がある。 分岐から水源地公園へは70分ぐらいかかる。 分岐から沢へ下り、沢の右岸に沿って進む。標高230mぐらいで登山道から林道となり、林道を辿り、標高100mぐらいで水源地公園へ入る。 ここで述べているコース取りでは、メインコースを登り、公園コースを下る周回コースにしているが、この方がコース取りが容易である。 逆回りは水源地公園から登山道へ至る区間(徒歩で20分)において林道分岐が7カ所あり、どちらへ進むのか迷うかも知れない。 地図とコンパスで進む方向を定め、各分岐においてコンパスで方向確認を行えば問題なく進めるが・・・。
水源地公園は日本最古のアーチ式ダム(明治42年竣工)があり、美しい公園であり、市民憩いの場として親しまれている。 春には桜とつつじが咲き誇る。
あらかわだけ
747m
荒川岳は釜臥山の北隣に位置し、山頂からの展望が良いのが特徴的である。 山頂部は低灌木で覆われ、ガレ場的な山頂を持ち、小さな山頂からは360度の展望が得られる。 釜臥山やむつ市街はもちろんのこと、宇曽利山湖も眺望できる。 空気が澄んでいれば、尻屋崎あたりも見える。
釜臥山展望台から2、3分ほど車道を戻ったところに登山口がある。 非常時緊急電話のポールが立っている隣に登山口がある。 尾根伝いの登山道を辿り、20分ほどで山頂に着く。
2012年に登山道の刈り払いがむつ山岳会によって行われた。したがって道筋はしっかりしている。
むつ市から恐山へ向かう山歩き情報が、このセクションに入っている。 現在のところ、東北自然歩道「霊場恐山参拝のみち」だけである。
むつ市側から観光道路「かまふせパノラマライン」への山道(3Km)は、よく整備されており、問題なく歩ける。 しかし、観光道路から宇曽利山湖への山道は藪化している。 観光道路の恐山展望台のところで、東北自然歩道を探したが、見つけることができなかった。
むつ市側から東北自然歩道を辿り、観光道路へ出た地点から5分ぐらいの距離に屏風山ヒュッテがある。 ヒュッテ前には車数台分の駐車広場がある。
屏風山ヒュッテは1966年建設、2010年改修。むつ山岳会が管理している。
屏風山ヒュッテ〜宇曽利山湖の区間には、東北自然歩道の他に、複数本の山道がある。ただし、藪化している。
やげん
このセクションには薬研温泉周辺のハイキングコース情報が入る。現在のところ、ハイキングコースは次の一つだけである。
東北自然歩道「薬研温泉と渓流のみち」における西側半分を周回コースの形で歩くことが考えられる。 それは薬研渓流遊歩道となっており、一周6Km、2時間ぐらいで歩ける。 どこから出発しても良いが、国設薬研野営場に駐車し、そこから歩くことが考えられる。
周回コースの途中から脇道へ入り、巨木「おぐり」へ立ち寄るのも良い。それは幹回り8mにもなるクリの巨木である。 国設薬研野営場から2、3分で巨木への入口分岐に着き、緩やかな山道を15分ほど進むと、巨木に着く。
くろもりやま
420m
下風呂温泉の近くにあり、山麓には公共施設「むつ市下北自然の家」がある。 したがって黒森山への登山道の他にも、いろいろなオリエンテーションコースが設定されている。 国道279号線を通って車で来た場合、「むつ市下北自然の家」の大きな案内標識が道路脇に見えてくる。 国道から山側へ入り、駐車場まで進む。 駐車場脇の車道を直進したところに登山口が見える。
山麓には多くのオリエンテーションコースが設定されているので、「黒森山登山コース」の標識を確認してから出発するのが良い。 登山口においても色々なコース標識が見られるが、「黒森山登山コース」の標識に従い、施設の裏側へ回り込むように曲がっていく。 その後も登山標識に従って登り、尾根の上にでる。尾根では小赤川からの「黒森山縦走コース」が右側から合流する。 その分岐には分岐標識がないが、休憩に適した場所である。 やがて山頂への登りになり、ヒバ林の中を進む。 登山口から1時間ほどで山頂へ着く。
山頂はヒバ林の中にあり、黒森山日曜大権現の祠堂と鳥居がある。 現在は山麓にある玉垂神社の奥の院といった位置づけになっている。 山頂には休憩ベンチや女子トイレもある。 山頂脇には小さい展望台が設けられており、展望台からは大畑方面や篠原岳方面が眺望できる。
山頂から30mほど下ったところに分岐があり、ここは「黒森山登山コース」と「黒森山下山コース」との分岐になっている。 下山コースではヒバ林の中の急斜面を下り、やがてブナ林の中、斜めに下っていく。 この辺りでは登山標識が少ないが、曲がり角では登山標識が出てくる。 登山標識に従い、尾根に沿って進むようになる。尾根道では観音堂を経由し、観音堂から5分ほどで林道終点に着く。 林道終点の広場では左へ折れて尾根を下り始める。その後、幾らかの小沢を横切り、登山口へ戻る。 杉林・ヒバ林・ブナ林など、いろいろな植生のところを通るので、植生については特定しにくい。
隣の燧岳(781.3m)と黒森山(420m)とを組み合わせ、1日2山の山行が考えられる。
ひうちだけ
781.3m
燧岳は津軽海峡に面した海岸線から山間部へ入ったところにあり、第四紀洪積世(200万−1万年前)のアスピーテ型火山として知られている。 なだらかな山頂からの眺望は良い。 30分ほどで登れるので、近くの山と組み合わせ、1日2山とするのが良いようだ。 そのような山のリストを、下のセクション「燧岳の近くの山」に入れている。
登山口への道順は、まず海岸線の国道279号線から易国間川に沿った車道へ入り、集落の最奥で風間浦診療所を通過する。 舗装道路から砂利道の林道となり、易国間川に沿った主線林道「易国間林道」を進む。これは薬研温泉・恐山へ通づる林道である。 やがて易国間川の右岸において支線「小川目林道」の分岐に着く。林道分岐には多くの看板や標識が立っているので、見落とすことはない。 そのような標識の中に「燧岳登山口まで7.5Km」の標識を見つける。 その分岐から小川目林道へ入り、やがて小川目沢の左岸に沿って進むようになる。 小川目沢の支流・引廻沢の源流域を横切り、坂を登ったところで大きな登山案内板や登山口標柱が見えてくる。 車の運転は、進んでも進んでも車の走行距離が増えないと感じるほど長く感じられる。 さらに登山口近くでは悪路に悩まされる。 したがって林道分岐から7.5Kmぐらいのところに登山口があるという情報が大いに役立つ。 なお、登山口の手前700mぐらいには「観光なめこ園」があると思っていたが、そのようなものは無かった。
登山口は林道の峠、具体的には峠から10mほど手前側にあり、車1台ないしは2台が駐車できるぐらいのスペースがある。 駐車スペースには大きな案内板があり、その脇の登山口には立派な登山口標柱が立っている。 この登山口を過ぎると林道はカーブしながら緩やかな下りになり、100mほど進んだカーブには小さい無線施設がある。ここにも駐車スペースがある。その先は草の生えた林道が続いている。
登山口から出発すると、緩やかな斜面を徐々に登っていく感じになる。右手側が谷側であったのが、ゆるく左へカーブして平坦な尾根を越える感じになり、今度は左側が谷側になってくる。 やがて山頂部の潅木地帯を通過し、登山口から30分ぐらいで山頂(781.3m)に着く。 山頂は平坦な潅木地帯の中にあり、高さ1mほどの小さい展望台がある。その脇には三角点や休憩ベンチがある。 展望台は無いよりはあった方がマシといった感じであるが、大間崎方面などの眺望が得られる。
やはずさん
626.8m
下風呂温泉の近くにあり、登山口から15分ほどで山頂へ着くが、登山口を見つけにくいかも知れない。 登山口への道順は国道279号線の桑畑温泉「湯ん湯ん」のところから山側へ入り、二夕川沢沿いの林道を進むことから始まる。 7.5Kmほど進むと矢筈山の山頂近くとなり、幅2mほどの切り開いた道が林道の右手側に見え、赤布などの目印がある。ここが登山口である。 山頂直下まで幅広い道が続き、岩場となったところで道がなくなる。 すぐに矢筈山権現の祠が見え、山頂となる。 山頂はブナ林の中にあり、展望は得られない。
しのはらだけ
718m
篠原岳は燧岳の隣、海岸寄りに位置する。さらに海岸寄りには矢筈山が位置する。
燧岳山頂から1.5Kmほど東側では馬蹄状地形が見られる。
おりとやま
119.1m
大間崎を見下ろす位置にある本州最北端の山である。 その昔、山頂には大間要塞(1928年完成)の折戸観測所があり、津軽海峡を通る敵艦を監視していた。現在は遺構となるコンクリ壁が残っている。 山頂は樹木や草藪で覆われており、山頂から大間崎を見渡すことはできない。
国道279号線脇の鳥居が登山口となる。 現在の国道、鳥居、U字状の旧道といった位置関係になっており、旧道が駐車スペースとして利用できる。 鳥居から折戸神社への小道は車でも進入できるが、松林の中に延びた気持ちよい小道であり、歩いて2、3分の距離である。 小道は神社脇を通って奥地へ延びている。小道と別れ、階段を登って神社に着く。つまり、神社は折戸山の中腹にある。 神社裏の急斜面を登ることになるが、神社左側の方が草藪が少ない感じか。 背丈の短い草藪のところを運よく登ったようであり、難なく登れる。 しかし、山頂の平坦地形へ出ると、背丈の長い草藪となる。 そして神社から5分ぐらいで山頂に着く。
背丈の長い草藪を漕いで山頂から5分ほどで風力発電用プロペラ機のところに着く。 そこからは大間崎の眺望が得られる。
神社から5分ぐらいで登れる山であるが、地図やコンパスは必要である。 山頂から神社が見えないこともあり、感にたよって適当に下ると、とんでもない方向へ下る可能性がある。
くわはたやま
400m
桑畑山は本州の東北端・尻屋崎にあり、石灰岩からなる山で、山頂部は草山のようになっている。 したがって山頂からは360度の展望が得られ、特に尻屋崎方面の眺めは良い。 その一方で山頂周辺や山麓には、風力発電のプロペラ機が多数建っているウィンドウファーム、巨大な石灰岩採石場、セメント工場などがある。
桑畑山は高山植物の宝庫でもあり、ガランコウラン・ハクサンチドリ・バイケイソウなど、高山性や亜高山性の植物が見られる。 5月のカタクリ、6月のツツジ、7月〜8月の高山植物といった具合に花シーズンが続く。 花シーズンの登山としては6月にしか登っていないが、そのころはツツジの花が見事であり、いろいろな他の花を含め、山頂周辺は花園の感がある。
尻屋崎は寒立馬(かんだちめ)の放牧地として有名である。 したがって登山後に寒立馬を見に行くのも良い。
登山ガイドブックなどに紹介されている岩屋からの登山コースは、プロペラ機が50基以上建っているウィンドウファームの中を通り、さらに車道を辿ることになる。 現在、ウィンドウファーム入口はゲートで閉鎖され、立入禁止の標識が見られる。 そのようなウィンドウファームを通らずに桑畑山へ行けるルートがないものかと思い、インターネットで調べると、幾らの登山ルートが見つかった。 詳しくは下に示す「桑畑山への四つの道」に記載されている。
「桑畑山への四つの道」の情報に基づき、桑畑山を複数回訪れた。その結果、次のことが分かってきた。 利用可能な登山ルートは「裏山ルート」のみである。 その他のルートは道筋が消滅している。 仮に道筋が存在するとしても、一般的な登山ルートではないことは確かである。
裏山ルートを利用するにしても、季節は草藪で道筋が覆われる以前の春から花シーズンが良い。
「裏山ルート」と呼ばれる登山ルートは、尻屋集落の八幡神社から始まる。 神社裏の林道〜稜線への登り〜稜線上に沿って延びた雪崩防止柵の作業道跡〜桑畑山頂上といったルートになる。
裏山ルートのポイントは、神社裏の林道において、稜線へ登る道筋を探すことだ。 神社から50mほど北へ移動した地点に稜線への道筋がある。 稜線へ登りはじめ、杉林を通過したところで道筋が分岐しているが、右の方がメインルートである。 ところが左側の沢筋の方がメインルートのように見えるので、要注意である。 詳しくは下に示す「桑畑山への四つの道」に記載されている。
このコースは登山ガイドブックなどに紹介されていた。 現在、登山口に相当するウィンドウファーム入口はゲートで閉鎖され、立入禁止の標識が見られる。
廃坑の谷を通るルートは、道筋があったとしても、一般的な登山ルートではないと思われる。 一方、尻労の神社からスタートするルートは、神社裏で道筋が消えている。
かたさきやま
300.5m
片崎山は桑畑山の南隣りにあり、海岸に面した台地状の山である。 昔、中腹から山頂にかけて牧場が開かれていた。 山頂付近から見る太平洋側の眺望は素晴らしく、眼下には日本最大の砂丘・猿ケ森砂丘(別名、下北砂丘)が広がっている。 山頂付近にヤマツツジの群落があるので、その花シーズンに訪れるのが良いようだ。
片崎山の登山口への道順は、片崎山の東に位置する野牛集落へ向かい、そこから片崎山への林道を進む。 その林道は放牧地の入り口まで延びている。 適当な場所に駐車し、かっての牧草地を歩き、30分ほどで山頂に着くようだ。
がっさん
419.2m
月山は六カ所村泊地区の背後にそびえる山で、貴宝山神社の奥宮が祀られており、漁業関係者の信仰を集めている。 六ヶ所方面から登山口へ向かう場合の道順は、国道338号線を通って六ヶ所村・泊地区を目指し、泊地区を流れる明神川を通過すると、明神川から0.5KmほどのところにNTTドコモの六カ所泊無線局の鉄塔が見えてくる。 この無線塔の脇に登山口があり、そこには「貴宝山奥之院登山道」と書かれた標柱が立っている。
登山道を進むと、すぐに右手側からの車道跡と合流し、5mほどで車道跡と分かれ、尾根斜面に沿って斜登していく。 登山口から10分ほどで小祠に着く。小祠は泊集落を見下ろす山腹に建っており、周辺は園庭のようになっている。 ここで道筋が不鮮明になっているが、小祠に向かって右手側に道筋が続いている。 尾根の上に出て尾根の背に沿って進むようになる。 道が左右に分岐しているところがあるが、50mほど先で合流している。右手側の道はお札所経由となる。
246mピークに着くと、前方に月山の山頂部が見えてくる。 そこから鞍部へ向けて緩く下るが、このあたりは灌木地帯になっており、少しだけ展望が得られる。 やがてロープが張られた坂道を登り、鳥居のあるピークに着く。 奥宮分岐であり、山頂へ向かうコースと奥宮へ向かうコースとが分岐している。 鳥居は奥宮へ向けて建っている。 ここから山頂へは15分ぐらいか。
奥宮分岐から山頂へ向けて少し進むと、ガレ場のところを通る。 このガレ場が最も展望が得られる場所になっている。 ガレ場を過ぎると勾配が緩くなり、すぐに山頂に着く。 登山口から1時間10分ほどで山頂に着く。 山頂(419m)には石の小祠があり、その脇には三角点がある。山頂は樹木によって展望が妨げられている。 したがって山頂近くのガレ場を昼食休憩の場所にすることが考えられる。
帰路のとき、急坂を下って奥宮を訪れた。 思っていたよりも下る距離が長いことに気づいたが、途中で引き返す気にもなれず、そうこうしているうちに奇岩が見えてきた。 小沢を横切って奇岩のところに着くと、そこに奥宮が建っていた。 思っていたよりも小さい祠である。 奥宮分岐〜奥宮の区間は下り15分、登りに20分ほどかかる急坂になっている。
ふっこしえぼし
507.8m
吹越烏帽子は「吹越烏帽子岳」と記されることもある。 斧の形をした下北半島の付け根・横浜町に位置し、山頂部には低木しか生えていないことから、山頂からの眺望が極めて良い特徴がある。 そのようなことから東北百名山に選ばれている。 1時間ほどで登れる。このようなことから人気のある山である。特に5月上旬〜下旬の、菜の花シーズンは登山者が多いようだ。
まず、青森市方面から登山口へ向かう場合の道順は、国道279号線を通って横浜町へ入り、JR吹越駅へ向かう感じで県道・横浜六カ所線へ入る。 JR吹越駅を右手側に見ながら車道を直進して六ヶ所方面へ進み、烏帽子平の交差点で左折して第一明神平集落へ入る。 そこの交差点には登山口まで4Kmを示す登山案内板が立っている。 舗装道路を進んで集落の外れまで来ると、そのまま「直進」して砂利道へ入る。 砂利道を2Kmほど進むと登山口の標柱が見えてくる。 青森市街から登山口へは1時間40分ほどかかる。
登山口には山頂まで約2.5Kmを示す登山案内板などが立っている。 松林や雑木林の中の山道を辿り、極めて緩やかに登っていく。 山道というよりも、散策路に近い感じの小道であり、小鳥のさえずりも聞こえる。 登山口から35分ぐらい進むと山道らしくなるが、それでも緩やかな勾配である。 登山口から40分ほどでガレ場に出て展望が得られるようになる。
すぐに吹越烏帽子の山頂が見えてくる。 山頂部は低木がまばらに生えた草山のような感じであり、山頂からは360度の展望が得られることが期待できる。 ガレ場のような坂道を登り、眺望を楽しむうちに山頂に着く。 登山口から1時間ほどで山頂へ着く。山頂には小さい鳥居と祠が建っている。
山頂(507m)は芝草の広場になっており、期待していたとおり、360度の眺望が得られる。 北の方向には北八甲田連峰が見え、眼下には風力発電の風車群、国家石油備蓄基地、核燃料サイクル施設などが見える。太平洋や陸奥湾も見える。 西の方向には眼下に横浜町の農作地が広がり、その先には陸奥湾が広がっている。 北の方向には下北半島先端部の山並みが見え、むつ市街が広がっている平野部の背後には北海道の山並みがかすかに見えた。
登山ガイド本に示されている登山口が間違っている場合があるので要注意。
えぼしだけ
719.6m
日本全国に烏帽子岳と名のつく山は85もあることから、この烏帽子岳は「上北烏帽子岳」とも呼ばれている。 平内町・野辺地町・東北町の境界に位置し、その山頂(719.6m)からは眼下に野辺地の町並み、遠くに下北半島を見渡すことができ、山頂からの展望がすばらしい。 東北自然歩道になっており、登山道はよく整備されている。 下部がヒバ林、上部がブナ林になっており、異なった森林浴を楽しむことができる。 ハイキングに適した山であり、烏帽子岳は多くのハイカーに好まれる山の印象を受けた。 それは津軽半島の梵珠山と共通するところもあるが、烏帽子岳には梵珠山と異なる魅力がある。
青森市街から登山口へは車で1時間15分ほどかかる。 国道4号線を通って野辺地町の運動公園を目指す。 野辺地町に入って駅の裏側近くに来ると、ディスカウントストアー・サンデーが見え、その辺から国道は緩やかな登りになる。 鉄道・東北本線の上を横切ると、坂道になってから最初の信号機付き交差点があり、その右側には運動公園や光星学園などを示す道標が見える。 この交差点を右折して山側の道へ入る。地図上では枇杷野(びわの)川とほぼ平行に延びている道路である。 1Kmぐらい進むと運動公園が右に見え、さらに道なりに進むと、馬門温泉への農道が右に見え、そして光星学園が右手に見えてくる。 光星学園のところで舗装道路は終わりとなり、砂利道を直進する。 砂利道の両側は県畜産試験場で、牧草地のようになっている。 この辺りでは烏帽子岳の方向とは異なる方向へ進んでいる印象を受けるが、山間部に入って渓流(枇杷野川)に沿って進むようになると、烏帽子岳の方向へ進んでいることが実感できるようになる。
光星学園のところから4Kmないしは5Kmぐらいで、「父恋し夜泣き岩」と呼ばれる場所に着き、ここが駐車場になっている。 50mほど先の分岐にも駐車することができるが、登山後に靴を洗うのであれば夜泣き岩駐車場に駐車するのが良い。 駐車場脇には登山案内板、山頂まで3Kmの標識が立っている。 駐車場から50mほどで「登山口」と呼ぶに相応しい分岐となる。 右は山頂のテレビ塔へ至る車道であり、左が烏帽子岳野営場への道である。 野営場へ向かって進むと、駐車場から10分ほどで野営場へ入り、野営場を通りすぎると小沢がある。 その小沢を横切って登山道を登りはじめる。 登山道はよく整備されており、気持ちよく登れる。 最初はヒバ林であり、やがてヒバとブナの混交林となり、さらに登っていくとブナ林になる。 整然としたブナ林が続き、絵になる風景が続く。 途中には「ヒバ原生林」や「ブナ原生林」の標柱が立っている。
やがて尾根の上に出て休憩所に着く。 野営場まで1.9Km、山頂まで0.6Kmの標識がある。 休憩所はブナ林の中の平坦な場所にあり、山頂のテレビ塔がブナ林越しに見える。 山頂部を左から巻くようにしてブナ林の中を登って行くと、東北町側の越峰林道からの登山道が合流する分岐に着く。 そこの道標に従って右へ折れ、小さい鞍部のような地形を乗り越えると山頂のテレビ塔が見えてくる。 岩場に延びた登山道を辿ると、烏帽子神社の祠があり、そこから数メートルで山頂に着く。 駐車場から1時間20分ほどで山頂に着く。 山頂(719.6m)は岩場になっており、360度の展望が得られる。 陸奥湾、野辺地の町並み、下北半島、津軽半島、八甲田連峰などが眺望できる。 山頂には一等三角点がある。
山頂直下にはテレビ塔が数基建っている。 テレビ塔へは登山口からの車道が延びており、車道終点には休憩所・トイレ・神社がある。 「上北烏帽子岳山頂休憩所」と呼ばれる休憩所には石油ストーブが備わっている。
登山道を下った方が魅力的であると思うが、もし車道を下山に選んだ場合は次のようになる。 車道は、ほとんどが未舗装であり、ところどころが舗装されている。 山頂から2.4Kmほど下ると、馬門温泉への山道が分かれている。 その分岐から見た限りでは、馬門温泉への山道は四輪駆動車が通れるような林道であった。 引き続き車道を下って行くと、駐車場の近くで登山道と合流する。
「烏帽子岳野営場」の名が出てくるページは多く存在するが、それをキャンプ場として紹介しているページがない。公的機関のページにもない。不思議だ。 徐々に情報収集する予定。
はちまんだけ
1020.3m
東八甲田の八幡岳は山頂近くの新山ノ神登山口まで舗装道路が延びており、新山ノ神登山口(870m)からだと20分ほどで登れる。 したがって八幡岳の牧場をドライブするついでに八幡岳へ登ることが考えられる。
国道394号線から八幡岳への車道入口は2カ所あり、これら2つの入口は舗装道路でつながっている。 それぞれの入口には「岳八幡宮入口」の看板がある。 牧場の中に延びている1車線の舗装道路を進み、その最高地点あたりのカーブ(870m)に新山ノ神登山口がある。 大きな駐車場があり、少し先に鳥居が見える。
駐車場から歩きはじめ、鳥居を過ぎると、すぐに山ノ神の祠に着く。 幅広い緩やかな登山道を登って行き、登山口から20分ほどで山頂(1020.3m)に着く。 そこには岳八幡宮社殿が建っており、その脇には一等三角点がある。 山頂は灌木で囲われており、展望が得られるとは言えない。
岳八幡宮の裏手に山道が延びている。この山道を少し進むと、北八甲田連峰が眺望できるようになる。 この山道を5分ほど進むと断崖岩場へ至る。
さんがいたき
八幡岳の山麓に三階滝と呼ばれる渓谷がある。作田川の源流域になる。 昔は整備されていたかも知れないが、いまは「人々から忘れ去られた景勝地」といった印象を受ける。 沢の岸に踏み跡が延びているが、ハイキングコースというよりも、沢を遡行して滝を登る「沢登りの沢」として考えた方がよさそうだ。
北中康文(2007)『滝王国ニッポン』は、この三階滝と松見の滝とを青森の滝として紹介している。 写真家・北中康文氏が全国1600カ所以上の滝を巡り、50の滝を選んだ。その中に、この三階滝が含まれている。
三段滝への道順は、まず七戸町営スキー場または東八甲田家族旅行村へ向かい、それから作田ダム湖への砂利道を進む。 ダム湖を通過すると、やがて作田沢林道と殿上沢林道の分岐に着く。 この分岐には三階滝の案内標識がある。愛車をいたわりたいのであれば、ここに駐車することが考えられる。三階滝コースの入口は1Km先にある。 この分岐では左手の殿上沢林道を進む。 殿上沢林道では林道らしい悪路になってくる。 林道脇からの草むらをこすりながら車を進め、殿上沢橋を通過すると、駐車スペース(標高270m)が見えてくる。 車2台が駐車できるほどの広さがある。 林道はさらに上流側へ延びているが、この駐車スペースに駐車する。 駐車スペースの脇に三階滝コースの下流側入口がある。
入口から沢に沿った踏み跡を辿る。沢を3カ所で横切るところがあるが、登山靴でも横切れる。 15分も歩くと、3つの滝が連続的に現われてくる。 いずれの滝も巻き道がある。3つの滝の後は竜天の滝(50m)が現れる。 竜天の滝は三段階になった美しい滝である。 紅葉の季節に訪れるのが良いかもしれない。
竜天の滝の途中にある標高350m二股では右股(本流)へ向かう。 そのあたりから道筋が消えているところが多々あり、道筋を探すのに苦労する。 したがって「いちさんまるの山行記録」が提供するコース図やコース説明文をプリントして持参するのが良い。詳しい登山用地図やコンパスも必要である。 それなりの道筋が着いているものと思い、コース説明文や詳しい登山用地図を持参しなかった。反省。
一方、殿上沢左岸の尾根には尾根コースが延びており、標高400m分岐から尾根コースを下流側へ進むと殿上沢橋へ戻る周回コースとなっている。 その尾根コースがどのような道であるかは確認していない。
おがわらこ
このセクションには湖沼の基本情報や周辺の観光情報が入っている。 一方、ハイキングコース情報は小川原湖ハイキングのセクションへ入れている。
小川原湖周辺の湖沼を訪れる場合に適当なハイキングコースがないものかと考え、関連情報を集めてみた。次のコース情報が入っている。
自動車で行くことを考えると、駐車場所としては次のような場所が考えられる。北上町駅の駐車場、花切川トイレ脇の駐車場、小川原湖公園南端の駐車場、広沼大明神あたりの駐車場。 小川原湖公園南端の駐車場は3つの大きな駐車場に分かれており、駐車スペースは有り余るほどある。 このコースは花切川〜小川原湖公園の区間が散策路として良い。よく整備され、絵に描いたような散策路が続く。 出発点と終点とを同じにしたい場合は、この区間を含め、周回コースとなるように歩くことが考えられる。途中で折り返す選択肢もある。
なお、小川原湖公園はお花見スポットとしても知られている。 お花見を兼ねて花切川〜小川原湖公園の区間を歩くことも考えられる。 お花見のときの中央会場は花切橋あたりの右岸広場になる。
オオセッカの生息地として有名な仏沼(ほとけぬま)。そのような仏沼を訪れる場合に適当なハイキングコースがないものかと地図を眺め、次のような道筋を選んだ。 道の駅みさわから出発し、小川原湖畔に延びている農道を辿り、谷地頭神社と水辺広場を経由して仏沼へ行く道筋である。 道の駅みさわ〜谷地頭神社の区間は、森の中の林道のような道が続いており、ハイキングコースとしてOKかも知れない。 ところが実際に仏沼を訪れたところ、仏沼は歩いて訪れるような場所ではないといった印象をもった。広大なヨシ原であるので、車で訪れ、車で見て回るのがベストである。 そういった意味において疑問符がつくハイキングコースとなった。 ただし、グループで出かけ、道の駅と谷地頭神社あたりとの2カ所に配車し、仏沼は車で訪れるようにすれば良いかもしれない。
道の駅みさわ(斗南藩記念観光村)に駐車し、湖岸に向かって舗装道路を進む。 集落の外れ辺りまでくると神社の赤い鳥居が見え、その手前で右折し、湖畔に沿って延びている農道へ入る。 この道は湖面から30mほど上がった台地の縁に沿って延びており、樹林帯の中を進むので林道といった感じがする。 谷地頭神社の近くになると畑の中を通り、谷地頭神社に着く。 道の駅から谷地頭神社へは2時間ぐらいか。 谷地頭神社からは県道を200mほど辿り、水辺広場の南出入り口から水辺広場へ入る。 水辺広場に沿って水辺を500mほど進む。そして水辺広場の北出入り口から県道を横断し、県道の仏沼入口に着く。そこの交差点にはラムサール条約登録湿地の標識がある。 そこから10分ほどで仏沼西口に着く。西口にはラムサール条約登録湿地の看板と仏沼案内図とがある。 谷地頭神社から仏沼西口へは30分ぐらいか。 仏沼は広大なヨシ原であり、何も無いといった感じである。トイレなどの施設もない。
何処へ行けば良いのか迷うほどの広大なヨシ原が続いている。したがって鳥を見かけなかったといった結果になりかねない。 仏沼の北東側の区画は、オオセッカの生息密度が高く、ヨシ丈も低いので観察に適しているようだ。「さんかく池」や「仏沼北口」がある区画だ。 観察に適したもう一つの区画は、北西側の区画であり、「三本松」の周辺である。 いずれしせよ、車で訪れれば移動は簡単である。
話が別の方向へ飛ぶが、仏沼の少し北、小川原湖の湖水が高瀬川へ流れ出すあたりには、マテ小屋がある。 その昔、小川原湖では海水と淡水が往来する汽水域でヤナを仕掛け、行き来する魚を捕らえることが行われていた。 そのために湖上に作られた小屋をマテ小屋と呼んでいた。漁師が漁を待つための小屋といった意味から名づけられたと思われる。 そのようなマテ小屋が観光用に復元され、湖水が高瀬川へ流れ出すあたりに3棟建っている。
「花の湿原」であれば、どの季節に訪れるのが良いのかは容易に判断できる。 ところが仏沼は「野鳥の湿原」であり、どの季節に訪れるのが良いのか判断に迷う。そのための参考になりそうウェブページをリストアップしておこう。 7月ごろはオオセッカやカンムリカイツブリなどが繁殖の時期を迎えているようだ。この季節に訪れるのが良いのかどうか分からないが、・・・
まつくらやま
476m
松倉山は上北烏帽子岳の北西に位置し、「津軽の槍ガ岳」と呼びたくなるような尖ったピークを持っている。 登山道はない。林道を辿り、藪こぎをして山頂を目指すことになる。 山頂は松や灌木で覆われているが、上北烏帽子岳や吹越烏帽子が見える。
口広川に沿った北ルートを利用すると、林道跡から山頂へは1時間ぐらいで着く。藪こぎとなるものの、藪の濃さは濃くない。 山頂近くでは岩場が現れ、一風変わった登山になる。 北ルートの利用者が増えれば、それなりの道筋になるであろう。
一方、堀差川に沿った林道を進む南ルートは、林道跡が山頂近くまで延びていて一見良さそうなルートに思えるが、林道跡終点から山頂までの藪こぎが大変である。
みずがさわやま
323.4m
水ガ沢山は夏泊半島の中央に位置し、山頂からは北側の展望が得られ、津軽半島・平館海峡・下北半島が眺望できる。 登山口への道順は東北本線の西平内駅へ向い、水ガ沢沿いの林道へ入る。 2Kmほどで林道分岐があるが、ここは右側の林道を進む。 さらに1Kmほどで別の林道分岐が現れるが、ここも右側の林道を進む。 やがて東北電力水ガ沢中継所(標高220m)に着く。 電波塔が建っている施設があり、車が6台ほど駐車できる舗装駐車場がある。
山の中の車道を自動車で進む場合は、道路脇から延びた小枝で車体が擦られることを覚悟しなければならない。 愛車に傷をつけたくないならば、山へ入る手前で駐車し、そこから歩き始めるのが良い。 さらに西平内駅から歩き始める場合は1時間ほどで東北電力水ガ沢中継所へ着く。
中継所から車道を数メートルほど戻った地点に登山口の標識がある。 登山口のあたりでは中継所の脇を通るように道筋が着いており、中継所の脇では南への展望が開け、東岳や八甲田連峰が見える。 その後は山腹を巻くように緩く登っていく。 登山口から15分ほどで尾根上の分岐(標高280mぐらい)に着く。そこには水ガ沢山の方向を示す登山標識がある。 標識に従って右に折れ、緩く登っていく。 分岐から5分ぐらい、登山口から20分ぐらいで山頂に着く。 登山道のところどころで赤ペンキの矢印や赤テープが見られ、登山口から山頂までの道筋はハッキリしている。
山頂には三角点があり、漁業関連や県土木関連の無線アンテナ施設が建っている。 北の方向に展望が得られ、津軽半島・平館海峡・下北半島が眺望できる。
北からの林道が水ガ沢山頂上まで延びている。 したがって水ガ沢山を南北の方向へ乗り越え、夏泊半島を縦断するといったような山行が考えられる。
たかもりやま
386.5m
高森山は浅虫温泉の背後に位置し、その麓には浅虫温泉森林公園がある。 森林公園を含め、雑木林の山歩きを楽しむことができる。 梵珠山の山歩きと比較すると、高森山の山歩きは全般的に緩やかな登りであり、標高が低いが、歩く時間は少し長くなる。 ブナ林の梵珠山も良いが、雑木林の高森山も良いといった印象を受けた。
浅虫水族館に向かって進み、その手前の浅虫温泉森林公園に入り、そこの駐車場に駐車する。 公園の入り口にもトイレがあるが、駐車場脇の管理事務所内にあるトイレを利用することができる。 そして駐車場には高森山や森林公園を含む案内図がある。
駐車場から陸奥湾展望所へ向う遊歩道を登り始め、10分ぐらいで展望所に着く。 展望所からは浅虫温泉街、その先に浮かぶ湯島、夏泊半島などを見渡すことができる。 展望所の背後には東屋があり、遊歩道は次の東屋がある広場まで続く。
駐車場から2番目の東屋がある広場までは30分ぐらいの道のりである。 この広場は高森山登り口となっており、広場の奥には高森山への標識がある。 ここからは普通の登山道となり、緩やかな登山道が雑木林の中に延びている。 稜線に沿って進み、小さなアップダウンが続く。 266mピークには高森山まで40分の標識がある。 登り口から30分ほど、駐車場からだと1時間ほど進むと、馬場山経由の登山道が右から合流する分岐に着く。 さらに稜線に沿って進むと山頂への登りとなる。駐車場からだと、1時間10分から1時間半ぐらいで山頂に着く。
山頂(386.5m)には高森山神社の社があり、「見ざる・聞かざる・言わざる」が祀られている。 社の手前は小さな広場になっている。 雑木林の一部が開けており、そこから陸奥湾が見える程度であり、山頂からの眺望はあまり期待できない。
下山のときに、樹齢700年(日本第三位)の赤松の巨木を訪れてみるのも良い。 それは森林公園内の馬場山にある。 高森山から0.83Km戻った地点には、馬場山を経由して巨木の森へ向かう登山道が分岐している。 その分岐には山頂まで0.83Kmの標識の他に98番の境界見出標も見られる。 尾根道を進み、浅虫ダム馬場山中継所の脇を通って馬場山を乗り越えると、松林の中の急坂を下る。 そして山頂から40分ぐらいで遊歩道の赤松分岐に着く。 その分岐から0.21Km先に巨木がある。 巨木を見た後は、森林公園内の遊歩道を辿って出発点へ戻ることができる。 赤松分岐から駐車場へは1時間ほどで戻れる。 複数のコース取りが可能であるが、その一つは次のようになる。 赤松分岐〜すす川池分岐〜すす川奥〜尾根上の遊歩道〜高森山登り口の広場。
登山適時は4月から11月である。低い山の常で、夏場は多量の蚊が発生するものと思われる。 雑木林のイメージからすると、日差しが森全体に差し込む晩秋ないしは早春が良さそうだ。
高森山登山については幾らかのバリエーション・コースが考えられる。その参考となるような情報を集めてみた。
この森林公園は「森林浴の森100選」に選ばれている。 森林公園は広範囲に広がり、遊歩道が幾筋にもわたって設けられており、遊歩道の長さは延長で10Kmになる。
やちやま
180.7m
谷地山は浅虫温泉街を挟んで高森山と対峙する小さい里山である。 四国八十八カ所を模した八十八カ所石仏めぐりの歩道が整備されている。蝦夷館跡や陸奥湾展望台などもある。 陸奥湾展望台や山頂では浅虫温泉街や夏泊半島、陸奥湾が眺望できる。 谷地山だけであれば1時間半ほどの散策となるので、高森山と谷地山との組み合わせで1日2山の山行が考えられる。
浅虫温泉街側からも、反対側の青森市街側からも、谷地山へ登ることができる。 浅虫温泉街側から登るのであれば、八幡宮や陸奥護国寺にそれぞれ登山口がある。 一方、青森市街側から登るのであれば、青森敬仁会病院へ向かい、その脇の稲荷神社に登山口がある。 八十八カ所石仏めぐりの周回コースは陸奥護国寺(高野山)が起点になっている。 時計回りの方向に第一番石仏から始まり、谷地山頂上を越え、第八十八番石仏で起点へ戻るようになっている。 八幡宮や稲荷神社からの歩道は、山頂へ向かう途中から石仏めぐりの周回コースに合流する。
八幡宮は谷地山から北東へ延びた尾根先端に位置し、鉄道トンネルの脇にあり、浅虫温泉街側からの登山口としては最も一般的であろう。 八幡宮には正式な駐車場はない。しかし、駐車スペースは容易に見つけることができる。 例えば八幡宮から5分も歩けば国道4号線の交差点があるが、その南西の角には車数台分の駐車スペースがある。 八幡宮の石段を登ると、鉄道トンネルの上にいることに気づく。 八幡宮の右脇には登山口があり、登山道案内板が立っている。 登山道案内板には陸奥護国寺が「高野山」と記されている。 良く整備された歩道が広葉雑木林の中に延びており、緩く登って行く。 陸奥湾展望台を経由し、やがて陸奥護国寺(高野山)からの山道と合流する分岐に着く。 この分岐を通過すると、石仏めぐりが始まり、散策気分で山頂へ向かう。 登山口から30分ぐらいで山頂に着く。 山頂は広い広場になっており、陸奥湾側の一角が切り開かれ、展望が得られるようになっている。
谷地山を越え、仏めぐりを続ける場合は、第六十四番石仏「阿弥陀如来」のところで、稲荷神社からの山道が合流する。 ここのY字状分岐は少し混乱を起こしやすいかも知れない。 地図ではきれいなY字状分岐になっているが、谷地山から下ってきた場合はUターンするような感じになる。 Uの先端に稲荷神社からの山道が合流する感じか。この分岐から陸奥護国寺(高野山)へ向かう。 その途中には陸奥湾が展望できる区間がある。 そして最後の第八十八番石仏のところで、仏めぐりの起点となるY字状分岐に着く。 左には陸奥護国寺(高野山)が見える。 右の山道を辿り、数分登っていくと、八幡宮からの歩道が合流する分岐に着く。
陸奥護国寺への入口は海岸に面した国道4号線のところにあり、国道4号線から20mぐらい入ったところに山門がある。 そこには駐車スペースがある。石段を登って行くと、先ほどの入口とは別の入口からの車道へ出る。 この車道の入口は、先ほどの入口から20mほど青森市側へ行ったところにあるが、国道4号線を車で走っている状態では見つけにくい。 車道を少し登ると陸奥護国寺(高野山)に着く。ここには駐車場がある。 住職と思われる人と出会ったので、登山の際に駐車場を利用しても良いかと尋ねると、利用して良いとの返答を得た。 陸奥護国寺(高野山)の左脇から山道を進み、2、3分でY字状の分岐に着く。 ここは八十八カ所石仏めぐりの起点になっている。 左の山道を辿ると第一番石仏「」釈迦如来」を通過し、陸奥護国寺(高野山)から10分ぐらいで、八幡宮からの歩道と合流する。
青森市街側、つまり西側の久栗坂から登るのであれば、青森敬仁会病院の駐車場に駐車する。 駐車場手前から稲荷神社へ向かい、20mも進むと稲荷神社の鳥居が見え、その右脇に登山口がある。 登山口には登山道案内板が立っている。 良く整備された歩道を緩く登り、稲荷神社登山口から10分ほどでY字状の分岐に着く。 ここには第六十四番石仏「阿弥陀如来」が立っている。 直進する形で右の道を進むと300mで山頂に着く。それは石仏めぐりの歩道でもある。 一方、左の道は陸奥護国寺(高野山)への山道であり、石仏めぐりを番号順の方向へ進むことになる。
あずまだけ
652m
東岳(あずまだけ)は青森市街の東郊外に位置し、青森市民に身近な山として親しまれている。 山麓には県営総合運動公園・青い森アリーナがある。 登山口への道順は、まず、総合運動公園の西隣にある信号付き十字路を山側へ入る。 そこの角には他の標識と共に東岳自然歩道の標識が立っている。 この交差点から登山口へは4.3Kmある。 車道は1車線の舗装車道であり、宮田八幡宮、そして溜池の脇を通過する。 溜池の脇を通過したところで車道が二つに分かれており、左側の舗装道路は総合運動公園の縁を通って矢田集落へ至る。 ここは直進する形で東岳へ向う右側の砂利道を進む。 東岳の方向へ延びている緩い坂道を進み、やがて東岳自然歩道案内板のところを通過すると、すぐに登山口駐車場に着く。 駐車場は車が十台ほど駐車できる広さがあり、簡易トイレが設置されている。
駐車場から山頂へは約2.1Kmあり、駐車場から歩き始める。 車の通れる砂利道を300mほど進むと車道の終点となり、幅広い歩道が始まる。 200mの間隔で登山道標識が立っていることに気づく。 駐車場から30分程度で展望台に着く。 ここは休憩に適した台地になっており、青森市街や陸奥湾を眺望することができる。
展望台を通過すると、石灰鉱山跡を右手に見て、左手の尾根を登っていく。 すぐに小沢へ下る様になり、ダイナマイト保管倉庫跡の脇を通る。 それはレンガ造りの建物で、屋根が落ち、レンガ壁だけが残っている。 その脇の小沢へ下って小沢を横切る。 小沢を横切ると、尾根に沿った急登が始まる。 ブナ林の中をジグザグに登って行く。 山頂まで200mの標識を通過し、緩く斜登する感じで稜線上へ出る。 そこからは登山道の終点になっている652mピークが見える。 登山道を辿って稜線上へ出た地点には、別の684mピークへ向う踏み跡が分岐している。 ここは直進して登山道終点の652mピークへ向かう。 駐車場から1時間10分ほどで652mピークに着く。 山頂には三角点や簡単なベンチがあり、小さい広場になっている。 山頂からは陸奥湾や青森市街を眺望することができる。
684mピークへ向う場合は、先ほどの分岐から始まる踏み跡を辿る。 最初は稜線の東斜面を斜めに下るが、やがて斜めに登って稜線上へ戻る。 それ以降はほぼ稜線の背に沿って進むが、大きく左右に振れる感じで南東へ進む。 道筋はハッキリしており、道に迷くことはないと思う。 分岐から25分ぐらいで684mピークに着く。 草むらの中に三角点があり、展望は全く得られない。
登山適時は4月から11月である。ただし、夏場は多量の蚊が発生すると思われる。
ならのきもりやま
487.1m
楢木森山は青森市街の南東郊外、具体的には戸山団地から数Kmのところに位置する。 ミズナラやシナノキといった雑木林が続き、ところどころで青森市街が眺望できるハイキングになる。 林道跡を歩き、林道跡から山頂へは作業道跡を辿り、藪こぎなしで山頂に着く。道筋は山頂までハッキリしている。 ただし、林道分岐が数カ所あり、道を間違えないように注意が必要がある。
2012年12月の山行では、少しの刈り払いや標識整備で、立派な登山コースになる印象を受けた。
ほりこだけ
732m
堀子岳は青森市街の南東郊外に位置する。 整備された登山道はない。 堀子岳の標高600mあたりの山腹を横切っている下田林道へ出る。それから藪こぎをして山頂を目指す。 山頂からの展望は得られない。
世の中広いので次のような縦走に興味をおぼえる人もいるだろう。そう思い、リンクを張ることにした。
たっぴ
このセクションには龍飛崎周辺のハイキングコース情報が入る。
「龍飛崎」「竜飛崎」のどちらでも良いが、ここでは国土地理院の地形図に従い「龍飛崎」としている。 ただし、他資料のタイトルが「竜飛崎」となっている場合は、そのまま「竜飛崎」としている。
龍飛崎灯台前の駐車場が出発点になる。そこには龍飛崎遊歩道の案内板が立っている。 階段を下って海岸の遊歩道に出る。海岸に沿って延びた遊歩道を歩き、南へ1qほど歩くとキャンプ場に着く。 駐車場〜キャンプ場の区間1.6Kmが東北自然歩道「龍飛崎と青函トンネル体験のみち」になっている。 キャンプ場のところは「シーサイドふれあい広場」になっており、駐車場もある。
周回コースとなるように歩くのが良い。 帰路では車道を辿って出発点の方向へ5分ほど進むと、「文学碑の丘」への遊歩道がある。 そこから遊歩道を辿って丘へ登る。 丘の上の遊歩道を散策後に「文学碑の丘」に着くと、前方に龍飛崎灯台が見えてくる。 文学碑の丘から陸橋を渡って出発点の駐車場に戻る。
6月下旬〜7月中旬、海岸に沿った遊歩道ではニッコウキスゲが見られる。 ニッコウキスゲの他にもノハナショウブ・スカシユリ・ハマヒルガオなどが咲いている。 エゾスカシユリなど、本州ではここだけという花も咲いている。 花シーズンでも海岸の遊歩道を訪れる人は少なく、花の穴場といった感がある。
足を南の海岸線へ延ばし、マカ石の崎や燕の滝(つばくらのたき)を訪れることも考えられる。最後の集落・袰内(ほろない)までは車道が延びている。 袰内から燕の滝へは断崖絶壁下の海岸線を辿る。釣人が通る踏み跡が海岸に沿って見られるようだ。そして袰内から1時間ほどで滝に着く。 だたし、満潮時には通行不可となるので、干潮時間を確認してから出発することが求められる。
さんようしとうげ
370m
算用師峠(標高370m)を越える山道は、「みちのく松陰道」と呼ばれ、歴史街道として整備されている。その区間は3.35Kmあり、片道1時間半、往復3時間ほどかかる。 「みちのく松陰道」の歴史的背景は次のようになる。 小泊と三厩を結ぶ生活道路が算用師峠を通っていたが、国道が海岸沿いにできてからは使用されなくなっていた。 一方、この山越えルートは幕末の志士・吉田松陰が通ったとされている。 吉田松陰は沿岸防備の状況を視察するため東北地方を訪れ、嘉永5年(1852年)旧3月5日に日本海側の小泊から残雪の算用師峠を越え、津軽海峡側の三厩へ抜けた。 さらに伊能忠敬なども通った歴史的な山越えルートである。 このような歴史的背景があり、いまは「みちのく松陰道」として整備されている。
日本海側(旧小泊村側)から出発する場合は、国道339号線「竜泊ライン」を通って龍飛岬へ向かい、岬への登り坂が見えるあたりまで進む。 そこの長浜橋のところから片刈石林道へ入る。 林道入口には「片刈石林道」の標識がある。 さらに長浜橋の脇には「みちのく松陰道」と書かれた大きな黒い石碑も立っている。 かなり悪路の林道を2Kmほど進むと、大きな案内板や駐車広場が見えてくる。ここが小泊側登り口である。 案内板には「みちのく松陰道」の説明と共にコース図も示されている。 峠まで2.2Km、三厩側登り口まで3.35Kmを示す標柱も立っている。
津軽海峡側(旧三厩村側)から出発する場合は、国道339号線を通って算用師集落へ向かい、算用師川沿いの林道へ入る。 林道を3.8Km進むと御神酒沢橋となり、右手側の支流に沿って御神酒沢林道を800mほど進むと三厩側登り口に着く。 そこには大きな案内板や駐車広場がある。 峠までは1.15Km、小泊側登り口までは3.35Kmである。
みんまや
このセクションには三厩周辺のハイキングコース情報が入る。現在のところ、ハイキングコースは次の一つだけである。
義経寺から最奥地点への区間は、よく整備された山道が続く。 一方、最奥地点から村民スキー場への区間は、普通に整備されていない山道になる。道筋はハッキリしている。 ただし、義経寺から村民スキー場へ進むのが良い。逆方向へ進む場合は、新しくできた林道等のため、分岐点を見つけにくいところがある。
のこだけ
582m
鋸岳(のこだけ)は増川岳の西隣に位置する。 山頂部が風衝帯となっていることから、鋸岳の山頂は360度の展望が得られる。
鋸岳登山口への道順は、三厩から増泊林道へ入り、5Kmほど進むと「孫作小滝」の標識が見え、増川岳登山口のある二股が見えてくる。 ここは右側の道を進み、小泊の方向へ進む。 増泊林道へ入ってから7Kmほど進むと、「あすなろの滝」の標識が見え、その直後の山側(右手側)に滝沢林道が分岐している。 滝沢林道の入口にはヒバ実験林の案内板や駐車スペースがある。駐車スペースはあすなろの滝の隣でもある。
駐車スペースから滝沢林道を辿り、枝沢に沿って5分ほど進むと「鋸岳入口」の標柱が見えてくる。 ここから登山道を辿り、ヒバ林の中を進む。ヒバ林の中は昼間でも薄暗い。 分岐には登山標識が設けられているので、道に迷うことはない。 やがて急坂を登り、急坂が終わるところで、植生がヒバ林からブナ林へ変わる。 ブナ林になると、視界がパッと明るくなる。 駐車スペースから30分ほどの距離である。
ブナ林の中を進むと次第に灌木帯となり、登山道が下草で覆われている。 やがて背丈の低いチシマザサで覆われた風衝帯となる。 小さいアップ・ダウンが2回ほどあり、駐車スペースから1時間10分ぐらいで鋸岳山頂(582m)に着く。
山頂は平坦なガレ場のような広場になっており、小さいケルンがある。 その脇の草むらには祠がある。 天気が良ければ360度の眺望が得られる。 ガスで眺望が得られなかったのでハッキリしたことは言えないが、背丈の低いチシマザサで覆われた山頂であることから、良い眺望が得られるものと思われる。
やがたいしやま
586.9m
矢形石山は鋸岳から0.7Km離れた近距離にあるが、鋸岳と矢形石山との間には登山道がない。 鋸岳から笹の藪こぎをして矢形石山へ行くことになる。笹は背丈よりも高く、笹藪の密度は濃いようだ。
ますかわだけ
713.8m
増川岳は龍飛岬に近い津軽半島先端部に位置し、どっしりとした山容をしている。 丸屋形岳(718m)につぎ、津軽山地では2番目に高い山である。登りに2時間強かかり、適度な運動量の登山になる。 登山口への林道も、登山口から山頂への登山道も、よく整備されている。
青森市街から登山口までは車で1時間半弱かかる。国道280号線の今別バイパスを通り、三厩村の増川下流域に入ると、どっしりとした山容の増川岳が左手に見えてくる。 国道280号線から増川左岸に沿った増泊林道(舗装道路)へ入り、しばらく進むと「緑の里やすらぎ公園」が左手に見えてくる。 そこで舗装道路が終わり、小泊方面と記された未舗装の林道を進む。セダン車でも問題なく進める良く整備された林道である。 公園から2.6Kmほど進むと二股となり、増川岳登山口の標柱が見える。 左手の林道を数十メートル進み、駐車場に着く。そこには「増川岳4.3Km」と書かれた登山口標識が立っている。 さらに登山口のヒバには赤ペンキで41の番号が書かれている。
登山口からヒバ林へ入り、ゆるく登って行く。ブナ林のような華やかさは無く、ヒバ林の中は薄暗い。 普通の登山道から伐採道になり、そして再び普通の登山道になる。 そして急斜面にジグザグに着けられた登山道を登る。ヒバ林からブナ林へ変化し、明るい森の中を進むようになる。 木々に書かれた赤ペンキの番号が若くなり、1番になったところで尾根上に出る。
そこからは尾根に沿って緩やかに登っていく。 登山道の両側は背丈より高い小潅木であり、登山道からの展望はあまり得られない。 一瞬山頂かと思うようなところ(北峰713m)があるが、道はさらに先に延びている。 緩やかなアップ・ダウンを2回ほど繰り返すと増川岳山頂(713.8m)に着く。 登山口から尾根上へ出るのに1時間半、そこから山頂へは30分ほどかかる。山頂は広く、小祠と石柱が建っている。 山頂からの展望は東側が開けており、今別町の町並み、袴腰岳や丸屋形岳などが見える。 その背後には下北半島の仏ガ浦が見える。 津軽海峡の方向は潅木が展望をさえぎっている。 津軽平野方面の展望は隣の四ツ滝山(670m)が邪魔をしている。
山頂から尾根に沿って下るとき、所々で龍飛岬方面の展望が得られることに気づく。 天候のせいか、北海道は見えなかった。
おざきやま
229.7m
日本海へ突き出た小泊半島の先端ピークが尾崎山である。 権現崎の展望ピークと言った方が良いかも知れない。 山頂には尾崎神社があり、神社裏側の崖が展望所になっている。 展望所に立って崖の下を覗くと、絶壁の下に灯台(南灯台)が見える。 北海道方面へ目を移すと、遠くに離れているためか、北海道の島影が見えるが、ハッキリ見えるとは言いがたい。 岩木山方面も、岩木山が遠くに浮かんで見えるが、ハッキリ見えるとは言いがたい。 空気が澄んだ快晴のときは、北海道も岩木山もハッキリ見えるかも知れない。 なお、尾崎山の三角点は神社から少し西へ行ったところの丘状地形にある。
山歩きコースとしては、(1)下前地区から尾崎山へ登るコース、(2)小泊地区から尾崎山へ登るコース、(3)尾崎山を通って小泊半島を一周するコースなどが考えられる。 本などで紹介されているのは下前地区から尾崎山へ登るコースである。 その場合でも出発点が複数カ所あり、権現キャニオン駐車場から始まるキャニオンコース、下前地区から尾根伝いに進む山手コースといった具合に分類できる。 また小泊地区から尾崎山へ向かう場合でも、海岸に沿って進む海岸コース、山の中を歩く山手コースといった具合に分類できる。 小泊地区から始まる山手コースは、途中で下前地区からの山手コースと合流し、さらに尾崎山の山頂近くでキャニオンコースと合流する。 小泊地区から始まる海岸コースは尾崎神社のところで山手コースと合流する。 一方、山歩きとして長い距離を歩くのであれば小泊半島を一周するのが良い。 海岸コースと山手コースとを組み合わせ、一周11Kmぐらいになる。
海岸の景勝地や尾崎山を巡りながら小泊半島を一周するコースがある。 駐車場所は小泊漁港最奥の駐車場が良い。 その駐車場にはトイレや小泊半島一周の案内板がある。 そこの東側の神明宮鳥居は東北自然歩道の入口になっている。 そこから東北自然歩道を辿って行くと柴崎城跡(神明宮)に着く。 一方、駐車場の西側には海岸に沿って延びた歩道の入口があり、海岸のコンクリート歩道を辿って行くと「岩門」と呼ばれる岩アーチがある。 岩門を通って山側へ登って行くと柴崎城跡(神明宮)に着く。 柴崎城跡(神明宮)は、海岸に沿って尾崎山へ向う「海岸コース」と、山道を辿って尾崎山へ向う「山手コース」との起点になっている。 したがって海岸コースと山手コースを辿れば半島一周コースとなる。 海岸コースは4.4Km、山手コースは5Kmほど、そして小泊〜柴崎城跡(神明宮)の区間は0.5Kmある。
小泊半島一周コースでも述べたように、駐車場所は小泊漁港最奥の駐車場が良い。 一方、神明宮(柴崎城跡)の鳥居のところにも駐車場があり、こちらの方は車数台が駐車できるほどの大きさである。 鳥居のところに山手コースの登山口がある。 登山口から尾崎山までは5Kmほどあり、よく整備された歩道が延びている。 一部でヒバが見られるが、落葉樹が主体となる平坦な山道である。 ゆるくアップダウンをしながら山道を進み、下前地区からの数本の山手コースと合流し、さらに尾崎山の山頂近くではキャニオンコースと合流する。 それぞれの分岐には道標があり、迷うようなことはない。 キャニオンコース分岐を過ぎると、尾崎山の山頂が近い感じになり、尾崎神社に着く。
下前地区の権現キャニオン駐車場が登山口となる。 そこから始まる遊歩道を辿り、谷に沿って登り、そして谷の右岸斜面を斜登するようになる。 その途中には海岸側に向けて眺望が得られる展望所が複数カ所ある。 やがて下前集落から尾根沿いに登る山手コースと合流する。 その分岐を過ぎると緩く斜登し、すぐに尾根の背に出る。 そこには水場や展望所の方向を示す標柱が立っている。 尾根に沿って緩く登っていくと平坦な山頂部となり、尾崎神社が見えてくる。
現在のところ、次の区間が通行禁止になっている。
もややま
152.4m
国道339号線が山麓を通っており、15分ほどで登れるので、通りすがりに立ち寄るのが良い。 山頂から見る岩木山は素晴らしいものがある。 弧を描いた海岸線と青い松林が眼下に広がり、その先に岩木山が浮かんで見える。 短時間で登れ、かつ眺望が良いのが特徴的な山である。 また、全山がカシワ(柏)の木で覆われていたり、山全体が人工的な円錐形であったりし、不思議を感じる山でもある。
登山口への道順は青森県立金木高等学校・市浦分校(元の脇元小学校の場所)へ向かうことから始まる。 国道339号線の交差点に大きな市浦分校標柱が立っているので、そこの交差点から山側へ入り、市浦分校へ向かう。 分校のグランド脇に大鳥居があり、そこが登山口になる。大鳥居のあたりに駐車する。 大鳥居から出発すると、すぐに3つの赤い鳥居をくぐり、幅広い登山道を緩やかに登って行く。 すぐに参拝所に着き、そこから急坂となる。小石がゴロゴロした急坂をジグザグに登って行くと山頂に着く。 山頂には岩木山神社を祭った祠があり、その前が展望広場になっている。
じゅうさんこ
このセクションには次の情報が入っている。
靄山に登った後、丘陵地帯を通って十三湖へ抜けるようにドライブした。そのときに立ち寄ったのが山王坊日吉神社である。 興味深い史跡であった。このとき、東北自然歩道「安東史跡をめぐるみち」が山王坊日吉神社を通っていることを知る。 東北自然歩道を利用しつつ周回コースとなるように歩くのが良さそうだ。 いろいろなバリエーションコースが考えられるが、やはりコースの目玉は山王坊日吉神社になる。 出発点としては日吉神社駐車場や大沼公園駐車場が考えられる。
道の駅・十三湖高原(トーサムプラザ)と安東シンボル塔との中間あたりには福島城跡がある。 福島城跡に立ち寄るコース取りなど、いろいろなバリエーションコースができそうだ。
高山稲荷神社は五穀豊穣と商売繁盛、海上安全の神様である。その脇の高山小公園には1889年米国帆走船チェスボロー号が高山沖合いで遭難沈没した事件の慰霊碑がある。 往古之木嶺(おこのぎながれ)はこの一帯の最高峰(78m)である。
よつたきやま
669.6m
四ツ滝山は十三湖を北側から見下ろす位置にある。 「ブナ林に覆われた良好な自然環境で、学術価値の高い地域」として四ツ滝山一帯は青森県によって自然環境保全地域に指定されている。
1994年に市浦村・今別町の境界尾根を越える相内川林道が開削され、相内川林道から四ツ滝山への登山道が作られた。 その当時は四ツ滝山へ登る人々がいた。その後、林道は荒れ、徐々に四ツ滝山へ登る人はいなくなった。 現在は土砂崩れや落石のため車の通行は不可能である。登山口へは少なくとも片道8Km、往復16Kmの林道歩きが続く。
登山口への道順は、まず国道339号線から太田地区へ入り、バス停の交差点から太田川の上流方向へ向かう道を進む。 バス停の交差点から700mほど進むと、、長根山林道と相内川林道との起点に着く。 直進すると四ツ滝山、左折すると木無岳へ行くので、直進して相内川林道を進む。 車の通行が可能であればの話となるが、相内川林道の起点から6.6Kmの林道分岐までは平坦な林道が続く。 そこは相内川林道と冷水沢林道の分岐であり、そこから相内川林道への車の通行は落石や土砂崩れのため不可能になる。 したがって6.6Km分岐から歩き始める。
6.6Km分岐から相内川林道跡を8Kmほど進むと、標高460mの鞍部に着く。そこは林道跡の峠になっており、四ツ滝山自然環境保全地域の案内板が立っている。 その案内板から7、8m離れた林道脇にダケカンバが植わっており、その根元あたりに登山口がある。笹藪をかき分けると登山口標柱が見つかる。標柱には山頂まで1773mと書かれている。 2013年の時点において、登山道は道筋が残っているところもあれば消えているところもある。400mの間隔で登山標柱が立っている。
太田地区から相内川林道を経由する登山コースが前述のような状態であることを考えると、昔の登山コースの利用が考えられる。それは桂川地区から四ツ滝川に沿った林道へ入るものと思われる。 詳しくは東奥日報「あおもり110山」の四ツ滝山に記載されている「桂川口」を参照。
きなしだけ
587m
木無岳は十三湖を北側から見下ろす位置にあり、山頂部が風衝草地になっていることから、山頂からの眺望が良いことで知られている。 主として十三湖側の展望が開けており、十三湖の背後に岩木山が見える。津軽平野を蛇行する岩木川が十三湖へ流れ込むさまも眺望できる。 七里長浜から十三湖河口や靄山を経て小泊半島(権現崎)へ至る海岸線も見ものだ。 北に目を向けると、背丈の高い笹で見えにくくなっているものの、四ツ滝山・増川岳・浜名岳などが眺望できる。
山頂ではトウゲブギが咲くので、その花シーズン(7,8月)に訪れることも考えられる。 空気の澄んだ紅葉のころや晩秋も良さそうだ。
登山口への道順は、まず国道339号線から太田地区へ入る。 バス停の交差点から太田川の上流方向へ向かう道を700mほど進むと、長根山林道と相内川林道との分岐に着く。 直進すると四ッ滝山へ、左折すると木無岳へ行くので、左折して長根山林道へ入る。 長根山林道へ入ってから5.7Kmほどで木無岳登山口に着く。
登山口標柱の背後から小沢へ向けて登山道が延びている。 小沢では道筋が不鮮明になっているが、対岸に鳥居を見つけ、そこに登山道の続きを見つける。すくに崩壊地の脇を通って尾根を登っていく。 やがて沢の左岸斜面を斜めに登ってゆく。第二の鳥居を通過し、標高360mぐらいの鞍部に着く。そこからは尾根の背に沿って登るようになる。 稜線近くになるに従って笹やぶの密度が濃くなってくる。ただし、笹やぶの下側にはハッキリした道筋が続いている。 稜線から少し下ってから木無岳山頂部を巻くように登山道が延びている。このあたりは笹やぶが無く、スムーズに進む。 そして北側の稜線から木無岳山頂へ登るようになると、再び笹やぶ密生地を進む。 山頂部の風衝草地に着くと四ツ滝山方面の展望が開け、すぐに山頂(587m)に着く。 山頂には小さな鳥居と祠がある。
はまなだけ
603.2m
浜名岳は今別町の南郊外に位置し、山頂は津軽海峡側が開け、津軽海峡や北海道を眺望することができる。 山頂には鳥居と小祠があり、宴会に適した広場になっている。そして津軽海峡側の樹木が刈り払われており、眼下に海岸線の家並みが見える。
登山口への道順は、青森市側から国道280号線を龍飛崎方面へ進み、長川を横切ったところで左手に野球グランドが見え、野球グランドの角を左折して長川林道へ入ることから始まる。 長川に沿った林道を進み、国道から7.5Kmぐらいで「浜名岳入口」の標柱が立っている林道分岐に着く。 長川林道と分かれて右の林道跡へ入り、200mほど進んだ場所には車数台分の駐車広場がある。 「浜名岳入口」の標柱のところ、ないしは駐車広場が登山口となる。
最初は林道跡を辿り、「浜名岳1.5Km」の標柱を見つけ、普通の登山道へ入る。 その後は登山道を辿り、浜名分岐を経て山頂を目指す。 登山口から1時間ほどで山頂に着く。
2012年7月の浜名岳登山後に、長川から上股川への山越えとなる東北自然歩道を探したが、見つからなかった。 この東北自然歩道が開設された当初、山越えの山道はあったのであろう。しかし、長川林道側を探した限りでは、山越えの入口を見つけることはできなかった。
とんがりだけ
529.1m
尖岳は今別町の東郊外に位置し、地図では尖山と書かれ、地元では尖岳と呼ばれている。 1車線の舗装道路が登山口まで延びており、整備された登山道が山頂に達している。 尖岳山頂は小灌木の中にあり、数人が座れる程度の小さい広場になっている。 袴腰岳方面は展望が開け、袴腰岳や丸屋形岳が眺望できる。 一方、津軽海峡側は眺望が得られるとは言い難い。
尖岳登山口への道順は、JR津軽線の大川平駅へ向かうことから始まる。踏切と大川平橋を渡り、400mほど進んだところで右折し、農道へ入る。 400mほど進んだところの十字路では左折して山側の道へ入る。その角には新築の家が1軒建っている。 1車線の簡易舗装道路を進むと、台地上の畑を通るようになり、右手の対岸に巨大な紅白電波塔が見えてくる。 このあたりまで来れば尖岳の登山口へ向かっていることがハッキリしてくる。 1車線の簡易舗装道路を辿り、大川平駅から6Kmほど、標高340mぐらいで登山口に着く。 登山口には放送局のアンテナ群が建っており、駐車スペースがある。 登山口標識を確認し、直線状に延びた登山道を辿る。 登山口から40分ほどで山頂に着く。 山頂部にもアンテナ施設が建っており、三角点のある頂上は山頂部の最奥にある。
ぼうずだけ
494.7m
坊主岳は尖岳の東隣に位置し、その山頂は灌木で覆われており、眺望はあまりきかない。 樹間から津軽海峡を垣間見ることができる程度である。整備された登山道はない。
坊主岳登山口への道順は、国道280号線の中宇田川に架かる中宇田橋へ向かうことから始まる。 そこから中宇田川に沿った舗装道路を進み、「町営山崎放牧場」の看板を確認してから奥へ進むと牧場の建物が現れ、そこで舗装道路が終わっている。 その後は放牧場の中に延びている未舗装道路を進み、放牧場の最奥あたりで車道終点に着く。 そこから歩き始め、放牧場の中に延びている道を5分ほど進むと放牧場の最奥になり、右手に踏み跡を見つける。 踏み跡を辿って登り始める。ブナ林の中を登って行くと山頂近くで道筋が消える。藪こぎをして山頂を目指す。 山頂は2カ所に三角点があるダブルピークになっている。
はかまごしだけ
707m
津軽山地には袴腰岳(はかまごしだけ)と名のつく山が二つある。 こちらの方は津軽半島先端部に位置し、平舘海峡に面した707mピークである。 袴に用いる台形の腰板に似ていることから、袴腰の名が付いたのであろう。 隣には津軽山地の最高峰である丸屋形岳(718m)が位置している。 平舘スキー場跡から袴腰岳へ至る稜線コースは、稜線伝いにアップダウンを繰り返し、登りに2時間半から3時間程度かかり、下りに2時間程度かかる。 歩きごたえのあるコースである。
青森市街から平舘スキー場跡までは車で1時間程度である。駐車場には公衆トイレがない。 ゲレンデ跡の左端に並んだ電柱を辿る感じで登りはじめ、ゲレンデ跡の一番高い地点を目指す。 ゲレンデ跡の一番高い地点には東北自然歩道の標識が立っており、ここから普通の登山道が始まる。 そして階段の急坂を登り、オドシ山(244m)に着く。 オドシ山からはアップダウンを繰り返しながら袴腰岳へ向かて稜線上を進む。
出発点から1時間ぐらいで赤松峠(268m)に着く。ここは小高いピークになっており、大きな赤松2本が見られる。 この赤松峠では寺の沢コースが合流している。 アップダウンを繰り返しながらヒバやブナの混交林を進むと、尾上を通過し、やがて立ち枯れた木々が見られる丸見に着く。 前方に台形の袴腰岳、左手に円い丸屋形岳が見える地点となっている。 丸屋形岳が見える地点と言う意味で「丸見」と名付けられたのであろう。 丸見から10分ぐらいでタケノコ平の標識がある地点に着く。
タケノコ平は出発点と袴腰岳山頂との中間点に相当する地点である。 スキー場跡からタケノコ平までは東北自然歩道の標識が適当間隔に立っている。 そして東北自然歩道はさい沼へと延びている。 一方、袴腰岳への登山道は引き続き尾根上に延びており、ゆるくアップダウンを繰り返しながら進む。
袴腰岳山頂部の近くまで来ると、猿ガ森と呼ばれる平坦なブナ林の台地となり、登山道が二分している。 ここには標識がないので、どちらの道を行けばよいのか迷うかもしれない。 右手の登山道(旧道)はねじれ斜面を急登して山頂へ至る。 一方、左手の登山道(新道)は丸山林道からの登山道と合流してから山頂へ向かう。 左手の登山道から山頂を目指すのが一般的である。 山頂部の南斜面を急登して山頂台地へ出ると、そこは南ピーク(708m)であり、袴腰岳の標識がある。 南ピークは2、3人が昼食を取れる程度の広さである。
袴腰岳山頂部は双耳峰になっており、南ピーク(708m)と北ピーク(707m)との距離は短い。 ピーク間の尾根は平館側が急峻な斜面になっているので、足元に注意をしながら南ピークから北ピークへ移動する。 北ピークには三角点があり、数人が昼食を取れる程度の広場がある。さらに今別町からの登山道が着いている。 北ピークから今別町側へ30mほど進むと、龍飛崎方面への眺望がえられる地点がある。
この自然歩道は袴腰岳や丸屋形岳の山間部をめぐり、この東北自然歩道の目玉・さい沼を訪れる。
まるやがただけ
718m はかまごしだけ
707m
丸屋形岳(まるやがただけ)と袴腰岳(はかまごしだけ)とは津軽半島先端部に位置し、丸屋形岳(718m)は津軽山地の最高峰であり、その北隣に袴腰岳(707m)が位置する。 歩いて5分ぐらいの距離にそれぞれの登山口がある。いずれの山も登山口から40分程度で登れる。 したがって1日で両方の山に登ることができる。
登山口への道順は青森市から国道280号線を北上し、平舘の町並みの南側郊外、やすらぎの郷のところの信号を山側へ入る。 やすらぎの郷の前を通り過ぎて丸山林道を進む。なぜ、このような悪路を進むのか嘆きたくなるような悪路が続く。 セダン型の車であれば底をこするようなデコボコが次から次へと続く。 やがて舗装された道となり、才沼への立看板があるT字路に着く。 現在の林道をバイパスして才沼へ至ると思われる新道が現在建設中であるので、この辺りの状況は将来変わっているかも知れない。 才沼への立看板が立っているT字路を右側へ折れ、再び未舗装の丸山林道を進む。 舗装部分を過ぎてからはデコボコが少ないが、悪路に変わりはない。 国道から5.7Kmで丸屋形岳・袴腰岳展望所となる。そこで通行止めになっていた。 しかたなく展望所に駐車し、林道を通って登山口まで歩くことにした。
林道を歩いているときにニホンザルを見かけた。 蟹田スキー場から袴腰岳への登山道でもニホンザルを見かけたので、この辺りにはニホンザルが多いと思われる。
展望所から25分ぐらいで袴腰岳登山口になり、さらに5分ぐらいで丸屋形岳登山口に着く。 展望所から丸屋形岳登山口までは距離にして2.2Kmである。 登山口には登山口の看板が立っており、さらに山頂まで1250mの標識がある。 登山口から250mほど進むと、土砂流跡のところに着き、登山道が不鮮明になるが、 ここは土砂流跡を進むのではなく登山道を見つけて登る。 比較的急勾配の登山道が続くが、250m間隔で標識が立っているので、山頂までの距離がわかり、心強い。 展望は望めないが、ブナ林を歩くので、気持ちよい。 やがて尾根に出て展望が良くなり、ピークに着く。これは双耳峰の一方のピークであり、もう一方のピークはさらに少し先にある。 奥のピークが三角点のある山頂である。登山口から40〜50分ぐらいで山頂に着くことができる。 木々に葉が着いている季節だと、山頂からの展望は良いとは言えない。最初のピークの方が展望が良い。 下りは30分ぐらいで丸屋形岳登山口に着く。
袴腰岳登山口にも登山口の看板が立っている。 登山口から登りはじめ、ブナ林を通って緩やかな登山道を15分ほど進むと、蟹田スキー場からの登山道と合流する。 そこからは山頂部への比較的勾配のある斜面となり、合流点から25分ほどで袴腰岳山頂に着く。 丸屋形岳に比べて袴腰岳山頂からの展望は開けている。 展望を楽しんでから往路を下る。
なるかわだけ
658m
しみずまただけ
556.2m
山頂からは陸奥湾側を眺望することができる。 登山口への道順は県道12号線の山本集落へ向い、「清水股林道(登山ハイキングコース)」の道路標識がある交差点から清水股沢沿いの林道へ入る。 JR津軽海峡線のガードをくぐり、林道分岐では右へ、右へと進み、やがて沢沿いに延びた清水股林道を進む。やがて低床橋を4カ所で渡り、青色の小屋が現れる。 小屋の脇には駐車スペースがある。ここを登山口の駐車スペースとして考えた方が良い。理由は3つある。 小屋から歩いて10分ほどの距離に登山口がある。 小屋から先は極めて悪路になる。 小屋と登山口との間で通行止めなっていることが多い。 津軽海峡線のガードから7.3Kmぐらいで登山口に着く。 登山口には登山道標識があり、その脇にも駐車スペースがある。
登山口では清水股沢に架かる木橋を渡る。 登山口から10分ほどでスギ林へ入り、そこで「頂上まで1560m」の登山標識を見つけ、右折する。 スギ林を通過すると、道筋がハッキリしてくる。 登山口から1時間ほどで山頂に着く。
はかまごしだけ
628m
津軽山地には袴腰岳(はかまごしだけ)と名のつく山が二つある。 こちらの方は津軽山地の中程に位置する628mピークであり、近くには大倉岳と赤倉岳がある。 この袴腰岳については、下に示すように幾つかのコースを歩くことができるので、それらを総括するような情報をここに集めてみた。
袴腰岳は山頂からの眺望がよいのが特徴的である。 山頂部は背丈の低いチシマザサに覆われており、山頂からは360度の展望が得られる。 西側には十三湖、日本海、津軽平野、岩木山などが見える。 ここから見る岩木山は尖った三角形の山容をしている。 太陽光線で岩木川が光り輝き、牧歌的な風景が眼下に広がっている。 眼を南側に移すと、大倉岳と赤倉岳の背後に八甲田連峰が見える。 東には陸奥湾、湾内を行き交うフェリー、下北半島などが見える。 北の方には津軽半島の先端部に位置する山々、平館海峡、津軽海峡、北海道の山々などが見える。 天候に恵まれていれば、いつまでもいたくなる様な山頂である。
袴腰岳は蓬田村と中泊町との境にあり、どちら側からも袴腰岳へ登ることができる。 このサイトでは袴腰岳への登山コースを次のように分類している。
東の蓬田側からの3コースは歩いたが、西の中泊側からは登っていない。 蓬田側からの3コースに関しての話になるが、無線中継所登山口から袴腰岳へ登るのが最短コースである。 他の2コースは赤倉岳と袴腰岳との間の縦走路を歩き、ブナ林を楽しむ静かな山歩きができる。 この縦走路はもっと人気があっても良いと思うが、利用者が少ない様相をしている。 距離が長いと思われていたり、コースが不鮮明と思われているのであろう。 縦走路はよく整備されており、小さいアップダウンが1時間半ほど続く。 蓬田川登山口から出発する周回コースがお勧めである。
2013年6月の時点で縦走路は藪化していた。刈り払いが行われると思うが、・・・。
蓬田側の無線中継所(標高253m)から袴腰岳へ向かう比較的短いコースである。 比較的おだやかなアップダウンを繰り返す尾根歩きが続き、2時間半ぐらいで山頂に着く。 他の登山口と区別する意味から、この登山口は「無線中継所登山口」と呼んでいる。 なお、無線中継所は建物が残っているが、アンテナが撤去されている。
登山口への道順は次のようになる。まず、青森市街から国道280号線バイパスを北上し、蓬田小学校道りの交差点から1.5Kmほど進んだところで蓬田川を横切る。 蓬田川を横切ると同時に、蓬田川左岸(北側)の舗装道路へ入る。 その交差点には「蓬田城址」の標柱が立っている。交差点から少し入ったところでは右手側に蓬田八幡宮(蓬田城址)が見て舗装道路を直進する。やがて未舗装の林道になる。 国道280号線バイパスの交差点から6.6Kmぐらいで林道終点近くとなり、蓬田川側へ向かう左の道と、無線中継所へ向かう右の坂道との分岐点に着く。 右側の坂道を進み、やがて無線中継所に着く。 無線中継所のゲート前には車2、3台分の駐車スペースがある。 その山側(西側)には袴腰岳登山口の標識が立っている。
登山口は高台にあり、左手に赤倉岳が見え、正面には鍋森山が見える。 しかし、袴腰岳は鍋森山の背後に位置し、登山口からは見えない。 登山道はハッキリしており、良く整備されている感じである。 歩き始めてから40分ほどで水場への分岐に着く。 さらに20分ほど登ると鍋森山(548m)に着く。 鍋森山からは正面に袴腰岳が見え、左手には大倉岳や赤倉岳が見える。
無線中継所から鍋森山までは登りであるが、鍋森山から先は小さなアップダウンを繰り返えす程度であり、快調に歩くことができる。 鍋森山から30分ほどで大倉岳からの縦走路と合流する分岐に着く。 そこから少し進むと山頂部への登りとなり、山頂直下の笹地帯では中里からの登山道と合流し、山頂(628m)に着く。 縦走路北分岐から袴腰岳山頂へは20分ほどかかる。 無線中継所登山口(253m)から袴腰岳(628m)までは5Kmの道のりである。 普通の休憩を入れて普通に歩けば2時間ないしは2時間半かかる。 アップダウンを繰り返すことができる程度の少しの急ぎ足と短い休憩で歩くと1時間半ほどで山頂に着くことができる。 登山コースのほぼ全長がブナ林であり、ブナ林の山歩きを堪能できる。
帰路は山頂から10分ほどで縦走路分岐に着き、さらに鍋森山を越え、山頂から1時間ほど下ったところで、水場への分岐に着く。 さらに尾根に沿って30分ほど下ると無線中継所に着く。 山頂から無線中継所までは1時間45分ほどかかる。
袴腰岳への登山口は瀬辺地川にもあるが、大倉岳の阿弥陀川登山口にある登山案内板によると、瀬辺地川沿いの林道は「悪路」と表示されている。
蓬田川林道から赤倉岳へ登る登山口は「蓬田川登山口」や「蓬田川口」と呼ばれている。 この登山口から赤倉岳へ登り、それから縦走路を通って袴腰岳へ向かい、袴腰岳から鍋森山と無線中継所とを通って登山口へ戻る周回コースである。 一日中ブナ林を楽しみつつ、登りと下りとで異なった山道を歩くことができる。
登山口への道順は「無線中継所登山口から」のセクションを参照。 バイパス交差点から6.6Kmぐらいで林道終点近くとなり、蓬田川側へ向かう左の道と、無線中継所へ向かう右の坂道との分岐点に着く。 この分岐点は「蓬田川登山口」や「蓬田川口」と呼ばれる登山口になっており、大倉岳・赤倉岳・袴腰岳の登山案内板が立っている。 この分岐点には車数台分の駐車スペースがある。
登山口から左の道を20mほど進み、蓬田川を横切る。蓬田川は登山靴のままで横切れる。 蓬田川を横切ってからは杉林の中を進む。 杉林の中では道筋が二つに分岐していて、どちらがメインの道か区別できないが、ここは直進して小沢を渡ると赤倉岳への標識が見えてくる。 尾根に沿って登ってゆくと、ヒバとブナの混交林からブナ林へ変化していく。 朝日が木々に斜めに差し込み、神秘的な風景の中を登る。 蓬田川口から30分ほどで阿弥陀川口からの登山道と出会う。 右手には無線中継所(253m)が見え、左手には大倉岳(628m)が見える。 さらに尾根に沿って登ってゆくと赤倉岳山頂(563m)になる。 蓬田川登山口から赤倉岳へは1時間強かかる。
赤倉岳から15分ほど下ると、縦走路南分岐に着く。 ここは大倉岳と赤倉岳との鞍部で、大倉岳へ向かう登山道が続いている。 右手(北側)には袴腰岳へ向かう縦走路が延びている。 袴腰岳まで3.8Kmの標識が立っている。 この分岐から緩やかな下りとなり、後はアップダウンを繰り返す。 5分から15分ぐらいで登れる程度の高さのアップダウンが7、8カ所ある。 地図上では小高い山を3つ越すことになる。 1番目の山(498m)を超え、2番目の山(502m)あたりに来ると、袴腰岳の山頂部が見えてくる。 無線中継所から袴腰岳へ向かう登山道がある尾根も見えてくる。 赤倉岳山頂から2番目の山(502m)までは40分程度かかる。 3番目の山の手前まで来ると、笹で覆われた袴腰岳山頂部がハッキリと見えてくる。 3番目の山(529m)あたりからは比較的平坦な道になる。 そして袴腰岳の近くになると、無線中継所からの登山道と合流する縦走路北分岐に着く。
縦走路北分岐から少し進むと袴腰岳山頂への登りとなり、山頂直下の笹地帯では中里からの登山道と合流し、山頂(628m)に着く。 縦走路北分岐から袴腰岳山頂へは20分ほどかかる。 赤倉岳から袴腰岳まで休みなしで歩くと1時間45分ほどかかり、休憩を入れると2時間ほどかかる。
帰路は無線中継所登山口へ向かう。 ブナ林の中の平坦な尾根道を進み、山頂から45分ぐらいで鍋森山(548m)に着く。 鍋森山からの下りでは瀬辺地口への分岐や水場への分岐を通過し、鍋森山から45分ほどで無線中継所登山口(253m)に着く。 袴腰岳山頂から無線中継所登山口へは1時間45分ほどかかる。 無線中継所登山口からは車道を下り、20分ほどで蓬田川登山口へ戻る。
蓬田側の阿弥陀川登山口から出発し、赤倉岳と縦走路を越え、袴腰岳へ向かう比較的長いコースである。
登山口となる駐車場への道順は大倉岳のセクションを参照。 その駐車場は阿弥陀川の右岸にあり、「阿弥陀川登山口」や「阿弥陀川口」と呼ばれる。 そこから阿弥陀川を渡って赤倉岳への尾根を登り始める。 途中で蓬田川登山口からの登山道と出合い、ブナ林の尾根に沿って登っていく。 阿弥陀川登山口から1時間ほどで赤倉岳山頂に着く。 山頂からは縦走路がある山並みの先に袴腰岳が見える。 見渡す限りブナ林が広がっている。
赤倉岳から15分ほど下ると、縦走路の赤倉岳側分岐に着く。 ここは大倉岳へ向かう登山道と袴腰岳へ向かう縦走路との分岐点になっている。 袴腰岳へ3.8Kmの標識が立っている。 この分岐から緩やかな下りとなり、後はアップダウンを繰り返す。 5分から15分ぐらいで登れる程度の高さのアップダウンが7、8カ所ある。 地図上では小高い山を3つ越すことになる。 1番目の山(498m)を超え、2番目の山(502m)あたりに来ると、袴腰岳の山頂部が見えてくる。 無線中継所から袴腰岳へ向かう登山道がある尾根も見えてくる。 赤倉岳山頂から2番目の山(502m)までは40分程度かかる。 3番目の山の手前まで来ると、ササで覆われた袴腰岳山頂部がハッキリと見えてくる。 3番目の山(529m)あたりからは比較的平坦な道になる。 そして袴腰岳の近くになると、無線中継所からの登山道と合流する。 そこから少し進むと山頂部への登りとなり、山頂直下の笹地帯では中里からの登山道と合流し、山頂(628m)に着く。 縦走路分岐から袴腰岳山頂までは20分ほどかかる。 赤倉岳から袴腰岳まで休みなしで歩くと1時間45分ほどかかり、休憩を入れると2時間ほどかかる。
帰路は袴腰岳から赤倉岳まで休みなしで歩くと1時間半ほどかかる。 休憩を入れると2時間弱かかる。帰路は少し時間が短縮できる感じだ。 赤倉岳山頂から縦走路の山並みを振り返ると、全域がブナ林で覆われていることに再度感動を覚える。 赤倉岳から下り、阿弥陀川登山口へ向かう。 阿弥陀川を横切ると、阿弥陀川登山口(駐車場)に着く。 赤倉岳近くの縦走路分岐から阿弥陀川登山口までは2.5Kmである。
阿弥陀川登山口から赤倉岳を経て袴腰岳までは片道で6.5Kmほどあり、時間にして3時間なしは3時間半かかる。 阿弥陀川登山口から大倉岳直下の分岐を経て袴腰岳へ向かうようにすると、さらに距離を伸ばすことができる。 その場合は片道8Kmほどになる。
みやのざわコース
西の中泊町側には宮野沢コースと尾別コースとの2本の登山道が袴腰岳に達している。 宮野沢コースの登山口は、国道339号から宮野沢集落へ向い、やがて母沢沿いの林道を進み、国道から7.4Kmのところにある。 登山口から山頂へは2.3Kmよりも少し短く、1時間半ぐらいで登れるようだ。
宮野沢コースと尾別コースとを比べた場合、尾別コース登山口への林道は「長く険しい」といった山行記録がある。
おのべつコース
西の中泊町側には宮野沢コースと尾別コースとの2本の登山道が袴腰岳に達している。 尾別コースの登山口は、国道339号から尾別川・馬坂沢に沿った林道を進み、国道から12.2Kmのところにある。 登山口への林道は長くて険しいとの山行記録がある。 登山口から山頂へは2.3Kmあり、1時間半ぐらいで登れる。
おおくらだけ
677m
大倉岳(おおくらだけ)は津軽山地の中程に位置し、その山頂(677m)からは陸奥湾全体を見渡すことができる。 北隣には赤倉岳(563m)が位置し、さらに北へ4Kmほど離れたところには袴腰岳(628m)がある。 これら三山は縦走路でつながっており、蓬田三山と呼ばれている。 これら三山について共通して言えることは、登山口や登山道の標識が良好であり、登山道整備に対する蓬田村や金木町の努力がうかがい知れる。 さらに全行程を通じてブナ林が多く、気持ち良く歩くことができる。
大倉岳への登山口としては、東の蓬田側に3カ所、西の金木側に1カ所ある。 東の蓬田側から大倉岳へ登る場合、最もポピュラーな登山口は阿弥陀川登山口である。
大倉岳の阿弥陀川登山口への道順は、まず青森市街から国道280線バイパスを北上し、蓬田小学校通りの交差点で左折して山側へ進む。 蓬田小学校の前を通りすぎ、さらにライスセンターの脇を道なりに進むと小さな坂道となり、北へ延びた農道に入る。 最初の100mほどは北に向って進むが、舗装されている農道に沿って進み、再び山側(西)に向かって走ることになる。 その曲がり角には大倉岳への標識が立っている。 その農道を山側に向かって進むと、やがて砂利道になり、直線の農道が終わった地点にも大倉岳への標識が立っている。 ここから阿弥陀川林道になるものと思われる。 3つの橋を過ぎると、林道が阿弥陀川(小川)の浅瀬を横切って続いている。 ここは浅瀬を横切り、そのまま林道を進む。 すぐに大きな登山案内板が立っている駐車場に着く。 林道は全般的に良く整備されており、セダン型の自動車でも問題はなく進むことができる。 国道280線バイパスから駐車場までは8Kmの道のりであり、車で20分から30分かかる。 駐車場は車数台が駐車できる程度の広さである。 この駐車場は阿弥陀川の右岸にあり、「阿弥陀川登山口」や「阿弥陀川口」と呼ばれている。
阿弥陀川登山口から林道を5分ほど登ると、右手に「大倉岳登山口」の標識が見えてくる。 ここで林道と分かれ、普通の登山道へ入る。 小沢を横切って斜面道を登り始め、尾根の背に出て尾根道を進むようになる。 阿弥陀川登山口から1時間ほどで大倉岳避難小屋に着く。 小屋から少し進むと前大倉岳になり、大倉岳山頂の鳥居が見えてくる。 ここからは鞍部にいったん下り、それから山頂への登りになる。 その登り始めのところには袴腰岳や赤倉岳への分岐がある。 比較的勾配のある山頂部を登り、前大倉小屋から30分ほどで大倉岳山頂に着く。 阿弥陀川登山口から山頂までは1時間半から2時間ほどかかる。
山頂(677m)には大倉岳神社の奥宮が建っている。 山頂からは陸奥湾全体を見渡すことができ、下北半島や青森市街も見える。 日本海側へ下る金木コースを30mほどに行くと、日本海側を見るのに適した場所があり、十三湖や津軽平野を眺望することができる。
大倉岳から下る場合は赤倉岳を経て駐車場へ戻ることもできる。 山頂近くの分岐から赤倉岳の方向へ1.2Kmほど下ると、袴腰岳への縦走路分岐があるが、ここは赤倉岳の方へ進む。 すぐに赤倉岳への登りとなり、その山頂近くではガレ場を通り、視界が開けてくる。 赤倉岳山頂(563m)には小さい祠が立っている。 山頂からは大倉岳・袴腰岳を含む山域を眺望することができ、見渡す限りブナ林の山並みが広がっている。 山頂からの眺望を楽しんだ後は尾根に沿って東へ下る。 その途中には距離が短いが、多数の石が埋まった滑りやすい急坂が2つある。 急坂を過ぎた後は普通の山道となり、そのまま尾根に沿って下ると、蓬田川口と阿弥陀川口との分岐に着く。 ここは直進して阿弥陀川口の方へ進む。 尾根を下って阿弥陀川を横切ると、すぐに阿弥陀川登山口(駐車場)に着く。 縦走路分岐から赤倉岳を越えて阿弥陀川登山口までは4Km弱である。
阿弥陀川登山口から赤倉岳を越えて大倉岳へ向かう場合は2時間強かかる。 阿弥陀川登山口から赤倉岳へは1時間強、赤倉岳から大倉岳へは1時間ほどかかる。 赤倉岳山頂部の滑りやすい急坂のことを考えると、赤倉岳を越えるコースを登りにし、大倉岳非難小屋を通るコースを下りにするのが良いように思える。
2000年(残雪が遅くまで残っていた年の)5月のゴールデンウィークに行ってみたが、林道には残雪があり、阿弥陀川登山口に着くことができなかった。 したがって登山適時は5月中旬から11月中旬までと思われる。
阿弥陀川登山口から北側へ山を一つ越えた蓬田川林道には、「蓬田川登山口」や「蓬田川口」と呼ばれる登山口がある。 先の袴腰岳(蓬田・中里)において紹介した登山口であり、これ以上の説明は省く。
阿弥陀川登山口から南側へ山を一つ越えた後潟林道の終点にも登山口があり、この登山口は「後潟川登山口」や「後潟川口」と呼ばれる。 JRながざわ駅のあたりで国道280線バイパスから山側(西)へ延びている田圃道へ入り、やがて後潟川林道を進む。 国道280線バイパスから9Kmほど進むと後潟川登山口に着くようだ。
西の金木町側にも登山口がある。国道339線を通って金木町へ向い、金木川沿いの金木山林道へ入っていく。 金木冷水を通過し、林道入口から5Kmほど進むと大倉岳雨量観測局が見えてくる。 車10台ほどが駐車できる駐車スペースがあり、そこが登山口となっている。
かなぎ
このセクションには金木周辺のハイキングコース情報が入る。現在のところ、ハイキングコースは次の一つだけである。
東北自然歩道を辿りつつ適当な周回コースにしたい場合は、次のようなコース取りが考えられる。 この東北自然歩道はM字状のようなコースになっており、芦野公園駅から出発して全行程の3分の1ぐらいを歩くと藤枝溜池(芦野湖)を大きく一周する感じになる。 したがって、その地点で東北自然歩道と別れ、出発点の芦野公園駅へ戻るコース取りが考えられる。
なお、名水「湧つぼ」を訪れる場合は、大沢内溜池の西側から出発するコースがある。 大沢内溜池公園へ向かい、そこの駐車場から橋を渡り、遊歩道を辿っていけば良いようだ。徒歩で40分ほどかかる。
ちょうぼうさん
143m
眺望山は青森市の北西郊外に位置し、山麓に県道「屏風山・内真部線」が通っている。 眺望山の一帯は青森ヒバ林が見られるのが特徴的である。 青森ヒバ林の他にはヒノキ林・スギ林・カラマツ林などが見られ、ブナ林は見られない。 林野庁が全国90カ所に設定している自然休養林のひとつになっており、その一角には樹齢200〜300年の青森ヒバ保護林がある。 さらに青森県民の森にも指定されている。 そのためか、眺望山の登山道は青森県で一番整備された登山道の印象を受ける。 昔の林道を登山道として利用しているので、緩やかな勾配をもった幅広い道が続いている。 山頂は平坦な広場になっており、鉄骨からなる高い展望台があり、その脇にはトイレもある。
県道に沿って東口・中央口・西口が設けられているが、西口がメインの登山口になる。 西口には大きな駐車場、管理棟、トイレ、キャンプ場などがある。 西口から出発し、眺望山頂上へ登ってから東口へ下り、車道を辿って西口へ戻るのが一般的なコース取りになると思われる。 東口には車数台分の駐車場とトイレがある。 車道の区間は20〜25分ぐらいで歩ける。
一方、前述の青森ヒバ保護林を訪れる場合は県道から母沢林道へ入り、最奥の駐車場まで進む。 そこには青森ヒバ保護林を30分ほどで巡る周回コースが設定されている。 青森ヒバ保護林は眺望山の西隣に位置し、眺望山から青森ヒバ保護林へ訪れる山道も設けられている。 長い距離を歩きたいのであれば次のようなコース取りが考えられる。 西口〜山頂近くの分岐〜青森ヒバ保護林〜山頂近くの分岐へ戻る〜山頂〜東口〜西口。
眺望山の西口には無料のキャンプ場がある。 キャンプ場は内真部(うちまんべ)川に沿って複数カ所に分かれており、これらのテントサイトをつなぐように散策道が設けられている。 メインのテントサイトは管理棟の下流側にあり、そこには大きなキャンプ用駐車場がある。 具体的には管理棟から車道を辿って下流側へ50mほど移動したところに脇道があり、その先にキャンプ用駐車場がある。 その周辺には炊事棟や六角堂、休憩所がある。キャンプ用駐車場は2本の橋と散策路を介して対岸の管理棟側につながっている。 シャワー室や洗濯施設はないが、トイレや炊事棟は清潔であり、無料のキャンプ場としては設備が充実している。
このセクションには油川周辺のハイキング情報が含まれる。現在のところ、ハイキングコースは次の一つだけである。
野木和公園脇に四国八十八カ所を模した里山がある。八十八体の石仏群をめぐる8Kmの周回コースになっている。 四国八十八カ所の本尊を模した八十八体の石仏が作られ、四国八十八カ所の各寺から頂いだ土が石仏の台座に納められ、1933年(昭和8年)に開山した。 出発点は野木和公園脇にある修験道・信道院になり、駐車広場がある。コースの前半は林道を歩く区間が多いが、後半は山道を歩く区間が多くなっている。
野木和公園は花見の場所としても知られている。
ぼんじゅさん
468.4m
梵珠山は津軽山地の南端に位置し、信仰の山としての面影を色濃く残している山である。 奈良時代に東北地方に仏教を布教した法相宗の道昭上人が、釈迦三尊の文殊菩薩の文殊に因み、「梵珠」と名付けたと言われている。 ブナを主体とする広葉樹が広く分布しており、いまの梵珠山は青森県の「県民の森・梵珠山」として利用されている。
山麓には県立自然ふれあいセンターがあり、梵珠山や里山の自然のことなどが学べるようになっている。 トイレはセンターの内側と外側にそれぞれある。 駐車場はセンターへの道路沿いに数カ所あり、センター前の駐車場が一番大きい。 その駐車場には大きな登山案内板が立っている。 センターを中心として幾らかの山歩きコースがあるが、センター近くの登山口から梵珠山山頂へ至るマンガンコースとサルグルミコースがポピュラーである。 その一方を登りに、他方を下りに利用するが一般的である。
マンガンコース登山口はセンターと駐車場との間を流れる小沢の右岸にある。 沢に沿ってマンガンコースを進むと、すぐに尾根への登りになり、ブナ林の中を登っていく。 登山道はよく整備されており、10分ほどの間隔で道標が立てられている。 梵珠山から張り出した尾根に沿って登り、山頂部を左に見ながら尾根道を進む。 尾根道の途中に陸奥湾展望所があり、そこからは青森市街や陸奥湾を眺望できる。 越口と呼ばれる尾根の最終地点(6合目)に着くと、そこからは山頂部への登りになる。 比較的勾配のある地形と平坦な地形を経て8合目の寺屋敷北広場となり、サルグルミコースと合流する。 ここにはトイレとあずま屋がある。寺屋敷北広場から山頂までは10分程度の道のりである。 登り始めてから1時間弱ぐらいで山頂(468.4m)に着く。
山頂はピクニックに適した芝生の広場となっており、展望台やピクニックテーブルがある。 さらに観音像が7基あり、梵珠山が信仰の山でもあることがうかがい知れる。 山頂からは津軽平野や岩木山、八甲田連峰、青森市街、陸奥湾などが眺望できる。
サルグルミコースの方は、マンガンコースに比べて少し勾配がある分、距離が短い。 サルグルミコースを下って行くと、6合目のところに岩木山展望所がある。 岩木山展望所から斜面道を通って尾根の背に出るとミズバショウの道の分岐に着く。 そこから斜面道を下って六角堂休憩所のところを通る。 さらに小沢に沿って進み、登山口に至る。 サルグルミコース登山口はセンターから少し離れた場所にあり、指導所と呼ばれる小屋と鳥居がある。 その近くには車数台ぐらいが駐車できる駐車場がある。
ブナ林を主体とする箱庭のような美しい山といった印象を受けるのが梵珠山の特徴かも知れない。 美しい森の山歩きではあるが、ふれあいセンターから山頂までの往復だけでは歩き足りないと感じることがある。 そのような場合は下に示す延長コースを歩くのも良い。 特に山頂から松倉神社口までの往復は良いと思う。
登山道がよく整備されていること、距離が短いこと、美しいブナ林があること、花を咲かせる草花が多いことなどから、家族連れでハイキングするのに適している。 青森市街から車で30分程度で登山口に着くので、登山の時間が半日しかないようなときにも梵珠山を利用している。
登山適時は4月から11月である。 5月連休のころになると、南側のサルグルミコースの方は雪が完全に無くなっており、3合目の六角休憩所あたりではカタクリの群生が見られる。 カタクリの他にもコスミレやエイレンソウなど、様々な花が咲いている。 一方、北側のマンガンコースの方は5月連休ごろまで寺屋敷広場の下部(北斜面)に雪があることがある。 5月連休のころに家族連れでハイキングするのであれば、南側のサルグルミコースを登りにし、 マンガンコースの上部に雪がなければマンガンコースを下りにすることもできる。 低い山はどこでも同じだと思うが、盛夏のころは蚊が多量に発生する。
幹回りが青森県第1位、全国第2位というブナの巨木が2007年に梵珠山で見つかった。その後、全国第1位になった。 このブナ巨木はミズバショウの道の3合目あたりの北側の沢にある。 ミズバショウの道を下った場合は、あずま屋を通過し、登山道がカーブして下りになるあたりの左手の沢である。 登山道から30mほど離れた位置にブナ巨木がある。
このコースは、整備された登山道ではないが、登山コースとして通用すると考える道筋である。 それはアカゲラの道から北西へ延びている稜線上の林道跡である。 林道跡の区間は2011年に刈り払いが行われ、整備された道筋が延びている。 447mピーク北鞍部と林道跡との区間は、刈り払いが行われていないが、ハッキリした踏み跡が続いている。 梵珠山から自然ふれあいセンターへの下りの場合は1時間半ほどの歩きとなる。 登山標識が全くないので、地図やコンパスを携帯するのが良い。
信仰の山としての登山口は松倉神社口であった。 このコースは信仰の山としての面影を残す山道を辿り、梵珠山へ登るコースになっている。
前田野目から101号線バイパスのガードをくぐり、砂利道を北へ4Kmほど進むと、トイレのある駐車場が見えてくる。 この駐車場のすぐ北側に赤い鳥居がある。ここが松倉神社を経て梵珠山に至る山道の入り口である。 松倉神社は津軽三十三観音の第25番札所になっている。 なお、津軽三十三観音の第1番札所は弘前市南郊外の久渡寺、第33番札所は弘前市街の普門院である。
鳥居から松倉神社への区間には観音像が数メートルおきに立っている。 観音像と落葉樹林とのコンビネーションで絵になる風景がづづく。 そのような風景の中を登ること、15分ぐらいで第三十三番目の観音像が立つ松倉神社に着く。 この神社の裏手には見晴らしのきく小高い岩場があり、津軽平野を見渡すことができる。 神社から梵珠山へ向かう山道の森も美しく、神社から20分ほどで標識付きのT字状分岐に着く。 ここは梵珠山から馬ノ神山へ向かう林道跡と松倉神社口からの山道との分岐点である。 ここは梵珠山へ向かう林道跡を辿る。 T字状分岐から10分ほどで梵珠山山頂に着く。 山道は全行程を通じて良く整備されおり、鳥居の出発点から山頂へは1時間ほどかかる。
2009年5月に梵珠山を訪れたとき、カモシカコースが登山コースとして廃道となっている旨の立て看板を見た。以下はカモシカコースに関する昔の記述である。
梵珠山にはマンガンコースとサルグルミコースの他にもカモシカコースがある。 カモシカコースは梵珠山の山頂から旧林道を通って南へ進む。 旧林道が尾根西斜面へ下り始める手前で旧林道と別れ、尾根東斜面に着けられたカモシカコースを下る。 比較的急な斜面道を下ると杉林の中を通るようになり、さらに沢に沿って下る。 やがてサルグルミコース登山口の少し下流側に出る。 マンガンコースよりも歩く距離が少し長くなる。 しかし昔の林道や杉林を通るので、あまり人気がないようだ。
かねつきどうやま
313m
たかもりやま
162m
梵珠山から馬ノ神山と魔ノ岳を経て石ノ塔林道へ至る縦走路である。 石ノ塔林道側の出発点となる県道26号線「青森・五所川原線」の峠あたりには「空沼」と呼ばれる小沼があった。いまは空沼は無くなっている。 この空沼の名を取り、この縦走路は「空沼コース」や「空沼・梵珠コース」と呼ばれていたことがある。 石ノ塔林道も、昔は空沼林道と呼ばれていた。 縦走路の状態は、ところどころでヌカルミがあるが、アップダウンが少なく、山歩きの道としては立派なハイウェイといった感じである。 ブナを主体とする落葉広葉樹林の中に延びた落葉のハイウェイである。
梵珠山の山頂広場から北へ向かって10分ほど歩くとT字状分岐がある。 西の山道が松倉神社、北の山道が馬ノ神山へ向かうコースであるので、馬ノ神山への山道を進む。 カタクリの花が咲くころであると、いろいろな山野草が可憐な花を咲かせている。 梵珠山頂上から1時間ほど歩くと林道へ出る。林道を50mほど進むと、笹山(516m)のテレビ電波塔へ向かう車道と合流する。 車道を辿って笹山(516m)へ登ると、山頂にはテレビ電波塔がある。 一方、笹山テレビ電波塔の車道を北へ進むと、すぐに舗装道路(坪毛沢林道)へ出る。 ここは十字路になっているが、舗装道路を横切り、直進する感じで砂利道の車道を進み、別のテレビ電波塔がある馬ノ神山へ向かう。 その車道の途中にもテレビ電波塔があるが、山頂のテレビ電波塔へ向かう。 最初の林道へ出た地点から15分ほどで馬ノ神山山頂(549m)に着く。 山頂からの眺望は得られない。 梵珠山〜馬ノ神山の区間は片道1時間強、往復2時間強かかる。
馬ノ神山を越え、さらに北へ向かって縦走することができる。 その場合は馬ノ神山の山頂手前50mほどところに分岐があるので、この分岐で車道と別れ、再び山道を北へ進む。 最初は車が通れるような山道であるが、すぐに普通の登山道のようになる。 馬ノ神山から45分ほど歩くと山頂らしき場所で分岐がある。ここは魔ノ岳山頂脇に位置し、魔ノ岳山頂(486m)への脇道が分岐している。 引き続き山道を直進する形で数分進むと、山道が稜線の東側から西側へ移る峠地形のところを通り、緩やかな下り坂になる。 下り始めてから20分ほど、馬ノ神山から1時間ほどで砂利道(標高290m)へ出る。 この砂利道は石ノ塔林道であり、200mぐらい先で県道26号線「青森・五所川原線」につながっている。 梵珠山〜石ノ塔林道の区間は片道2時間、往復4時間ほどかかる。
げんぱちもり
352.5m
前述の石ノ塔林道は峠近くで県道26号線「青森・五所川原線」につながっており、その峠からは北に向かって寒水沢林道が延びている。 この峠(275m)から源八森(352.5m)へ向かう場合は、寒水沢林道、空沼林道へと進み、空沼林道へ入ってから数分で稜線へ登る踏み跡がある。 稜線に沿った踏み跡を北へ進むと、徐々に草藪が濃くなる。 稜線への取り付き地点から50分ほどで源八森に着くようだ。 源八森は草藪で覆われ、展望が得られない。
このセクションには次の情報が入っている。
ベンセ湿原は津軽半島・七里長浜の南寄りのところに位置し、その周りには平滝沼・大滝沼・ベンセ沼・コケヤチ湿原などが点在している。 このような沼や湿原を総称して「屏風山湿原池沼群」や「屏風山湿原」と呼び、そのような名称で紹介されていることもある。 このようなベンセ湿原一帯は「日本の自然百選」に選定されている。
ベンセ湿原の施設に関しては、大きな駐車場や近代的なトイレが備わっている。さらにベンセ湿原内には木道が設けられ、湿原内を散策できるようになっている。 湿地の一角には展望台があり、湿原全域が見渡せるようになっている。もちろん案内板なども充実している。
6月中旬にはニッコウキスゲが咲き乱れて湿原が黄色に染まり、7月上旬ごろにはノハナショウブの大群落で一面が紫に染まる。 6月から7月にかけて湿原は花のピークを迎えるので、そのころに訪れる人々が多い。 そして7月下旬になると花がチラホラ咲いている程度になる。 湿原は野鳥も多く、年間約120種が観察できるようだ。
ベンセ湿原の少し南西、出来島あたりの七里長浜では約2万5千年前の埋没林を見ることができる。 七里長浜の砂浜で遊ぶのも良い。 ベンセ湿原と周辺の見所とを組み合わせると、そこそこの長さの散策になる。
ベンセ湿原や周辺の見所を巡る14Kmの長いハイキングコースである。 したがって部分的に東北自然歩道を利用することが考えられる。 ベンセ湿原から七里長浜の埋没林へ歩いて移動するのにも、この東北自然歩道を利用することが考えられる。
出来島集落あたりの七里長浜では約2万5千年前の埋没林を見ることができる。 出来島集落から離れた場所でも埋没林を見ることができるが、背丈よりも高い泥炭の断崖が続いていることを考えると、道路から浜辺へ降り立つ場所としては出来島集落あたり、具体的には出来島海水浴場が良い。
高山稲荷神社はベンセ湿原から10Kmほど北上したところにある。 その脇の高山小公園には1889年米国帆走船チェスボロー号が高山沖合いで遭難沈没した事件の慰霊碑がある。
てんのうざん
56.7m
天皇山はベンセ湿原の南10Kmぐらいのところに位置し、登山口となる駐車場から2、3分で登れる小山である。したがってベンセ湿原を訪れるついでに天皇山に登ることが考えられる。 国道101号線からベンセ湿原へ向かう屏風山広域農道へ入り、国道から1Km強のところに、「天皇山高山稲荷神社」の標柱が立っている交差点を見つける。 脇道を海側(西)へ進み、やがて林の中の道となり、鳥居が見えてくる。鳥居の前には広大な駐車場がある。 クロマツ並木の参拝道を登ると、すぐに台地状の山頂に着き、稲荷神社の拝殿や小祠が見えてくる。 登山口の駐車場から2、3分で山頂に着く。 山頂一帯はカシワやクロマツの木々が植わっており、展望は得られない。
山行後に天皇山から直線的に海岸へ向かう道筋を調べた。草藪で行き止まりのようになっていた。
「天皇山」と名のつく山は、青森県だけでなく、他県にもある。
おいあげやま
359.3m
追上山は深浦町の海岸線に面した台地状の山である。 追上山への登山道は、東北自然歩道「古碑群と千畳敷海岸のみち」の一部になっている。
登山口は大戸瀬中学校の校門脇にあり、そこには東北自然歩道の標柱が立っている。 そこから路肩に上がり東北自然歩道を見つける。校舎を右に見ながら東北自然歩道を辿り、すぐに舗装道路を横断する。 直進する感じで小さい沢へ入り、堰堤の手前側で沢を横断し、小さい沢を登る。 すぐに東北自然歩道の標柱があり、標識に従って右へ折れる。山斜面を登るようになると、道筋もしっかりしてくる。 その後も東北自然歩道を辿り、標高359mの追上山に着く。山頂は笹藪で覆われた平坦な地形であり、展望は得られない。
北隣の370mピークも、笹藪で覆われた平坦な地形になっており、やはり展望は得られない。
東北自然歩道「古碑群と千畳敷海岸のみち」が追上山登山を含む形で設定されている。主に海岸線を歩くハイキングコースになっている。 この東北自然歩道の目玉は北金ガ沢のイチョウや千畳敷であろう。コースに含まれていないが、関の甕杉(かめすぎ)に立ち寄るのも良い。
八景森では日本海や岩木山が眺望できる。寺屋敷公園はツバキ・ナナカマド等が美しい。高沢寺は庭園で有名である。
追上山の近くには巨木が多い気がする。 追上山の登山口から近いのは北金ガ沢のイチョウと関の甕杉(かめすぎ)である。 北金ガ沢のイチョウは国の特別天然記念物になっている。
いわきさん
1625m
岩木山は青森県の最高峰で、「津軽富士」と呼ばれ、日本百名山に選ばれている。 山頂部は3つの峰で構成されており、それぞれ岩木山、巌鬼山、鳥海山と呼ばれている。 山岳信仰の場としても知られており、頂上には岩木山神社が鎮座している。 さらに山頂には避難小屋やトイレもある。 山頂からは津軽平野や八甲田連峰、日本海、白神山地などを眺望することができる。 視界が良いときは北の方向に北海道の山並みが見える。
山麓からの登山道としては、百沢コース、岳コース、赤倉コース、弥生コース、長平コースの5つが知られている。 いずれも長丁場の登山となるので、これらのコースを通る登山者は少ない。 これらのコースの中で登山者が一番多いのは百沢コース、次いで岳コース、赤倉コースとなっている。 弥生コースは人気が無いが、登山道として存在しており、コースに沿って登山標柱が建てられている。 長平コースは廃道の印象を受け、登山道として機能していないと言える。
一方、津軽岩木スカイラインが8合目まで延びているので、それを利用して登山する人々が多い。 津軽岩木スカイライン終点からの登山は岳コースの1区間となるので、岳コースのセクションへ入れている。
例えば百沢コースの登山口から登ったとしても、山頂に着いたときの時刻や疲れ具会いによってはバスを利用して下山することが考えられる。 その場合は津軽岩木スカイライン終点(8合目)へ下り、そこから弘南バスの嶽温泉行きシャトルバスに乗ればよい。 さらに離れた出発地点へ戻る場合は嶽温泉から路線バスかタクシーを利用する。
青森市街から岩木山の登山口までは車で1時間半程度かかる。 山麓の登山口から登る場合は往復で7時間ほどかかり、登山後の温泉入浴に1時間ほどを当てるとなると、出発は早発ち、遅くとも9時ごろには登り始めるようにした方が良い。
百沢コースは岩木山の南東山麓にある百沢スキー場(320m)または岩木神社(210m)から始まる。 山麓から岩木山へ登る5つの登山コースの中で最もポピュラーである。 その特徴は健脚向きのコースで、焼止り避難小屋より上側では「山登り」を味わうことができる。 百沢スキー場の登山口にはトイレが無いから、青森市方面から来た場合は岩木神社でストップし、そこのトイレを使うとよい。 岩木神社から鯵ヶ沢街道を更に西へ500mほど行くと、国民宿舎いわき荘の標識が見え、そして山側に百沢スキー場の大きな標識が見えてくるので、その道を山へ向かって進む。 国民宿舎いわき荘の前を通り、さらに進むと百沢スキー場の駐車場に着く。
標高320mの駐車場から出発してスキー場内の砂利道を5分ほど進み、標高350mの登山口に着く。 そこはスキー場の南隣となり、雑木林の中にある。 「七曲」「カラスの休場」「鼻コグリ」、そして標高667mの「姥石」を経由し、標高1070mの焼止り避難小屋に着く。 焼止り避難小屋までの登山道は普通の山道であり、時間にして1時間半から2時間ほどかかる。
焼止り避難小屋からは大沢に入り、大きな急峻な沢を登ることになる。 大沢の登りは「山歩き」というよりも「山登り」と言ったほうがピッタリする。 津軽平野や弘前市街を眼下に見下しながら登るので景色はよいが、多数の大石が谷底に詰まったような岩だらけの急峻な沢である。 足を滑らすと怪我をしそうな場所が幾らかある。 大沢を30分ほど登ると、標高1340mの錫杖清水(しゃくじょうしみず)に着く。豊富な湧水が流れ出しており、休憩に適した場所になっている。 錫杖清水から少し登ると、種蒔苗代(たねまきなわしろ)という平坦な地形(1440m)になり、男性的な山頂部が見えてくる。 距離の短い急坂を登ると大館鳳鳴避難小屋(1485m)に着き、津軽岩木スカイライン終点(8合目)からの登山道と合流する。 錫杖清水から大館鳳鳴避難小屋までは30分ほどかかる。
大館鳳鳴避難小屋と山頂との間には岩だらけの急坂が2つあり、それぞれ「第一おみ坂」と「第二おみ坂」と呼ばれている。 大館鳳鳴避難小屋から30分ぐらいで山頂(1625m)に着く。 百沢スキー場の駐車場から山頂までは3時間半から4時間ほどかかり、焼止り避難小屋から山頂までは1時間半から2時間ほどかかる。
なお、山頂近くの急坂「おみ坂」を3つに分けている資料もある。種蒔苗代から大館鳳鳴避難小屋への急坂を「一のおみ坂」、大館鳳鳴避難小屋から山頂へ向けての2つの急坂を「二のおみ坂」「三のおみ坂」と呼んでいる。
岩木神社は「奥の日光」とも言われているので、時間があれば立ち寄ってみるのもよい。 岩木神社を登山の出発点と終着点にすることもできる。 その場合は岩木神社と百沢スキー場との間を歩くのに片道30分ほどを見ておけば良い。
岳コースは岩木山の南西山麓にある嶽温泉郷から始まる。 赤倉コースや百沢コースのような強烈な個性はないが、岳コースは3時間から3時間半ほどで山頂に登れる容易性がある。 さらに登山口が嶽温泉郷の中心部にあり、登山後は温泉へ直行できること、地元でとれる季節の野菜や果物を買うこと、等々の利便性がある。
登山口は嶽温泉郷の中央広場にあり、駐車場やトイレが整備されている。 標高460mの登山口から神社の脇を通り、ほぼ真っ直ぐな山道を進む。 スキーコース跡に延びている山道であるが、いまはスキーコース跡といった感じはしない。 最初の20分ほどは滑りやすい粘土質の山道であるが、やがて木の葉で覆われた山道となる。 登山口から30分ほどで「巨木の森」の標柱が現れ、さらに10分ぐらいで標高810mの分岐に着く。 ここでスキーコース跡と別れ、登山道標柱に従って右手の登山道へ進む。 スキーコース跡と別れた後は普通の登山道になり、徐々に勾配が増していく。
やがて標高1250m、8合目となる津軽岩木スカイライン終点に着く。登山口から8合目駐車場へは2時間ぐらいで着く。 広い駐車場の一角にはトイレ・休憩所・売店のある近代的な建物がある。 リフト乗り場の脇から再び登山道を辿る。 8合目駐車場から40分ぐらいで鳳鳴避難小屋に着く。 鳳鳴避難小屋の上側には岩だらけの急坂が2つあり、鳳鳴避難小屋から30分ぐらいで山頂に着く。
津軽岩木スカイラインを利用して岩木山へ登る人々は多い。 スカイライン終点(8合目)から山頂まで歩いて登る場合は1時間強かかる。 スカイライン終点(8合目)からリフトに乗り、リフト終点(9合目)から山頂まで歩く場合は40分ぐらいかかる。
赤倉コースは岩木山の北側山麓にある赤倉神社から始まる。 登りに3時間半から4時間半、下山に2時間半から3時間かかり、長丁場となる。そして次のような特徴があり、個性的な登山コースと言える。 その第一の特徴は信仰色の強い登山道であり、行者小屋から巌鬼山(1455m)までの間に三十三観音が立っている。 第二の特徴は赤倉講の信者によって整備された登山道が巌鬼山まで延びており、全般的に歩きやすいと言える。 第三の特徴は巌鬼山あたりから低い潅木が生えた高山らしい風景が広がっている。
まず、岩木山環状線の大石神社入口から山側へ入り、大石神社の前を通過して赤倉神社の駐車場に着く。駐車場には公衆トイレがない。 標高380mの駐車場から出発し、20mほど進むと道が二つに分れている。ここは鳥居と橋が見える左手の道を進み、沢を渡って沢の右岸に延びている山道を進む。 駐車場から15分ぐらいで行者小屋の脇を通り、尾根へ登っていく。 尾根へ出ると三十三観音が立っている登山道を進むようになる。 登山道は良く整備されているが、階段が続くので歩きにくいと感じるかもしれない。 駐車場から1時間20分ぐらいで伯母石(874m)に着く。
伯母石は三角おにぎりのような形をした大きな石で、底面や正面は滑らかな平面になっている。 このような石が自然によって出来たのであろうか。そうであるならば自然の不思議を感じる石である。 道筋は伯母石のところで二つに分かれ、200mぐらい先で合流する。 左手(東側)の道筋を行けば見晴らしの良い岩峰に出る。ここは休憩に適し、眼下には津軽富士見湖や小泊半島が見える。視界が良ければ北海道の山並みも見える。 右(西側)の道筋は岩峰の側面を通るが、大石がゴロゴロした地帯であることに変わりがない。
伯母石から40分ぐらいで鬼の土俵(1078m)に着く。ここも休憩に適した広場である。 鬼の土俵から尾根を登りつめると、赤倉御殿(1433m)に着く。 鬼の土俵から赤倉御殿までは1時間ぐらいの距離であり、赤倉御殿には小さな祠が建っている。 ここは山頂への急登に備えるのに適した休憩場所である。 赤倉御殿から上側は低い潅木が生えた高山らしい風景が広がっている。さらに岩木山頂も見える。
赤倉御殿からは縦走路的なコースとなり、巌鬼山の西斜面を巻いて第三十三番観音、そして聖観音像(1455m)の建っているところに着く。 このあたりは展望が開けた高山らしい風景が広がり、宗教的な雰囲気もあり、気持ち良く歩ける。 さらに進んで大きな石がゴロゴロした大鳴沢源頭を横切ると、いよいよ山頂への登りになる。 低い潅木が生え、かつ大きな石がゴロゴロした急坂を登る。 そのような急坂を2つ登り、赤倉御殿から40分ぐらいで山頂(1625m)に着く。
赤倉コースの登山道は尾根に沿って延びているが、その隣の赤倉沢には参道が着いている。 この参道を辿り、「なめ滝」のところから尾根斜面を登っていくと、「鬼の土俵」と呼ばれる場所で赤倉コースと合流する。 この赤倉沢参道と尾根道からなる周回コースは手頃なハイキング・コースとして利用されている。
もっと良いルートがあるかも知れないが、次のルートをよく利用している。
国道7号線 〜 国道101号線 〜 五所川原・岩木線 〜 板柳の手前で津軽りんご大橋(掛落林)の方面へ向かう 〜
津軽りんご大橋を渡り、広域農道を道なりに進み、貝沢へ向かう 〜
貝沢のあたりで弘前・鯵ヶ沢線から岩木山環状線にでる道を利用する 〜 岩木山環状線の大石神社入り口 〜
大石神社 〜 赤倉神社。1時間ほどで着く。
弥生コースは岩木山の東山麓にある弥生部落から始まる。 このコースの印象は「長い森のトンネルを抜けると、そこは山頂への急登であった」と言ったものだ。 視界の開けない登山道が3時間ほど続き、やっと視界の開ける部分まで登ってきた思ったら、すぐに山頂への急登が待っている。 したがって高山植物などを楽しむような登山にはならない。 真夏の暑い日に登ったので、汗でびしょ濡れになり、登りの後半はバテ気味になり、休憩を頻繁に取った。 涼しい季節に登れば、この登山道の印象はもっと良いものになっていたかも知れない。 登りは4時間ほど、下りは2時間45分ほどかかる。
登山口への道順は、まず岩木山環状線の弥生部落に向かい、「中別所」の交通標識がある十字路を山側の道に入る。 その角には「岩木山登山道」の標識がある。メインと思われる道を進む。 変電所と思われるような施設があるところはY字路となっているが、ここはメインの右側の道を進む。 岩木山環状線から1Kmほど進むと、「登山心得」の看板がある十字路に着く。 舗装道路はここまでになっている。十字路の南西の角には神社の廃墟が見える。 ここが登山口である。
登山口から出発し、しばらくは大黒沢の左岸を進み、やがて橋を渡って右岸へ移り、右岸尾根へ上がる。 右岸尾根には緩やかな勾配の登山道が続いており、快調に足が進む。 標高700mぐらいから登山道としては普通の勾配になってくる。 しかし、視界の開けない登山道が登っても登っても続く感じである。 6合目の標識は「姥石」と呼ばれる大石のところ(1120m)に立っている。 7合目近くになると、「大岩」と呼ばれる大石のところ(1150m)に着く。 そこは展望が得られ、休憩に適した小さい広場になっている。 そのあたりから樹木の丈が低くなり、潅木地帯へと変わる。 やっと視界が開けてきたと思ったら、すぐに山頂への急登となる。 山頂直下には「耳成岩」という塀のような岩場(1560m)があるので、耳成岩を西(左)から巻くようにして登る。 まず耳成岩の基部を通って急斜面を西(左)へ斜登し、それから耳成岩と山頂との間の鞍部(9合目)にでる。 この辺りには滑りやすいところがある。 鞍部から再び急坂を登り、登りきると岩木山神社奥宮の北隣にでる。
登山道はハッキリしており、山頂部の急坂を除き、登山道自体は普通の登山道といった感じである。 ある登山地図には「難路」および「笹で通行困難」と書かれていたが、笹で通行困難というようなことはなかった。 難路というのは山頂部の急坂のことであろうか。 それよりも視界の開けない登山道が延々と続くことの方が難路に相応しいと思った。
その後、弥生コースに登山標柱が立てられたことを知る。 詳しくは下に掲載する弥生コースの山行写真に示されている。
長平コースは岩木山の北西山麓にある石神神社(大石神社とも言う)またはスキー場のゴンドラ終点からスタートする。 鯵ヶ沢スキー場が出来てからは、ほとんど利用されなくなり、いまは自然に帰りつつあり、廃道といった印象を受けた。 石神神社の登山口から山頂までは3時間ほどかかり、その半分ぐらいの区間が笹藪地帯である。 迷いやすい所や笹で滑って怪我をする可能性が高いところが幾らかある。 例えば神様の池のところでは湿地のような泥の急坂に足跡がついているが、そちらに進むと行き止まりになる。 泥の急坂の右隣にある小沢を辿ると道筋が見つかる。 このような場所が複数カ所ある。 したがって道筋を見失った場合は、道筋がハッキリしているところまで戻って道筋を探すといった登山の基本が求められる。 スキー場のゴンドラ終点近くにある登山口には、刈り払いがなされていないので通行を遠慮してほしいといった意味の掲示板が立っている。
長平コースを利用したいと思い、石神神社あたりで登山口を見つけようとしたが、1回目は見つけることができず、2回目に訪れたときに見つけることができた。 そこで登山口について少し詳しく説明する。 まず、スキー場駐車場のところからスキーゲレンデ内に延びている砂利道に入り、石神神社(大石神社)を目指す。 自動車で進めるところまで進み、そこから歩いて大石神社の最も奥に位置する行者小屋(大石様奥院)へ向かう。 石神神社と行者小屋との間は、軽自動車がギリギリ通れるほどの道幅で、かつ悪路であり、谷側は絶壁のような急斜面である。 したがって駐車場所は石神神社か、それより下側の方がよい。 標高700mぐらいで行者小屋の鳥居に着く。 その鳥居から15mほど手前あたりで、鳥居に向かって右手の急斜面を探すと、登山口を見つけることができる。 ところで国土地理院の現在の地図は登山口の位置がハッキリとわかるように書かれているが、以前はそうでなく、前述のように登山口を探すのに苦労した。 現場で登山口を探すのに苦労しないためには、下に示す国土地理院の地図を開き、登山口の位置を確認してから現場へ向かうのが良い。 行者小屋手前の登山口から登山道跡と思われる溝を辿ってジグザク状に登ってゆくと、すぐに上側のスキーゲレンデへ出る。 そこはスキーコースの標識20番と21番との中間あたりである。
行者小屋手前の登山口について詳しく書いたが、考えてみれば次のようなルートも考えられる。 石神神社の少し下側に車道からスキーゲレンデが見える地点があるが、そこからゲレンデ内へ入る。 要は適当なところでスキーゲレンデ内に入り、ゴンドラ支柱に沿って登って行けば良い。
ゴンドラ支柱に沿って延びている踏み跡を辿り、ゴンドラ終点へ向かう。 その途中には鳳鳴高校生の遭難碑(標高800mぐらい)があり、やがてゴンドラ終点(標高915mぐらい)に近づく。 ゴンドラ終点から30mほど手前、つまりゴンドラ終点から2番目の支柱の左手に、第2の登山口がある。 この登山口のところには先ほどの掲示板が立っている。
ゴンドラ終点近くの登山口からは普通の山道が続き、ブナ林の中を登っていく。 やがて平坦な場所に出て高層湿原の脇を進み、「神様の池」と呼ばれる小さい池(標高1000mぐらい)に着く。 「長平清水」と呼ばれる水流が池へ流れ込むところには石の小祠が建っている。 行者小屋の登山口から1時間ほどで神様の池に着く。
水が池へ流れ込むところの右隣に踏み跡が着いている。 そこのところでは沼地のような急坂を登るのではなく、右隣の小沢を辿る。 このあたりから笹藪が始まり、間隔をおいて赤テープが取り付けられているので、それに沿って進む。 小沢を抜けると湿原に出て、さらに赤テープに沿って進む。 この湿原のあたりは赤テープがないと迷いやすい。 やがて道筋もハッキリしてくる。そして溝のようになった山道を通り、そこは笹のトンネルのような感じになっている。 西方寺森(1288m)の北側斜面あたりになると平坦な道を進むが、この辺りから笹をかき分けて進むようになる。 進んでも進んでも笹藪が続き、このあたりは長く感じる。 やがて石がゴロゴロした小沢のような山道を登るが、笹で道が見えにくく、道を見ながら進まないと滑って危ない。 そのような坂道を登りきると、1425mぐらいで「西方寺平」と呼ばれるテラスに着く。 そこは休憩に適した場所であり、大きな石がある。
そこから笹藪が少し続き、滑りやすい急坂を登る。 徐々に山頂に近い潅木地帯になり、視界が開けてくる。 「山の神石」と呼ばれる大岩を回り込み、山頂直下の南テラスに着き、岳コース・百沢コースからの登山道と合流する。 山頂は目と鼻の先にある。 行者小屋の登山口から山頂までは3時間ほど、神様の池からだと2時間ほどで山頂(1625m)に着く。 年々笹藪が成長していることを考えると、神様の池から山頂への所要時間はさらに長くなるものと思われる。
石神神社のあたりでは「大石」と呼ぶに相応しい巨大な石が十個ほどある。 小さい家ぐらいの大きさはあろうか。 そのような大石が石神神社と行者小屋との2カ所に群がったような状態で山肌から露出している。
おいこもり
1139m
追子森は岩木山の山頂から少し西側に位置する穏やかなピークであり、山頂部がコメツガの森になっているのが特徴的である。 かっては松代から追子森(1139m)と西法寺森(1288m)を経由して岩木山へ登る登山道があった。 この登山道は通称名「松代登山道」、正式名「大の平登山道」と言ったようだ。 いまは整備された登山道はない。 追子森までは踏み跡的な道筋が残っている。 標高1000mぐらいでは不鮮明な道筋が左右に折れ曲がっている区間がある。したがって帰路確保のための赤テープが必要である。 一方、追子森〜西法寺森の区間は道筋が消失し、背丈が2mを越える竹藪地帯であり、猛烈な藪こぎになるようだ。
追子森への出発点は白沢脇の林道終点と、赤沢脇の林道入口との2カ所がある。 前者からの登山道は二子沼を経由し、後者からの登山道と合流する。 一方、後者は石倉集落を通る舗装車道から容易にアクセスできる。 そういった意味で後者の方が一般的である。 後者の出発点への道順は、まず、車で嶽温泉側から長平方面へ向かう。 県道からの入口は2カ所あり、嶽温泉側から進んだ場合は第1の入口(標高437m)に「若松」と書かれた3mほどの標柱が立っており、第2の入口(標高365m)には「大ノ平南」と書かれた3mほどの標柱が立っている。 これらの標柱は目立たないので、見落す可能性が高い。 一方、第1の標柱「若松」が立っている角には簗田(やなだ)農園があり、高原野菜を売っている。こちらの方が目印になる。 1車線の舗装道路を進み石倉集落へ入る。そこの三叉路には「大ノ平」と書かれた3mほどの標柱が立っている。 この三叉路から第1の入口側へ300mほど戻ったところに出発点となる林道入口がある。
この林道入口(標高470m)を出発点とする場合は次のようになる。 林道入口あたりは舗装されているが、すぐに車の通れないほど荒れた林道跡となる。 しばらくすると浄水場があり、次は舗装された坂道を登るようになる。 舗装坂道の勾配が緩くなり、標高640mぐらいになったところで、林道の左手側に登山道の入口を見つける。 登山道入口は踏み跡のような感じであるが、20mも進むと林道跡と思われる幅広い山道が続いている。 そのような山道を辿り、尾根を緩やかに斜登する。 標高760mぐらいの分岐では右折し、尾根に対して真っ直ぐに登るようになる。 やがて尾根の南斜面をトラバースするようになり、右に沢を見ながら進み、標高890mぐらいで沢を横切り、右隣りの尾根へ移る。 少しトラバースする感じで進み、標高890mぐらいで直角状に左へ折れ、浅い沢を辿って登る。 浅い沢を登り切り、標高960mぐらいで、峠のようになったところに着く。 ここまではハッキリした道筋が着いている。 直進すると、岩がゴロゴロした沢を横切る感じになる。ここには大小2つの沢が隣同士に平行に延びている。 小さい沢(2番目の沢)の中を登り、20mぐらい先で道筋の続きを見つける。 道筋のようにも見えるし、そうでない様にも見える。そのような道筋を辿り、山頂を目指す。
追子森の山頂はコメツガの森になっている。 コメツガと良く似たイチイが方言で「オンコ」と呼ばれ、それが地名「追子森」になったとする説がある。 そのためか、「追子森」の読み方を「おんこのもり」と記している資料もある。 また、山頂には熱風が噴き出している風穴があり、岩木山が火山であることを思い起こしてくれる。
コメツガとイチイ(オンコ)がどのように違うのかに興味があり、関連情報を集めてみた。 イチイは北海道や北東北ではアイヌ語由来のオンコと呼ばれている。
もりやま
403.4m
岩木山の南東山麓に位置する小ピークである。 その昔、岩木山は神聖な山で、みだりに登れないので、その代わりの山として森山が利用されていた。 県道3号線「弘前・岳・鰺ヶ沢線」を岩木神社から岳温泉へ向かい、バス停「あすなろ荘前」から300mほどで南側の脇道へ入り、200mほど進んだところに森山の登り口がある。
5月中旬、カタクリの花が咲くころ、山頂部の平坦地形ではカタクリのお花畑が広がっている。 Web東奥のページ「あおもり110山 森山」にも記載されているとおり、春の森山は山野草が多く見られる。 特に山頂部のカタクリ群生は特記すべき広さと密度がある。 観光として売り出すか否かは関係者が判断すれば良いことであるが、少なくとも観光資源にリストアップしておいても良いと思うほど、森山のカタクリは素晴らしい。 残雪の岩木山を背景に絵になる風景が広がっている。 また、5月中旬ごろは岳温泉周辺の桜も満開である。したがって桜とカタクリの花とを観る散策になる。
6月下旬に訪れたときは花が全く見られなかった。 やはり、森山はカタクリの花が咲くころに訪れるのが良い。
秋田県側の山の情報は、別ページ「青森県外の山 無雪期」へ入れているが、このページからもアクセスできるようにしている。 上に示す山名を普通にクリックすれば良い。
ちゃうすやま
892m
登山口から山頂までハッキリとした登山道が続いている。 急峻な渓谷や崩壊地を見るわけでもないし、太いブナの林があるわけでもないので、登山自体は白神山地の山を登っている感じがしない。 山頂からは切り立った向白神岳や白神岳などが眺望でき、標高の低い日本北アルプスを見ている感じがする。 そういった意味で山頂からの眺望が白神らしいと言える。
青森市街から登山口へ向かう場合は、まず国道101号線を通って深浦を目指す。 深浦の近くになると吾妻川の手前側にスーパー・マックスバリューがあり、吾妻川の右岸(北側)から長慶平へ向かう道へ入る。 一車線の舗装道路を通って長慶平へ向かう。それは白神ラインの標識の方向へ進むことでもある。 長慶平小中学校跡を通り過ぎ、さらに長慶平の集落を通り過ぎ、緩やかに峠を越える。 峠から400mほど下ったところの山側(左側)に大きな登山口案内板が立っている。 国道101号線から30分弱、青森市街から2時間半ほどで登山口に着く。 交通量の少ない早朝であれば、もう少し時間短縮ができると思う。
駐車場所は2カ所ある。 その一つは登山口案内板から白神ラインの方向へ50mぐらい下ったところに道幅の広い区間がある。そこの道路脇に駐車する。 もう一つは登山口案内板のところから未舗装の林道へ入り、200mほど進むと、車数台が駐車できる草地広場がある。 登山口案内板には山頂まで1時間10分と記されており、登山口から始まる林道を登り始める。 杉の植林地を通り過ぎ、登山口から10分ほどで普通の登山道になってくる。 登山口から30分ほど登ると、最初に展望が開けるところがあり、眼下に長慶平の集落が見える。 南の方には十二湖のところにある大崩山が見える。 さらに10分ほど登ると、山道が分岐しているが、尾根に沿って延びている右側の道を進む。 展望が得られるところが所々あり、登山口から1時間ほどで吾妻峰(822mピーク)に着く。 吾妻峰には展望が得られる場所があり、長慶平の集落や海岸線が見える。
吾妻峰(822mピーク)を越えると、鞍部への下りとなり、前方に茶臼山の山頂台地が見えてくる。 鞍部には水場へ下る道が分岐しているが、稜線に沿って進んで山頂を目指す。 吾妻峰から30分ほど、登山口から1時間45分ほどで山頂(892m)に着く。 山頂標柱が立っているところは数人が休憩できる広場になっており、南に展望が得られる。 切り立った向白神岳や白神岳などが見え、標高の低い日本北アルプスを見ている感じがする。 山頂一帯を一周するように踏み跡が着いているが、展望は得られない。
登ってきた道を通って下山する。 山頂台地から鞍部へ下るところに、一瞬だけ岩木山が見えるところがある。 鞍部では水場への道を下ってみたところ、数分で小さい沢に着いた。 沢には水がチョロチョロと流れていた。 季節によっては水枯れがあるような小さい沢である。 水場への寄り道を除けば、山頂から1時間10分ほどで登山口に着く。
じゅにこ
十二湖は白神山地の日本海側に位置する観光スポットであり、崩山(940m)の山麓に広大なブナ林が広がり、33の湖沼が点在している。 崩山の登山口にもなっている。 湖沼を巡るように遊歩道が設けられており、「美しい日本の歩きたくなるみち500選」に選ばれている。 湖沼を短時間で巡るコースとしては次の周回コースが一般的である。
青池と沸壺の池はコバルトブルーの池として有名であり、これら2つの池を訪れる場合の拠点が森の物産館「キョロロ」(旧挑戦館)である。 そこには有料駐車場(普通車1日400円)がある。近くの無料駐車場はビジターセンターにある。
もう少し長い周回コースは次の道筋が考えられる。青池や沸壺の池ほどではないが、長池も青い澄んだ池である。
さらに長距離を歩きたい場合は東北自然歩道「日本キャニオンと十二湖めぐりのみち」が参考になる。
東北自然歩道を利用しつつ周回コースとなるように歩くことが考えられる。そのような場合は十二湖側の出発点・日本キャニオン入口バス停から出発する。 そこは八景の池のところであり、広い駐車場やトイレがある。 日本キャニオン入口から歩き始め、日本キャニオン展望台〜日暮の池〜沸壺の池〜青池〜金山の池〜長池を経由し、出発点へ戻るのはどうであろうか。 なお、日本キャニオン入口からキャニオン展望台へは10分ほどの距離になる。
くずれやま
940m
これは十二湖と白神岳とを結ぶ縦走路の一部を十二湖側から登るコースである。 日帰り登山では崩山(くずれやま)まで登るのが一般的なようだ。その手前の大崩(おおくずれ)まで登る人々もいる。 登山口(250m)から大崩(694m)へは1時間20分ほど、登山口(250m)から崩山(940m)へは2時間ほどかかる。 大崩は眼下に十二湖や日本海を眺望することができ、まさに景勝の地である。 一方、崩山は展望が得られない。
青森市街から出発する場合は国道101号線を通って十二湖を目指す。 青森市街から白神ライン入り口の交差点へは2時間強かかり、さらに15分ぐらいでビジターセンターの無料駐車場に着く。 一方、最奥となる駐車場は森の物産館「キョロロ」(旧挑戦館)のところにあり、有料(普通車1日400円)になっている。
いずれの駐車場を利用するにせよ、観光スポット・青池へ向かって歩き始める。青池の脇に登山口がある。 登山口には白神山地の案内板や大町桂月の句碑が立っている。 登山口から出発し、広葉樹林で覆われ、ひんやりとした谷間を進む。 谷に沿って進むと徐々に急勾配になってくる。 ポピュラーな登山道に相応しく、登山道は良く整備されている。 登山口から40分ぐらいでベンチのある休憩場所に着く。 この休憩場所は登山口と大崩山との中間に位置し、登山口から1.2Km、大崩山まで1.1Kmのところにある。
休憩場所あたりから蛇行しながらブナ林の中を緩く登っていく。 休憩場所から30分ぐらいで大崩山の展望場所に着く。 展望場所では「大崩」と呼ばれる火山灰土の崩壊地を足元に見下ろす。 その先には湖沼が散在するブナの樹海が広がっている。 実際に十二の湖沼があるかどうか不明であるが、比較的大きな鶏頭場ノ池をはじめ、数個の湖沼が見える。
展望場所のあたりでは片側が大崩となった尾根に沿って登る。 大崩とは反対側の尾根斜面に登山道が着けられていること、尾根の背を歩く部分ではロープが張られていること等、それなりの措置が講じられており、危険という感じはしない。 大崩山を過ぎると再び急登となり、大崩山から40分ほど、登山口から2時間ほどで崩山山頂(940m)に着く。 山頂は数人が休憩できる程度の小さい広場になっており、三角点がある。 広場の周りにはササや低い潅木が生えており、残念ながら山頂からの展望は得られない。 下りは1時間半ほどで登山口に着く。
崩山(940m)から大峰岳(1020m)へは2.7Kmの尾根道を1時間強で歩くことがでる。 反対方向へも同じぐらいかかる。 通行量が少ない様相の登山道であるものの、道筋のハッキリした登山道が延びている。 尾根道での展望は得られないし、大峰岳からの展望も得られない。
しらかみだけ
1232m
白神岳(1232m)は白神山地のシンボル的な山であり、新日本百名山や東北百名山に選ばれている。 山頂からは世界自然遺産登録された白神山地の山並みが見渡される。 白神山地の主峰・向白神岳(1243m)、白神山地の秘峰・摩須賀岳(1011.8m)、三角形のピークが特徴的な尾太岳(1083.4m)などが眺望できる。 向白神岳の背後には青森県の最高峰・岩木山(1625m)も見える。 世界遺産登録後に登山者が増えたことから、1997年、山頂にはトイレが造られた。 トイレのところからは日本海や眼下の海岸線が全開で見える。 山頂の避難小屋に泊まる場合、トイレ脇は日本海に沈む太陽を撮るのに良い場所となる。
白神岳の登山コースはマテ山(蟶山)コースと二股コースとの二つがある。 マテ山コースは一般向きのコースとされ、マテ山(841m)へ登り、そこから尾根道を緩やかに登って白神岳山頂を目指す。 一方、二股コースは上級者向きのコースとされ、白神岳直下の沢に出て、そこから急峻な尾根を登って白神岳山頂を目指す。 どちらのコースも時間的に大差はなく、3時間半ぐらいで山頂に着く。 場合によっては4時間ほどかかるかも知れない。 登り5時間とする情報も見かける。 マテ山コースの方は、白神の良さを感じることなく、長丁場の登山の印象だけが残る可能性が大きい。 かっての私がそうであったように。 一方、二股コースの方は多少なりとも「白神らしさ」が感じられる。 沢のまわりの風景や雰囲気に白神らしさを感じたのかも知れない。 ところが二股コースの方は2時間ほどの急登が続き、健脚向きである。 自分の体力と相談し、どちらのコースを取るのか決めるのがよい。
青森市街から出発する場合は国道101号線を通ってJR五能線の白神岳登山口駅を目指す。 青森市街から白神ライン入り口の交差点へは2時間強かかり、さらに15分ぐらい走り、 白神岳登山口駅を過ぎた直後の山側に白神岳登山口の標柱が見える。 舗装された日野林道を2Kmほど進むと登山口駐車場(220m)に着く。 そこには車50台〜100台ほどが駐車できると思われる巨大な広場があり、立派なトイレや休憩所もある。
舗装された林道を歩き出すと、すぐに旧登山口となる。 ここは小さい広場になっており、ベンチや登山案内板などがある。 ここから歩道となり、平坦な山道を進むと30分ぐらいで二股分岐に着く。 ここでマテ山コースと二股コースとに分かれる。
二股コースを進むと、急峻な谷を見下ろしながら斜面道を進み、一の沢、二の沢を越える。 やがて三の沢に着き、三の沢に沿って少し登ると、二つの沢(母沢と種蒔苗代沢)が合流する二股に着く。 三の沢に出てから二股に着くまでの区間には沢を横切る地点が2つあり、そこにはロープが張られている。 二股分岐から二股までは50分ぐらいで着く。
二股からは尾根の急登が続き、それは1.8Km先の山頂まで続く。 手足を使って「3点支持」で登るほどの急坂が二股の近くで複数個所ある。 そのような急坂を含め、いたるところにロープが張られており、急登の連続といった印象をうける。 尾根ではブナ林の中を進み、日本海は見えないが、尾根両側の急峻な斜面は良く見える。 二股から1時間強で尾根の小ピーク(872m)に着き、白神岳山頂が見えてくる。 二股と山頂との中間点であり、山頂まで0.9Kmの標識を見て急に元気が出てくる。 ところが山頂になかなか着かず、バテ気味になる。 山頂直下になると、背丈ほどの高さの潅木地帯となり、視界が開けてくる。 登ってきた二股コースの尾根、下山に利用する予定のマテ山コースの尾根などが見える。 二股から2時間ほど、駐車場から3時間半ぐらいで山頂に着く。 場合によっては4時間ほどかかるかも知れない。
山頂(1232m)は土俵のような盛り上がった地形の広場になっており、三角点やベンチがある。 山頂からは360度の展望が得られる。 白神山地のほとんどが見え、遠くに岩木山も見える。 西側には津軽西海岸が見える。 山頂から少し離れたところには避難小屋(1984年建設)があり、その傍には立派なトイレ(1997年建設)が建っている。 その背後に白神山地の最高峰・向白神岳(1243m)が見える。
二股コースを登りに利用した場合、下山はマテ山コースを利用するのが普通であろう。 山頂から稜線に沿って10分ほど進むと、マテ山コースと十二湖コースとが分かれる大峰分岐となり、左手側のマテ山コースを下る。 大峰分岐近くでは灌木地帯の急坂を下り、すぐにブナ林へと入っていく。 ブナ林の尾根道を緩く下り、山頂から1時間ほどでマテ山分岐に着く。 マテ山分岐からは急坂を下り、マテ山分岐から25分ほどで上木戸沢の水場(最後の水場)に着く。 このあたりからヒバ・ブナの混交林となる。 水場からは急峻な谷を見下ろしながら斜面道を進み、25分ほどで二股分岐に着く。 そして二股分岐から30分ほどで駐車場に着く。 マテ山コースの下山には2時間半から3時間ほどかかる。
「十二湖コース」と呼ばれる白神岳〜十二湖の縦走路を歩く場合、白神岳山頂の避難小屋に泊まり、1泊2日の山行にするのが標準的である。 白神岳避難小屋の水場はウズライシ沢(南東方向の沢)を少し下ったところにある。 具体的には山頂と避難小屋との間から踏み跡を辿ってウズライシ沢を下り、小屋から4、5分の距離、標高1210mぐらいの地点に水場がある。
十二湖側の登山口は観光スポット・青池の脇にある。駐車場としてはビジターセンターの駐車場が無料である。 最奥となる駐車場は森の物産館「キョロロ」のところにあり、有料(普通車1日400円)になっている。
2012年に歩いた十二湖コースの印象は、通行量の少ない様相であるものの、どちらかと言えば道筋のハッキリした普通の登山道に属するといったものであった。
たゆうみね
1163.6m
太夫峰(たゆうみね)の登山道は白神ライン(旧弘西林道)の一ツ森峠(650m)から始まり、2.9Km先の太夫峰(1163.6m)まで延びている。 その先には吉ガ峰(1175m)や白神山地の最高峰・向白神岳(1243m)が位置している。 地形的には天狗岳や高倉森の登山道とよく似ており、両側が急峻な谷となった尾根道である。 太夫峰の登山道は樹木の間から景色が見える程度であり、ブナも普通の太さのブナが多い。 そうであっても、太夫峰登山には天狗岳や高倉森の登山とは異なる魅力がある。 樹木の間から見える景色は白神山地のみならず日本海が見え、標高が高いことから遠くまで見渡せる感じがする。 太夫峰山頂からの眺望は全開とまではいかず、半開といった感じだ。 北側の展望は一ツ森周辺をはじめ、岩木山などが見える。 南側の展望は樹木の間から得られる程度であるが、天狗岳や追良瀬源流域が見える。 向白神岳も見え、その背後には白神岳が微かに見える。
また、一ツ森峠の近くにはカツラの巨木がある。 そのカツラの巨木と組み合わせると、太夫峰登山の魅力は増すと思う。
太夫峰登山の場合、登山口までの砂利道の距離が短くて済むように白神ラインは日本海側から入るのが一般的である。 青森市街から国道101号線を通って白神ライン入口へは2時間強、白神ライン入口から一ツ森峠へは40分ほどかかる。 白神ライン入口から一ツ森峠の区間は18Kmあり、4Kmほどが砂利道である。 一ツ森峠の西(手前)1Kmの地点には公衆トイレがあるので、ここでトイレを済ましておくのが良い。登山口にはトイレがない。 一ツ森峠の道路標識が見えてくると、道路は下りへ入り、右手に登山口が見えてくる。 登山口から20mほど東側(西目屋村側)へ行くと、車2台ほどが駐車できる駐車スペースがある。 登山口から50mほど西側(岩崎側)へ戻ったところにも駐車スペースがある。こちらの方は脇道を20mほど入ると、車数台分の駐車スペースがある。 ただし、脇道は草藪で埋まっており、車による藪こぎが必要である。
白神ラインの車道から登山道へ入ると、すぐに登山道案内板がある。 登山道は良く整備されており、登山口から1Kmと2.2Kmの地点には距離を示す案内板が立っている。 20分ほど歩くと、木の階段が設けられた急坂が見えてくる。 登山口から1Kmの標柱を介し、階段の区間は2つに分かれている。 階段の急坂を登りきると919mピークに着く。 その後は尾根道のアップ・ダウンが続き、太夫峰の手前になると、一ツ森方面の展望が得られるようになる。 登山口から1時間半から2時間ぐらいで太夫峰山頂(1163.6m)に着く。 太夫峰山頂には石柱の三角点があり、「太夫峰」の山頂プレートも見られる。 数人が座って昼食休憩を取ることができる程度の、小さな山頂広場になっている。
太夫峰(1163.6m)から見て2つ先のピークが吉ガ峰(1175m)であり、太夫峰〜通称「直角峰」〜吉ガ峰といったルートになっている。 2006年の山行では太夫峰から吉ガ峰へは片道30分強かかった。このあたりのことは藪こぎの状態によって大きく左右される。 2012年の山行では太夫峰〜直角峰の区間で藪こぎを強いられ、太夫峰〜直角峰の区間だけで25分ほどかかった。 直角峰(1163m)は白神山地の最高峰・向白神岳(1243m)の撮影ポイントになっている。具体的には直角峰頂上から吉ガ峰へ向かって少し下ったあたりが撮影に適している。 向白神岳撮影ポイントを過ぎると、やせ尾根に着いた踏み跡を探しながら進むことになり、緊張を強いられる。 崖のような急峻な斜面を見下ろし、滑り落ちないように潅木につかまりながら、草や潅木をかき分けて踏み跡を探す。 そのような難路が20分ほど続く。 直角峰〜吉ガ峰の区間を危険と感じるかどうかは人によって異なると思うが、一般的な登山道ではないことはハッキリしている。
白神ラインを一ツ森峠から西目屋村側(東側)へ1Kmほど行くと、一ツ森林道がある。 その入口から徒歩で3、4分進むと、林道の右手側急斜面にカツラの巨木が見えてくる。 滑りやすい急斜面を10mほど登ると、巨木のところに着く。 根元から枝分かれした巨木であり、巨木をランク付けする際に用いられる幹の太さを素人の私が表現することは困難である。 ウェブサイト「日本の巨樹・巨木」によると、幹周15.9m、推定樹高30m、推定樹齢500年で、日本最大クラスのカツラである。
てんぐだけ
957.6m
世界自然遺産・白神山地の核心地域に広がるブナ原生林を山頂から見渡すことができる数少ない山の一つが天狗岳である。 東北百名山に選ばれている。 山頂からの眺望が雄大だけではなく、登山口から山頂までの尾根道における景色も良い。 赤石川と追良瀬川との間のやせ尾根に登山道がついているので、急峻な谷と切り立った山々が見え、白神山地の雄大さを実感できる。 白神山地の「展望コース」または「天空コース」と名づけたくなるような登山道である。 ときどきサルの鳴き声が聞こえ、そのような音響効果が加わることで、このコースをさらに印象深いものにしてくれる。 サルの鳴き声が聞こえなくても、太いブナの幹に付けられたクマのツメ跡は常に見ることができる。
登山口は白神山地を東西に横断する白神ライン(旧弘西林道)の天狗峠にある。 青森市街からアクアグリーンビレッジ暗門(暗門の滝への入り口)までは車で1時間半強かかる。 そこから砂利道の白神ラインとなり、アクアグリーンビレッジ暗門から1時間10分ほどで天狗峠に着く。 峠などの一部が舗装されているが、現在のところ白神ラインの実態は林道に近いものであり、1時間強の砂利道運転は長く感じる。
天狗峠へ行く道路としては、東側のアクアグリーンビレッジ暗門から白神ラインに入るルート、日本海側から白神ラインに入るルート、 北側のくろくまの滝から入るルートがある。 現在のところ、いずれのルートも砂利道運転が1時間弱から1時間強つづく。
天狗峠の登山口には車十数台ほどが駐車できるスペースが設けられている。トイレはない。 登山口には天狗岳まで5.154Kmの標柱が立っている。 白神ラインの車道から登山道へ入ったところには白神山地の登山案内板が立っている。 登山道は尾根に沿ったブナ林の中に設けられ、小さいアップダウンがある程度である。 この辺は快調に進み、登山口から30分ほどでノズの沢源頭の崩壊地(ノズの赤タクレ)を通過する。 道肩の一方が崩れ落ちて崖となっているところが2カ所あり、それぞれ数メートルの長さがある。 いずれの崩壊地にも工事用ロープが張られているので、それを利用して進む。 天狗岳まで何Kmといった標柱が0.5Km間隔で立っている。 やせ尾根に沿った山道であるが、周りがブナ林で囲まれているので、普通の尾根道を歩いている感じである。 とは言うものの視界が開けた場所では両側が急峻な谷であることを実感する。 そのようなところでは急峻な谷の向こう側に切り立った山々が見え、雄大な風景が広がっている。 登山口から1時間ほどで天狗岳まで2Kmの標柱のところに着く。 ここから岩木山がよく見える。さらに前方の右手には天狗岳が見える。 そこから30分ほどで天狗岳まで1Kmの標柱のところに着く。 この辺から山頂部への登りとなり、尾根道を歩くようなペースとはいかなくなる。 1Kmの標柱から30分強で天狗岳山頂(957.6m)に着く。 登山口から山頂までは2時間から2時間半ほどかかる。
山頂は数人が休憩できる程度の広さがあり、その南西側が開けており、正面にV字谷の追良瀬川源流域が見える。 左手にはゆるやかなU字谷となった赤石川源流域が見える。 右手には白神山地の最高峰・向白神岳(1243m)が見え、その稜線を南に辿っていた先には白神岳(1231.9m)が少し見える。 山頂からの眺望は雄大の一言である。 白神岳山頂からの眺望も悪くはないが、天狗岳山頂からの眺望は「世界自然遺産・白神山地」を実感できる。
天狗岳については夏と秋に訪れた。 いずれの場合も、天狗峠への1時間強の砂利道運転は長く感じ、尾根道からの眺望は雄大であると感じた。 夏に来たときはサルの鳴き声が聞こえたが、秋は肌寒い日であり、サルの鳴き声は聞こえなかった。
赤石堰堤から登ってきて尾根道と合流するルートが2つあった。 いまは通る人がいなくなり、藪化している。 一つは根深誠 『分県登山ガイド(1)青森県の山』 で紹介されていた天狗岳への登山ルートである。 天狗岳まで2Kmの標柱(759mピーク)のところを過ぎ、次の小ピークを越えた下り坂のところで尾根道と合流する。 その分岐点は見分けがつかないほど藪化していた。 別のルートは848.9mピークのところで尾根道と合流する電力関連の歩道である。 その分岐点は天狗峠側から坂道を登ってきて尾根道が直角状に曲がっている場所にあり、そこの曲がり角には天狗岳の方向と天狗峠の方向を示す環境庁の標柱が立っている。 こちらの分岐点も見分けがつかないほど藪化していた。
くしいしやま
764.4m
櫛石山は赤石川の右岸に位置し、その赤石川側の山腹には「クマゲラの森」として知られているブナ林が広がっている。 白神ラインの赤石大橋へ向かい、そこの右岸にある奥赤石川林道入口の駐車場に駐車する。 林道入口にはゲートがあり、一般の車は入れないようになっている。 奥赤石川林道を歩くこと約11Km、3時間ほどで登山口に着く。 登山口は車数台分の広場になっている。
登山口とクマゲラの森との間には、多くの人々が通っていることを物語るハッキリした山道が延びている。 この山道は櫛石山の南尾根、標高730mぐらいで山越えの峠になっっている。 この峠から櫛石山頂上へは20分ぐらいの藪こぎが続く。 踏み跡が見えたり消えたりするが、その道筋は尾根の背に沿って延びている。 櫛石山頂上からの展望は得られない。
登山口からクマゲラの森へは上に示すコースを取り、1時間ほどで着く。 標高580mぐらいのT字路分岐では、ヤナダキ沢からクマゲラの森経由で赤石川へ至るルートと合流する。 そのT字路分岐から踏み跡を辿って赤石川側へ下り始める。その辺りのブナ林が「クマゲラの森」と呼ばれている。 風当たりが弱い地形のため、真っ直ぐに成長した太いブナが多い。そのようなブナの木にクマゲラは巣穴を作ると聞いている。 現在も使用しているかどうか分からないが、クマゲラの営巣木が複数カ所で見られる。 クマゲラの森の中心部を通り過ぎ、標高490mぐらいまで下ると、湧き水が流れ出している沢がある。 おいしい湧水である。
クマゲラの森から赤石川へ向かう場合は次のようになる。 標高490mぐらいの湧き水ところから沢を辿って赤石川へ向かう。 標高435mまで下ると、沢を辿るルートと、右岸の踏み跡を辿るルートとが分岐している。そこは沢がゴルジュ的な地形となる地点でもある。 この沢の分岐において右岸の踏み跡を辿ると、沢から大きく離れるようになり、やがて赤石川へ出る。そこにはテント場適地がある。 一方、沢を辿るルートを進むと、赤石川本流・滝川の合流地点「下二又」の近くに出る。 下二又から本流を400mほど遡行したあたりにはテント場適地がある。 その他にもテント場適地が下二又周辺には点在している。 このあたりまで来る場合は、日帰り山行は無理であるから、1泊する必要がある。
みにしらかみ
標高300mぐらいの山間部
ミニ白神は世界自然遺産白神山地と同様な環境をもつブナ林観察園やブナ林散策ゾーンと呼ぶべき商業施設である。 藩政時代には禁伐採として地元の人々に大切に守られてきた山域にあり、樹齢200年を超えるブナが見られる。 施設内には総合案内休憩所「くろもり館」があり、遊歩道は1.1Kmの内回りコースと2.2Kmの外回りコースとがある。
観光スポットの位置関係でみれば、ミニ白神は嶽温泉郷と種里城跡との間の山間部に位置している。 県道3号線を嶽温泉郷から鰺ガ沢方面へ向かった場合は、中村川への坂道を下ったところのに、種里城跡へ向う舗装道路が分岐している。 その交差点にはミニ白神の案内標識がある。その交差点から2.5Kmぐらいでミニ白神へ入る脇道が見えてくる。そこには入口標識がある。
県道3号線・松代の交差点からミニ白神への道路は、冬季閉鎖の対象になっており、12月上旬から4月中旬まで閉鎖されている。
しかりがだけ
730.8m
然ガ岳(然ヶ岳)は赤石川を挟んで熊ノ湯温泉の対岸に位置する。 ナデシコ科のアオモリマンテマという珍しい植物が生育していることで知られている。 クマベルが必要な山域である。 登山のための整備された登山道はないが、登り口から尾根鞍部までは林業作業道を辿り、尾根鞍部から山頂へはハッキリとした踏み跡を辿る。
「仙峨(けわしき)の景」の標識があるところの橋を渡って林道へ入る。 林道を2.5Kmほど進んだところ、標高280mぐらいの平坦地形において、左手に林業作業道を見つける。 その入口には「然ヶ岳登山口」と書かれた紙が入ったペットボトルが木に取り付けられている。 登り口の脇には車を駐車するスペースがある。 作業道は然ガ岳山頂から南東へ延びている尾根を標高510mの鞍部で越え、奥地へ延びている。 杉植林地とブナ・ミズナラ混交林を交互に通る感じで鞍部へ向かっている作業道を辿る。 作業道には赤テープの目印が見られる。 登山口から35分ぐらいで急登となり、標高510mの鞍部に着く。
作業道でも見られたが、これから登る尾根筋にも赤テープの目印が見られる。 ハッキリした踏み跡が尾根に延びている。 そのような踏み跡を辿り、ブナ林で覆われた尾根を進む。 鞍部から1時間、登山口から1時間40分ぐらいで山頂(730.8m)に着く。 山頂は数人が座れる程度の広場になっており、その中央には三角点がある。 「然ヶ岳」のプレートが樹木に付けられている。 山頂からは岩木山方面の眺望がえられる。
くろくまの滝は落差85m、幅15mの大滝であり、日本の滝百選に選定されている。 近くには第2の滝(落差30mぐらい)や第3の滝(落差30mぐらい)がある。 これら3つの滝を巡るように周回式の遊歩道(2.5Km)が設けられている。 遊歩道の出入口には広い駐車場やトイレがある。
滝の名については、巨大な熊が立っている姿に似ていることから、「くろくまの滝」と呼ばれるようになったとの説がある。
白神ラインの赤石大橋付近に位置するブナ林であり、過去に施業した形跡がなく、樹齢180年の良好なブナ林が広がっている。 日本海型ブナの遺伝資源の保存を目的に昭和63年に林野庁から「保存林」に設定された。 全長1.6Kmの遊歩道が一周する形で設けられており、1時間ぐらいで回れる。
たかくらもり
829m
高倉森の稜線に設けられた自然観察歩道は、アクアグリーンビレッジ暗門(暗門の滝への入り口)を基点として比較的手軽に白神山地を歩いてみたい場合に適している。 それはアップダウンの少ない尾根道に沿ったブナ林の森林浴となる。 ブナの巨木「マザーツリー」も、このコースの見どころである。 それは幹周4.65m、樹高30m、推定樹齢400年のブナであり、藤里町の400年ブナと並んで白神山地で最も古いと考えられている。 マザーツリーは津軽峠から2、3分のところにある。 一方、コース全般について言えば、ところどころで東側の展望が得られ岩木山や津軽平野が見えるが、西側の展望がほとんど得られず、白神山地の山並みを眺望することはできない。 展望という点では天狗岳にかなわない。 しかし、ブナ林の観察歩道としては良いと思う。 津軽山地などで見るブナよりも太いブナをあちらこちらで見かける。
青森市街からアクアグリーンビレッジ暗門までは車で1時間半強かかる。 そこからバス(弘南バス)に乗って白神ライン(旧弘西林道)の津軽峠に行き、峠の登山口からスタートするのが一般的のようだ。 津軽峠には駐車場と公衆トイレがある。 登山口から270mでマザーツリーに着き、マザーツリーを見てから登山口まで戻り、そこから自然観察歩道を歩き始める。
多少のアップダウンがあるが、稜線上の歩道であるから快調に歩くことができる。 津軽峠の登山口から45分ほどで高倉森山頂(829m)に着く。 山頂からは眺望が得られず、山頂という感じがしない。 高倉森山頂から15分ほどで展望所に着く。岩木山を含め、東側の展望が得られる。 展望所から20、30mで稜線の南端ピークとなる。 マタギの呼び方では、このピーク(820mぐらい)がタカクラノボッチとなり、高倉森山頂(829m)の方がナカクラノボッチとなる。
タカクラノボッチからはロープが張られてた急坂が200mぐらい続く。 その途中には高倉森の崩壊斜面と岩木山との両方を眺望することのできる場所がある。 そこは南東側も少し開けており、白神山地の山並みが部分的に見える。 ロープのところを過ぎても急坂が続き、標高470mぐらいでミズナラの巨木が現れる。 標高439mの小ピークのところでは歩道が平坦となるが、そこを乗越えると再び急坂となる。 急坂を下っていくと、やがて登山口(230m)に着く。 津軽峠からアクアグリーンビレッジ暗門へは昼食時間を含め3時間ほどかかる。
以下はアクアグリーンビレッジ暗門の登山口(230m)からスタートする場合の話になる。 登山口は暗門大橋を過ぎてアクアグリーンビレッジ暗門へ入るところの尾根斜面にある。 最初から急登であり、基本的には急登がタカクラノボッチ(820m)まで続き、2時間ぐらいでタカクラノボッチに着く。 タカクラノボッチからは稜線上の平坦な歩道を辿り、1時間ぐらいで津軽峠に着く。
高倉森の登山口となる津軽峠にあり、白神ラインに沿って延びた約2Kmの散策路である。白神ラインからの出入口は3カ所あり、それぞれに駐車場がある。全行程を往復すると、約4Kmの散策になる。
らんがんのもり
884.8m
あんもんのたき
暗門の滝は白神山地を代表する景勝地であり、新緑のころから紅葉が終わるころまで、多くの観光客が訪れる。 また暗門川の右岸には「ブナ林散策道コース」が設けられており、ブナ林を1時間ほどで散策できる。
暗門大橋(アクアグリーンビレッジ暗門)から出発し、両側が絶壁となったV字谷を進むと、切り立った岩からなる暗い廊下のようになってくる。 「暗門」という名がピッタリする峡谷である。 暗門川沿いの歩道を暗門の滝へ向かって歩き、暗門大橋から30分ほどで暗門川と横倉沢との合流点を通過する。 樋に流木が詰まったような険谷・赤樋の沢が左手に見えてくると、目の前に第三の滝が現れる。 暗門大橋から40分ほどで第三の滝(落差26m)に着く。 左岸の絶壁に設けられた階段を登り、第三の滝の落口を見てから第二の滝へ向かう。 第三の滝から5分ぐらいで第二の滝(落差37m)に着く。 第二の滝を左岸から巻くようにして絶壁の階段を登り、岩のトンネルを通過したところで第二の滝の落口を見る。 ますます狭くなった岩の廊下を通り、第二の滝から10分ほどで最奥の第一の滝(落差42m)に着く。
暗門の滝と高倉森とは隣同士にあり、どちらも起点となるのはアクアグリーンビレッジ暗門である。 したがって高倉森と暗門の滝との双方を1日または2日で訪れることも考えられる。 アクアグリーンビレッジ暗門にはキャンプ場を含む宿泊施設がある。
滝の写真と共に歩道の情報も含まれている。
上のウェブページに比べて歩道情報が少ない。
江戸時代の紀行家・菅江真澄が暗門の滝を訪れた当時、暗門の滝は「もろ(毛呂)滝」や「安門のもろ滝」とも呼ばれていた。 ふたつの急流が合流して落ちる滝を「もろ滝」という。 ふたつの急流とは西股沢と妙師崎沢のことであり、西股沢は布懸(フカケ)沢、妙師崎沢は岡伊知古(オカイチコ)沢と呼ばれていた。 その当時、暗門の滝を訪れるには金山沢や柴倉沢から山腹を巻き、そしてもろ滝見台など、高い尾根から暗門の滝を眺めていた。 当然のことながら、その当時は川に沿った遊歩道はなかった。
多段になった滝の呼び方は、下流から上流に向かって第一の滝、第二の滝、第三の滝と呼ぶのが普通である。 ところが暗門の滝では上流から下流に向かって第一の滝、第二の滝、第三の滝と呼ばれている。 このような呼び方については次の二つの説がある。 第一の説は材木を川に流して運搬することに関わる。その昔、木こりは杣道を辿って暗門滝の上流へ入り、ブナを切って川に流していた。 そのような運搬手順の関係から、最も上流側の滝が第一の滝と呼ばれるようになったとする説である。 一方、第二の説は高い尾根から滝を眺めることに基づく。その昔、人々は高い尾根から暗門の滝を眺めていた。 多段になった滝を遠くの尾根から眺める状況では、上から順番に一の滝、ニの滝、三の滝と呼ぶのが自然であるとする説である。
ふなぎのてのぼっち
763.8m
観光客が去った観光シーズン後のある日、予定していた山行が午前中に終わったので、アクアグリーンビレッジ暗門の駐車場で遅い昼食を取り、午後は暗門川右岸のブナ林散策道を歩いた。 散策道の最高地点近くで林道跡らしき脇道が見えたので、少し分け入ると、シダ類が生えた平坦な場所に比較的大きなカツラの木があった。 そこから尾根が近くに見えるので登てみると、分水嶺となっている尾根には微かに踏み跡があった。 踏み跡は「フナギノテノボッチ」と呼ばれるピークへ繋がっているようだ。 地図では散策道の背後にある三角点のある山がフナギノテノボッチ(763.8m)である。 文献によっては「吉井戸」と記されている場合もある。 機会があれば登ってみよう。
はっぽうがだけ
783m
アクアグリーンビレッジ暗門の近くで、踏み跡程度であったとしても道筋が山頂まで延びており、比較的登りやすいと思われる山として八方ガ岳((八方ヶ岳 783m)を選んでみた。 道筋は大割沢の隣の尾根に沿って着いており、小さな平坦部を経て山頂部の急登となる。 やがて雨量観測所に着き、そこで道筋が消えていた。 登りの道筋に沿って危険な場所はないが、道筋が所々で不鮮明になっている。 特に下山のときは、どちらが本来の道筋であるのか考えるようなところが数カ所ある。 よく見れば本来の道筋はすぐに分かる。
登山口があると思えないようなところに八方ガ岳への登山口(取り付き地点)がある。 まず、西目屋村側からアクアグリーンビレッジ暗門へ向かい、アクアグリーンビレッジ暗門まで2Kmの標識を見てから小割沢橋を渡る。 2Kmの標識から2番目の橋・細沢橋を渡ったところで駐車する。 細沢橋は小割沢橋と大割沢橋との間にある長さ10mほどの小さい橋である。 大割沢橋から300mほど西目屋村側にある。 細沢橋を渡ったところには車2台ほどが駐車できるスペースが道路の右側(谷側)にある。 細沢橋を渡ったところにある護岸コンクリート壁と山斜面との隙間が八方ガ岳への登山口(取り付き地点)である。 似たような護岸コンクリート壁が多くあるので、間違えないようにする必要がある。 コンクリート壁と山斜面との隙間は下草が生え、踏み跡があるのかどうかも不明であるが、20mほど進むと「落石注意」の標識がコンクリート壁に取り付けられており、そこのところの山斜面に踏み跡が見える。 踏み跡を辿って尾根を登りはじめる。
登山口に近い下部では下草や倒木などで道筋が不鮮明なところがあるが、尾根に沿って道筋が着いているので、尾根の背に沿って登れば道筋が見つかる。 登山口から20分も登れば道筋がハッキリしてくるし、赤ペンキが塗られたブナも見えてくる。 このあたりから人通りの少ない登山道なみの山道が続き、ブナ林の中を尾根に沿って緩く登って行く。 右手下方に大割沢が見えるので、大割沢の隣の尾根に沿って登っていることが理解できる。 1時間ほど登ると平坦な地形(肩)のところとなり、そこから山頂への急坂となる。 肩のところから30分ほど登ると山頂に近い感じになり、突然目の前に建造物が現れた。 それは青森県の八方ガ岳雨量観測所であり、隣には鉄塔が建っていている。 その広場からは岩木山や美山湖(ダム湖)が見える。 広場は背丈の高い下草が生え、昼食休憩には適していない。
下に示す白神山地入山指定ルート位置図によると、稜線に沿って指定ルートが南へ延びているはずであるので、続きの道筋を探す。 雨量観測所の南側は笹藪になっており、その近辺の範囲で探したが、続きの道筋が見つからない。 登山としては不完全燃焼のような感じであるが、道筋が見つからないからどうすることもできず、下山することにする。 登りのときに感じなかったが、下山のときにはどちらが本来の道筋であるのか考えるようなところが数カ所であった。 よく見ると本来の道筋はすぐに見つかる。 樹木の間から舗装道路が見えるほどに登山口の近くなってからは小さい沢筋に沿って下り、先の落石注意の標識のところに出る。 1時間ほどで下山する。
登山後に気づいたことであるが、アクアグリーンビレッジ暗門から八方ガ岳がよく見える。 山道が着いている尾根の様子も良く分かる。 したがってアクアグリーンビレッジ暗門から八方ガ岳の山容を見てから八方ガ岳へ登ることも考えられる。
残雪期に八方ガ岳を含む稜線を歩いたときに気づいたことであるが、雨量観測所から南へ200mほど進むと八方ガ岳山頂(783m)がある。
なべくらもり
884.5m
アクアグリーンビレッジ暗門の近くで、踏み跡程度であったとしても道筋が山頂まで延びており、比較的登りやすいと思われる山として鍋倉森(884.5m)を選んでみた。 登山の山として認知されていないためか、登山標識は皆無であった。 登り2時間のうち、後半の1時間は踏み跡のような山道になる。 ハッキリとした踏み跡のところがほとんどであるが、踏み跡を探すようなところもある。 下山のときはコースから外れたことに気づき、踏み跡がハッキリしているところまで戻り、再び踏み跡を探すようなことがあった。 したがって現在のところは一般的な登山道ではない。 展望は登山途中でも山頂でも得られない。 しかし、後で述べるようなカツラの巨木が見られること、交通の便がよいこと等を考えると、ポピュラーになりうる可能性を秘めた山である。
駐車する場所は大川林道(青秋林道)の終点になる。 西目屋村からアクアグリーンビレッジ暗門へ向かい、ANMONまであと4Kmの案内板が立っているところから大川林道(青秋林道)へ入る。 大川に沿った林道を5Km、12分ほど進むと終点となり、そこには車十台ほどが駐車できる広場があり、白神山地の案内板などが立っている。 青森市街から大川林道終点へは車で1時間45分ほどかかる。
林道終点からは2本の歩道が延びており、一方は林道の延長方向へ延び、他方は大川へ下る。 大川へ下る右側の歩道を進む。 大川へ下るところでは小規模な崩壊地の隣を通り、数分で大川の川原に降り立つ。 川原に降り立ったところから見て、対岸となる枝尾根の先端(標高250m)に踏み跡が着いている。 つまり、鍋倉森への登山口(取り付き地点)は先の崩壊地と向き合うような位置にある。 大川を長靴で渡り、枝尾根に沿って踏み跡を登りはじめる。 登り始めの部分では下草が少なく、道筋は普通の登山道なみにハッキリとしている。
登りはじめて30分ぐらいで小さい鞍部のような地形のところに着き、左の方向(南側)のすぐ近くにカツラの巨木2本が見える。 巨木を左に見ながら急斜面を斜登して枝尾根の背にでる。 地図に記載されている494mピークあたりと思われる。 ここから鍋倉森と思われるピークが見える。 地図とコンパスで鍋倉森山頂の方向を確認し、尾根道を登る。 10分ほどで急峻な谷を見下ろす鞍部となり、さらに20分ほどで一瞬山頂かと思われる平坦な場所にでる。 ここで二つの枝尾根が出合い、山頂へ至る主尾根となっているようだ。 地図上では主尾根から枝尾根がY字状に分岐している地点である。 ここまではハッキリとした踏み跡である。 その先は不鮮明なところが出てくる。
ハッキリとした踏み跡のところがほとんどであるが、ところどころで踏み跡が不鮮明となり、道筋を探すことが複数回あった。 特に小さい沢が平行に複数条走っていると思われるところで道筋が不鮮明であった。 このあたりでは帰路のための目印を付けておいた方がよいかも知れない。 主尾根に沿って登り、枝尾根の出合から50分、林道終点から2時間前後で鍋倉森山頂(884.5m)に着く。 山頂には鳥獣保護区の掲示板がある。 展望はまったく得られず、樹間から向白神岳あたりの稜線が微かに見える程度である。
下山のときカツラの巨木のところに寄ってみた。 前述の小さい鞍部のような地形のところに脇道があり、1分か2分で巨木のところに着く。 この二本のカツラが鍋倉森の見どころのような気がした。 一ツ森林道のカツラが日本最大クラスのカツラなら、こちらの方も日本最大クラスのカツラと言ってよいほど貫禄がある。 周りの雰囲気はこちらの方が深山幽谷的である。 登山後に調べた 「日本の巨樹・巨木」によると、二本のカツラのうち、大きい方のは幹周12.8m、樹高35m、推定樹齢500年である。
あおしかだけ
1000.2m
青鹿岳は世界遺産白神山地の核心地域内に位置し、昔から利用されていた青鹿沢から青鹿岳へのルートが白神山地入山指定ルートから外れ、現在のところ青鹿岳は登りにくい山となっている。 青鹿岳に関する昔の登山ルート情報を残しておきたくて、このようなセクションをつくった。
昔から利用されていた青鹿沢から青鹿岳へのルートを便宜上「沢ルート」と呼ぶ。 一方、青鹿岳への入山指定ルートは大川・大滝又沢の合流点から尾根を辿るので「尾根ルート」と呼ぶことにする。
大川林道終点から青鹿岳への往復は12時間ぐらい、鬼の坪までの往復は10時間ぐらいかかる。 鬼の坪は山頂直下の東斜面が急斜面から緩斜面へ変化するカール状地形の、標高820mぐらいの地点にある。 青鹿沢から登り始める地点は、鬼の坪が位置する谷間の左岸尾根あたりになる。 枝尾根または枝沢に沿って登り始めるが、左岸尾根に着いている昔からの踏み跡を見つけるのが良い。 標高700mぐらいになると思われるが、踏み跡を辿って左岸尾根から右岸尾根へ移動する。 右岸尾根へ上がるあたりは笹藪でルートが不鮮明になっている。右岸尾根に上がったところも平坦な地形でルートが不鮮明になっている。 それでも良く探せば踏み跡が見つかる。 それ以降は右岸尾根に沿って山頂を目指す。 踏み跡を辿り標高820mぐらいまで登ったところで、数十メートルほど笹藪を漕いで北へ(谷間の方へ)行く。そこに鬼の坪がある。 鬼の坪の大きさは直径数十メートルほどになろうか。
沢ルートに関する情報は、いろいろな昔の資料を整理して要約したものであり、要約の内容が間違っている可能性がある。 例えば鬼の坪の標高ひとつを取ってみても、(1)780m、(2)800m、(3)820m、(4)820m〜840m、(5)850mといった具合にいろいろな情報がある。 ここでは鬼の坪の標高は820mぐらいとしている。 標高820mあたりまで登ったところで鬼の坪の方向へ笹藪を漕ぎ、鬼の坪を探すことになる。
大川と大滝又沢との合流点を通る機会があり、その中間尾根を登り、指定ルートとなっている「尾根ルート」を下見したことがある。下見した範囲では人が通った形跡がなかった。
大川林道終点から大川右岸に沿って南へ進む山道がある。 歩き始めて5分ほどで支沢・河原沢を渡ると、踏み跡が左右に分かれているT字路分岐になる。 いずれの方向に進むにせよ、事前に山道の全体像を入手しておかないと、行き止まりで折り返すことになる。 このあたりの山道情報を集めてみた。
青鹿岳のセクションでもあることから、ここでは青鹿岳へ向かう山越えルートを簡単に紹介しておこう。 T字路分岐において左へ行き、30分ほど進むと「山道」と書かれた大木に着く。そこから南西方向の鞍部へ登ると、大滝又沢へ抜ける踏み跡が延びている。 この踏み跡は大滝又沢・青鹿沢の合流点近くまで続いており、青鹿岳へ向かう山越えルートになっている。当然のことながら、青鹿岳あたりへ行く場合は沢経由の方が速い。 地図上の道筋については青鹿岳の昔の登山ルート図に描いている。 この山越えルートを探し出す苦労話は、下に示す「暗門周辺の渓谷(1)」に書いている。
追記:この山道を歩いた他人の山行記を見つけ、うれしくなり、このセクション「大川林道終点からの山道」を復活させた。
くどじやま
663m
久渡寺山は弘前市街の南郊外に位置し、登山道は良く整備されており、ハイキングに適した山である。 山麓には津軽三十三観音の第一番札所である久渡寺がある。 さらに弘前市が管理する「こどもの森」があり、子供が自然の中で遊べる施設が備わっている。 登山口のところにはビジターセンターがあり、ふる里の自然について学ぶことができるようになっている。 したがって子供連れでハイキングをするのに適している。 久渡寺山の山頂(663m)からは弘前市街や岩木山を眺望することができる。 別の展望場所は新国見台で、そこからは弘前市街や八甲田連峰が見える。 沢の道ではミニ沢歩きを楽しむことができる。 中腹までは杉が主体で、中腹から上はブナが主体となるが、杉やブナ以外にも様々な樹木が見られ、里山らしい植生である。 ハイキングコースとしては幾らかのコース取りが可能であり、長いものは3時間を越えるハイキングコースになる点がうれしい。 ハイキング後または前に久渡寺境内を散策できる点も良い。
青森市街から久渡寺へは車で1時間半弱かかる。 アップルロードから久渡寺へ至る道に入ると、昔ながらの雰囲気がある家並みが続き、風情のある土蔵や母屋を次から次に見ているうちに久渡寺の駐車場に着く。 久渡寺の駐車場は2つあり、下側の駐車場が大きく、上側の駐車場は20台ほどが駐車できる。 境内手前には大きな案内板があり、ハイキングコースやこどもの森の概要がつかめる。 境内に入ると杉木立の中に長い石段が見えるが、ここは石段の左手にあるビジターセンターの方へ進む。 道があちらこちらで分岐しているので、ビジターセンターでガイドマップをもらってから出発するのが良い。
ビジターセンターからは久渡寺山の山頂部が見える。あそびの森、お弁当広場を通って緩く登っていく。 お弁当広場を過ぎると登山道らしくなり、左が沢になった斜面道を緩く登る。 左に見えていた沢を源頭部近くで横切ると、急登となり、ジグザグに登る。 すぐに山頂に近い感じになり、ビジターセンターから1時間ほどで久渡寺山の山頂(663m)に着く。 山頂には祠や鳥居があり、弘前市街の方面が開けている。 山麓の集落、リンゴ園、弘前市街が見え、その先には津軽平野が広がっている。 心なごむ風景である。岩木山の山頂部も少し見える。 祠の裏手に回ると、白神山地が見える。
山頂からは「太陽の道」と呼ばれる尾根道を歩き、ブナ林などを通って岩落山(573m)を目指す。 一部急坂のところがあるが、落葉樹林帯の尾根道は気持ちよく歩ける。 久渡寺山から岩落山へは700mの道のりを30分ほどで歩くことができる。 岩落山からは次のコースを通ってビジターセンターへ戻ることにする。 岩落山〜立構山分岐〜新国見台〜国見台〜久渡寺〜ビジターセンター。 岩落山を少し下ったところで、お弁当広場へ向かう「カモシカの道」が分岐しているが、ここは引き続き尾根道を進む。 再び急坂のところがあるが、丸太の階段が着いている。 やがて立構山分岐(369m)に着く。 一方はライオン岩へ行くための尾根道で、一時的な措置かどうか不明であるが、ロープが張られ通行止めになっていた。 他方は沢へ下る斜面道で、道筋のハッキリした登山道である。 沢への斜面道を下ると、やがて小さい沢に沿った林道に出る。
ここで林道と別れ、小さい沢へ入り、沢を辿って緩く登る。 この辺りは「沢の道」と呼ばれており、スギ林の中の沢歩きを少しばかり楽しむことができる。 やがて沢から上がって小さい尾根に出る。 ここは三叉路になっており、ミス観音像が立っている。 ここは新国見台の方へ進み、「ナラの道」を緩く登って5分ぐらいで新国見台に着く。 岩落山から新国見台へは40分ぐらいで着く。
新国見台(320m)は展望所になっており、弘前市街や八甲田連峰を眺望することができる。 新国見台を100mほど下ると国見台(285m)になり、さらに100mほど下ると久渡寺境内に入る。 境内には観音堂、鶴亀堂、久渡寺などが建っている。 杉木立の中の長い石段を下ると、出発点となったビジターセンターに着く。
ビジターセンターから直線的に山頂を目指すメインの登山道(久渡寺山登山道)が一般的であるが、編笠林道(正式名は編笠森林道)を経由して山頂を目指す登山道もある。 編笠林道から尾根への取り付き点は2カ所ある。 この尾根は標高500mぐらいで3つの支尾根に分かれているが、最も東側の支尾根には地図に示されている登山道が延びている。 その西隣となる真ん中の支尾根にも登山道が延びている。 これら2本の登山道は標高500mぐらいで合流し、山頂へ向かっている。
かんもり
588m
おびらきやま
508.8m
尾開山は弘前市と大鰐町との間に位置する山で、隣の堂ガ平山と同様に、修験者が駆け巡った山と言われている。 また栗の山としても知られており、多くの栗の木が生い茂っている。 中腹には名水「お茶の水」があり、県指定の「私たちの名水」に選ばれている。 「お茶の水」へは舗装道路が延びており、車で容易にアクセスすることができる。 そこには車数台分の駐車場がある。
尾開山への登山出発点としては2つが考えられる。 ひとつは名水「お茶の水」の駐車場であり、そこから歩いて尾開山直下の登山口へ向かう。 別の出発点は名水「桂清水」の駐車場であり、そこから山越えして尾開山直下の登山口へ向かう。 登山ガイドブックなどで紹介されているのは、名水「お茶の水」側から登るコースである。 少し距離が長くなるが、名水「桂清水」と「お茶の水」を巡りつつ、尾開山へも登る山歩きコースが考えられる。
尾開山には名水「お茶の水」への車道が引き続き標高400mぐらいまで延びている。 その車道終点が登山口となっており、車数台分の広場がある。 山頂へ向かって右側には名水「桂清水」からのコースが着いている。 左側には尾開山頂上への登山道が延びている。 山頂へ向けて出発すると、すぐに登山道が二つに分かれており、二つのコース取りが可能である。 一つのコース取りは直進する形で尾根へ登り、尾根伝いに東ピークを目指す。 別のコース取りは分岐で右へ折れて尾根斜面を斜登し、途中で大木「種栗」を経由し、東西ピークの中間へ至る。 尾開山は2つのピークを持った双耳峰になっており、両ピークは登山道で繋がっている。 東ピークは展望が得られないが、西ピークは阿闍羅山あたりの展望が幾らか得られる。 さらに西ピークは尾開山の標柱や案内板があり、山頂らしい広場になっている。
名水「お茶の水」への道順は、弘南鉄道の石川駅や津軽大沢駅へ向かい、名水「お茶の水」の案内標識に従いつつ、尾開山への車道を進む。 標高230mぐらいで名水「お茶の水」に着く。そこには車数台が駐車できる駐車場がある。 名水「お茶の水」から歩き始めるのが良い。 尾開山直下の登山口まで舗装された車道が延びているが、途中の土砂崩れで登山口へ車で行けない可能性が高い。 その場合は1車線の狭い山道で車をUターンさせるのに苦労することになる。車道の片側は急峻な谷だ。 お茶の水から1.4Kmで車道終点(標高400mぐらい)となり、尾開山直下の登山口に着く。
名水「桂清水」は堂ガ平山の中腹に位置し、県指定の「私たちの名水」に選ばれている。 名水「桂清水」への道順は、弘南鉄道の津軽大沢駅へ向かい、名水「桂清水」の案内標識に従いつつ、大沢川沿いの車道を進む。 標高240mぐらいで名水「桂清水」に着く。そこには車十数台が駐車できるぐらいの広い駐車場がある。 桂清水から0.2Kmほど離れた山斜面には樹齢700年以上と言われる巨木「燈明杉」があるので、立ち寄るのが良い。
桂清水の駐車場から東北自然歩道を辿り、尾開山直下の登山口へ向かう。 桂清水から尾開山直下の登山口へは3Kmある。 このコースは次に紹介するコースの一区間になる。
堂ガ平・尾開山の山域には東北自然歩道「名水と忍者修験道のみち」が13.2Kmにわたって設けられている。 それは名水「桂清水」と「お茶の水」を巡り、さらに尾開山へも登るコース取りになっている。 しかし、東北自然歩道は出発点と終点が異なるので、周回コースとなるように変更するのが良さそうだ。 具体的には津軽大沢駅〜桂清水〜登山口〜尾開山頂上〜登山口〜お茶の水〜津軽大沢駅からなる周回コースである。 この周回コースは14Kmほどになる。
どうがたいさん
496m
堂ガ平山は尾開山の西隣に位置し、名水「桂清水」の駐車場が堂ガ平山への登山口となる。 桂清水から堂ガ平山への登山ルートとしては2つが考えられる。 第1のルートは桂清水のすぐ先の林道分岐において左側の東北自然歩道を辿り、標高360mぐらいの峠から堂ガ平山を目指す。 第2のルートは桂清水のすぐ先の林道分岐において右側の古い林道を進むことから始まる。 詳しくは下に示す「IWAKIYAMAの登山口案内」を参照。
第1のルートは次のようになっている。 稜線の峠から尾根伝いに登っていく。 人が通った形跡が見られるものの、踏み跡と呼べないほどの「道筋」が続いている。 そのような尾根筋に沿って藪漕ぎを30分ぐらい続けると山頂に着いた。 山頂はミズナラなどの広葉樹が生い茂り、展望は全く得られない。 山頂では登ってきたルートの反対側を見たが、似たり寄ったりの「道筋」が続いていた。
あじゃらやま
709m
大鰐スキー場となっている山である。 山頂には山頂公園があり、阿闍羅山大権現が祀られている。 山頂からは大鰐温泉街や八甲田連峰が眺望できる。
山麓の茶臼山公園では5月中旬〜下旬にかけてツツジが咲き乱れるので、そのころに阿闍羅山を訪れることも考えられる。
いろいろな地点からスタートすることが考えられるが、山頂近くのゴルフ場駐車場から出発するコースが登山ガイドブックなどで紹介されている。 その場合は青森ロイヤルホテルとゴルフ場オフィスとの間を通り、ゴルフ場の中に延びている舗装道路を辿る。 舗装道路の峠を越えて緩やかな下りに入ると、ゴルフ場の最奥に来た感じになる。 ゴルフ場を通過した直後に、左手へ入る車道が現れる。ここは左折して車道を進む。 すぐにゴルフ場脇を進むようになり、右手に三番休みが見え、やがてゴルフ場と分かれる。車道は山頂まで延びており、山頂駐車場に着く。 スキー場リフトの終点にもなっている。 山頂駐車場から山頂公園へ入り、最奥へ進むと阿闍羅山大権現の小社がある。 山頂公園は平坦な草地になっており、東屋やベンチ、阿闍羅山の説明板、東北自然歩道の案内板などがある。
次のようなコースも考えられる。 大鰐野営場(キャンプ場)〜山道〜阿闍羅山頂上。 キャンプ場から阿闍羅山への道筋は途中で消滅しているようだ。
さらに別のコース取りとしては、阿闍羅山東側の苦木集落から東北自然歩道を辿って阿闍羅山へ登ることが考えられる。 この東北自然歩道は「阿闍羅行者修行のみち」と呼ばれ、次のようなコース取りになっている。 JR長峰駅〜苦木観音橋〜苦木長谷観音堂〜大鰐野営場(キャンプ場)〜あじゃら山頂〜お花畑〜若松会館〜月見橋〜茶臼山公園〜JR大鰐温泉駅。 ただし、東北自然歩道が大高森の周囲を通るあたりでは草藪になっている。 したがって東北自然歩道を辿って阿闍羅山へ登る場合は、キャンプ場から出発することが考えられる。
先の東北自然歩道を利用し、次のような周回ルートも考えられる。 唐牛集落〜車道〜山道〜阿闍羅山〜東北自然歩道〜苦木集落〜車道〜唐牛集落。 東北自然歩道の方はハッキリとした道筋と思われるのに対し、唐牛集落から阿闍羅山への山道については情報がない。 そういった意味から、唐牛集落から阿闍羅山への山道を登りにすることが考えられる。
東北自然歩道「阿闍羅行者修行のみち」が阿闍羅山登山を含む形で設定されている。 2011年9月の山行では大高森の東側において道筋が草藪で塞がっていた。
いしのとう
500m
石の塔は青森・秋田の県境となる尾根から突出した巨岩であり、高さ約27m、周囲約50mと極めて巨大である。 登山口への道順は、大鰐温泉から虹貝川に沿って早瀬野ダムへ向うことから始まる。 要所要所に石の塔の案内標識が出てくるので、標識に従って進む。 早瀬野ダムの上流、「石の塔 直進4Km 」の標識を通過すると、砂利道へ入る。 その後は案内標識を見かけなくなるが、直進する形で早瀬野林道を進む。 やがて登山口に着く。広い駐車広場、大きな赤い鳥居、石の塔の案内板などがある。
登山口では鉄橋を渡って林道へ出る。その林道を5分ほど進むと、枝沢へ入り、引き続き林道を進む。 登山口から15分ほど歩くと堰堤のところに着き、林道が終わっている。 しかし、堰堤の右岸に登山道が延びており、尾根をジグザグに登り始める。 登山口から30分ほど、堰堤から15分ほどで石の塔に着く。
やたてとうげ
290mぐらい
秋田・青森の県境にある矢立峠を越える昔の羽州街道が「歴史の道百選」に選定されている。 矢立峠を越える羽州街道は、江戸期に造られた古街道と、明治10年に造られた明治新道(旧街道とも呼ばれる)との2本があり、周回コースとなっている。 片道4Kmほどあり、周回すれば8Kmほどになる。 矢立峠周辺の羽州街道は保存整備されており、「矢立峠歴史の道」と呼ばれている。 そして矢立峠歴史の道は「歴史の道百選」において「羽州街道―矢立峠越」として選定された区間の一部になっている。
矢立峠歴史の道を歩く場合の出発点は、道の駅「やたて峠」(矢立ハイツ)が良い。 道の駅に駐車し、遊歩道を辿り、伊能忠敬測量隊記念標が立っている古街道の途中へ出る。 または道の駅から矢立杉へ向かい、矢立杉がある古街道の途中に出る。 伊能忠敬測量隊記念標、矢立杉のいずれにせよ、古街道へ出た地点から周回コースを歩き始める。 矢立峠歴史の道は杉林のところが多く、落葉樹の山歩きといった華やかさはないが、歴史的な見どころが点在している。
1日かけて羽州街道を歩く場合の関連情報が含まれている。
イサベラ・バードは1831年生まれのイギリス女性旅行家。1878年、47歳のときに日本を訪れ、東北・北海道を旅行して『日本奥地紀行』を記した。 ここ矢立峠を越え、碇ガ関、黒石、中野紅葉山へと旅行している。 黒石では「美しく絵のようなねぷた祭り」に出合い、中野紅葉山については「遠く旅をしてやって来る価値が充分にある」と記している。
じんきちもり
800.3m
甚吉森は青森・秋田の県境に位置し、「白神・矢立登山道」と呼ばれる縦走路の北端になっている。 出発点としては日景温泉が一般的であるが、道の駅「やたて峠」、湯の沢温泉、矢立温泉から出発することも考えられる。 いずれの出発点であっても、矢立遊歩道を辿り、標高350mの甚吉森登山口へ向かう。この登山口には「甚吉森2.5Km」の登山道標柱が立っている。 ところどころで急坂があるが、普通の登山道が山頂まで延びている。標高650mぐらいまではスギ林、それからブナ林になる。 甚吉森の山頂は広い草地広場になっている。しかし、周囲の潅木や笹薮で展望は得られない。
南隣の774mピークまで足を延ばせば、刈り払いされた山頂があり、白神・矢立登山道の山並みが眺望できる。 甚吉森と774mピークとの間には標高差100mぐらいのアップダウンがあり、片道40分ぐらいかかる感じだ(時間を記録していなかった)。
しらかみ・やたて
白神・矢立登山道は、青森・秋田の県境に位置する縦走路であり、甚吉森(800m)〜大日影山(おおひかげやま、820m)〜角山(804m)〜縫戸山(おりとやま、769m)を巡る。 全長14Kmほどあり、9時間ほどで歩けるようだ。 距離の内訳は次のようになっている。 甚吉森登山口〜2.5Km〜甚吉森〜3.5Km〜大日影山〜5.6Km〜縫戸山〜2.5Km〜南沢林道登山口。
縦走路の北端には甚吉森が位置し、その登山道情報は「甚吉森」セクションに記載している。 一方、縦走路の南端には縫戸山が位置し、その登山口としては南沢登山口と山瀬ダム分岐登山口との2カ所がある。 南沢登山口は堰堤のところにあり、南沢林道には登山口の看板がある。 南沢を横切り、堰堤左岸の枝沢へ入ったところに尾根への登り口があるようだ。南沢登山口から縫戸山へは2.5Kmあり、1時間半ほどかかる。 山瀬ダム分岐登山口は縫戸山から南へ延びた尾根にある。その尾根の422mピークあたりに陣内林道が横切っているが、そこの峠に登山口がある。 山瀬ダム分岐登山口から縫戸山へは2.3Kmあり、1時間半ほどかかる。
さらに幾らかの登山口があるが、ここでは大日影山(820m)に最も近い登山口を紹介しておこう。 国道7号線から矢立林道へ入り、4Kmほど進んだところで北の又林道へ入る。北の又林道を1Kmぐらい進むと、車止めゲートがあり、そこが登山口(標高340m)になる。 登山口から大日影山へは3Kmぐらいあり、2時間ぐらいで登れる。
白神・矢立登山道は、大館市民グループ「矢立自然友の会」によって2000年代に切り開かれた。 そして大館市役所が登山道情報を提供している。
しろいわしんりんこうえん
456m(山頂)
白岩森林公園は弘前市の東側となる平川市の丘陵地帯に位置している。 景勝地・白岩の公園として知られているが、「登山の山」としてもっと評価されても良いように思う。 管理棟から標高456mの展望台へは、距離4.2Km、時間にして1時間半かかり、ハイキングというよりも「山歩き」になる。東コースと西コースを利用して一周すると、3時間ぐらいかかる。しかも登山道はよく整備されている。 全域が落葉広葉樹林で覆われ、一部ではブナ林が見られるし、ミズナラの大木もある。登山の目玉が景勝地・白岩であることに変わりはないが。
しがぼうしんりんこうえん
300mぐらい(管理棟)
志賀坊森林公園は高台から岩木山や津軽平野が眺望できる公園として知られている。 白岩森林公園の南隣に位置している。
やすてやま
564m
しろじやま
1034m
白地山(しろじやま)は十和田湖の西隣に位置し、十和田湖外輪山の山並みの中では十和利山と共に東北百名山に選ばれている。 青森県・秋田県の県境に広がる高層湿原の小高い一角が山頂になっている。 山頂(1034m)は少し秋田県内に入った高層湿原の西側にあり、山頂からは十和田湖を眺望をすることができない。 20分ほど歩いて高層湿原の東側へ移動すると、十和田湖を眺望することができる。 白地湿原は湿原と言うよりも草原に近い感じであり、高山直物の群落を見ることはできない。 少ないながらも、その時々の高山植物を楽しむことができる。
白地山への登山口は、鉛山峠登山口(南東側)、鉛山登山口(南東側)、大川岱登山口(東側)、長引登山口(南側)、久吉林道登山口(西側)など、数多くある。 最もポピュラーなコースは鉛山峠登山口(825m)からスタートする中小屋コースである。 このコースは人々に利用される次のような条件を備えている。 主要道路に登山口があり登山口へのアクセスが容易であること、 ところどころで十和田湖を眺望しながら比較的平坦な登山道を歩くこと、 藪こぎをするようなところもなく登山道が良く整備されていること、 片道2時間半ほどで日帰りの山行として適度であること、等々。
大川岱登山口からのコースは、標高997mの展望所分岐まで展望が得られないものの、藪漕ぎをするようなこともなく、比較的よい登山道が続いている。 十和田湖畔の大川岱に登山口があるので、登山口へのアクセスも良い。
一方、あまり利用されていない久吉林道登山口からのコースの方は、 登山口へのアクセスが容易でないこと、 草藪の区間があること等、それなりの理由がある。 したがって初めて白地山を訪れるのであれば、鉛山峠登山口からのコースを利用するのが良い。
鉛山峠登山口は大館・十和田湖線と呼ばれる主要道路にあり、車10台ほどが駐車できる大きな駐車場がある。そこには登山道案内板が立っており、白地山へ7.3Kmを示す標柱も立っている。 登山道は石段からなる区間から始まるが、すぐに平坦な普通の登山道になってくる。そうすると十和田湖が見える場所が現われてくる。 鉛山分岐を通過し、登山口から30分ほどで「白雲亭」と呼ばれる展望所に着く。白雲亭展望所は確かに十和田湖の展望に適した場所である。 その後も小さいアップダウンを繰り返して比較的平坦な登山道を辿る。 鉛山峠登山口から1時間ほどでミソナゲ峠を通過し、さらに1時間ほどで標高997mの展望所分岐(大川岱分岐)に着く。 ここも十和田湖の眺望に適した場所である。 鉛山峠登山口〜展望所分岐の区間はよく整備された平坦な登山道であり、十和田湖を眺望できるところが数カ所ある。
展望所分岐から白地山山頂へ向かう。すぐに高層湿原に出るが、湿原よりも草原に近い感じである。 湿原の先に緩やかな丘が見えるが、それが白地山山頂である。湿原では長引コースの分岐、久吉林道コースの分岐を通過し、 展望所分岐から20分ほどで白地山山頂に着く。 鉛山峠登山口から白地山山頂へは2時間半ほどかかる。 山頂(1034m)には一等三角点やベンチがある。 平坦な湿原の中に緩く盛り上がった地形のところが山頂であり、かつ周りの笹藪が邪魔になり、山頂からの展望は良いとは言えない。 したがって展望所分岐(大川岱分岐)で昼食休憩を取ることが考えられる。
登山口への道順は次のようになる。 十和田湖畔の大川岱において、国道454号線から大川沢左岸の舗装道路へ入る。そこの交差点には登山案内板が立っている。 大川沢左岸の舗装道路を少し進むと、舗装の終点となり、道が2つに分かれている。ここには車数台分の駐車広場がある。ここに駐車するのが良い。
舗装道路の終点では、大川沢左岸に沿って延びた左の林道を進む。 10分も進むと悪路となり、20分ぐらいで標高450mぐらいの登山道入口に着く。 白地山4.8Km、滝ノ沢分岐3.2Kmの登山標識が立っている。 悪路であるが、ここまで車で登ることもできる。一方、林道の方は更に500mほど先まで延びているようだ。 登山道入口のところでは小沢の左岸に沿って登り始める。
ブナ林の中に延びた登山道を緩く登り、標高700mぐらいで沢の中を通るようになる。沢の中を通る区間は100mほどか。 再び普通の登山道となり、急坂を登ると白地山・大川岱中間点の登山標柱に着く。 稜線の近くでは草付きの斜面を横切るが、その区間は20mほどと短い。 そして稜線上の滝ノ沢分岐に着く。白地山へ1.7Km、大川岱から3.8Kmの距離にある。 稜線に沿って進み、10分ぐらいで標高997mの展望所分岐に着く。 舗装道路終点から展望所分岐へは2時間ぐらいで着く。 大川岱コースの場合、展望が得られるのは、ここだけとなる。
久吉林道コースの登山口は緩やかな峠にあり、車数台が駐車できる広場になっている。 そこから南東方向へ延びている緩やかな尾根に沿ってブナ林の中を進む。 最初は巾の広い伐採道跡を歩くが、登山口から15分ほどで鞍部への下りになり、ここから普通の歩道になる。 鞍部からは緩やかな登りが45分ほど続き、やがて平坦な台地に出た感じになる。 登り斜面ではブナ林の中を進むが、平坦な台地に出てからは草藪の区間が15分ほど続く。 コース自体はハッキリとしている。やがて高層湿原に出て木道を歩くようになる。 登山口から1時間15分ほどで碇ヶ関分岐(三叉路の分岐)に着く。碇ヶ関分岐から10分ほどで山頂に着く。
山頂(1034m)は湿原の一角にある平坦な丘と言った感じである。 山頂からの展望はあると言えばあるし、無いと言えば無い感じである。 山頂から20分ぐらいのところに十和田湖を見下ろす展望所分岐(大川岱分岐)があり、そちらの方が昼食場所として良さそうなので、展望所分岐へ向かうことにする。
滝ノ沢峠〜岩岳の区間はハッキリした山道が続く。 どのあたりから藪こぎが始まるかは特定できないが、岩岳を過ぎると徐々に草や笹の藪こぎが始まり、元山峠を過ぎると藪こぎの濃度が高くなる感じか。 草や笹の下側の道筋はハッキリしているので、道に迷うようなことは無いと思う。それでも道筋を探すようなところは多々ある。 夏になると草藪が濃くなるので、それ以前に通るのが良い。 滝ノ沢分岐へ着くと、大川岱からの登山道と合流する。 そこからはハッキリした登山道が続く。
青森市街から最短距離の登山口は久吉林道登山口であり、青森市街から車で2時間ほどかかる。 その最後の部分では未舗装の林道をノロノロと8Kmほどドライブすることになる。 その林道は普通車でも十分通行可能であるが、林道であるから、それなりに悪路である。 したがって愛車をいたわりたいのであれば、舗装道路が登山口またはその近くまで延びているところを選んだ方が良い。 そのような登山口としては大川岱登山口、鉛山登山口、鉛山峠登山口が考えられる。 これら3つの登山口のいずれかであれば、青森市街から吉林道登山口に向かう場合に比べて時間的にも大差はない。 青森市街から最も遠い鉛山峠登山口でも1時間40分で着いた。
青森市街から久吉林道登山口へ向かうには次のルートを取る。 国道102号線を十和田湖方面に進み、浅瀬石川ダムを過ぎて葛川大橋を渡ると葛川集落に入る。 葛川集落では切明に向かう道路に入る。それはいわなの村へ至る道路でもある。 切明川に沿った舗装道路を進み、切明集落を通過する。 いわなの村の手前まで来ると、いわなの村温泉の看板が見えてくる。 そこには沢に架かる橋があり、そこから未舗装の登戸沢林道が始まる。 登戸沢林道を入ったところには山火事注意の黄色い立て看板が立っており、その看板番号は700になっている。 林道を進むに従って立て看板の番号が大きくなる。 立て看板の番号は切明林道分岐のところで720、別の分岐で730、そして大木平林道分岐のところでは740になっている。 730と740との間にはクラノ沢林道が分岐しており、そこには東北森林局の大きな看板が立っている。 立て看板740から1Kmほど進むと、平坦な峠となり登山口(810m)がある。 登戸沢林道の入り口から登山口までは8.4Kmの道のりである。 ブナ林の中に車十数台が駐車できるスペースが林道脇に設けられている。 青森市街から久吉林道登山口までは2時間ほどかかる。 地図上では久吉林道登山口は平川市と碇ヶ関村との境界にある。 境界にはそれを示す標識がブナの木に設けられており、さらに久吉林道の終点であることを示す標識も立っている。 碇ヶ関村側の林道が久吉林道であり、登山口から久吉林道を下ると碇ヶ関村のタケノコの里にでる。
あおさばやま
772.7m
いわだけ
879.9m
岩岳は十和田湖を取り囲む外輪山の一つで、白地山の北隣りに位置する。 岩岳を含む外輪山の稜線には国道102号線の滝ノ沢峠と国道103号線の発荷峠とを結ぶように自然歩道が設けられている。 その中間点よりも滝ノ沢峠寄りに岩岳がある。
岩岳への登山口は滝ノ沢峠の駐車場となる。具体的には滝ノ沢展望台の脇に登山口があり、登山口には登山標識などはない。 外輪山の稜線に沿って平坦なハッキリした山道が延びている。 40分ほど歩いた地点から岩岳へ向けて緩く登り始め、駐車場から1時間ぐらいで岩岳に着く。 岩岳までであれば藪こぎをするようなことはない。 ブナ林の中の平坦な山道であるので、気持ち良く、かつ快調に歩けるが、平坦である分、変化が乏しいと言えようか。 岩岳山頂からの展望は得られない。
岩岳の先、白地山へ向かう場合は、徐々に草や笹の藪こぎが始まり、元山峠を過ぎると藪こぎの濃度が高くなる感じか。
この岩岳が東北百名山に選定されているとする資料があるが、間違いである。 東北百名山(2000年版)に選定されたのは宮城県の岩岳(428m)である。
とわだこ
このセクションには十和田湖の基本情報や周辺の観光情報が入っている。 一方、奥入瀬渓流を含む周辺のハイキング情報は十和田湖ハイキングに入れている。
このセクションには十和田湖周辺のハイキングコース情報が入る。ハイキングコースは次の2つが含まれている。
奥入瀬渓流は青森県を代表する観光地である。 個人的にも他県の人々に訪れるように薦める青森県第1の観光地が、奥入瀬渓流である。
環境省が設定した東北自然歩道(新・奥の細道)には青森県の第1番目のコースとして「奥入瀬渓流歩道」が紹介されている。 それは焼山バス停〜子ノ口バス停の区間14Kmである。 全区間14Kmを歩くのが長いようであれば、石ゲ戸〜銚子大滝の区間7.3Kmを歩くのも良い。 さらに短い距離にしたいのであれば、石ゲ戸〜雲井の滝の区間2.9Kmが考えられる。
この自然歩道は十和田湖北岸に沿って設けられており、滝ノ沢と子の口との間の12.6Kmが東北自然歩道(新・奥の細道)として紹介されている。 ただし、子の口〜十和田発電所水門の区間3.9Kmは車道であり、発電所水門〜滝ノ沢の区間8.7Kmが本来の歩道である。 8.7Kmの歩道の区間は3時間ほどで歩けそうだ。 西側の滝ノ沢にある歩道入り口は、舗装道路(十和田湖畔線)を滝ノ沢から滝ノ沢峠へ向けて0.2Kmほど登った坂道にある。 その入り口には自然歩道の全体像を示す大きな案内板がある。滝ノ沢へ0.2Km、子の口へ12.6Kmを示す標柱もある。 その少し上側の舗装道路カーブには駐車広場への脇道があり、未舗装の脇道を10mほど入ると、車数台が駐車できるほどの駐車広場がある。
現在のところ、滝ノ沢〜発電所水門の歩道区間は関係者以外立ち入り禁止になっている。 この区間の中間点あたりで土砂崩壊が起こり、それ以降、歩道が修復されていないようだ。 自然歩道の早期再開を期待したい。
とわだやま
1053.8m
十和田山は十和田湖外輪山の最高峰で、十和田湖の東隣に位置する。 その山頂(1053.8m)からは十和田湖を間近に眺望することができる。 登山は単調であるが、山頂に着いてから湖を間近に見下ろすと、登山の単調さを忘れさせてくれる。
青森市街から宇樽部の無料駐車場までは車で1時間半から2時間ほどかかる。 この無料駐車場は休屋へ向かう103号線と迷ケ平へ向かう454号線との交差点にある県立駐車場であり、宇樽部バス停やトイレがある。 駐車場から子ノ口側へ300mほど戻ると、Y字路になっており、ここは右に折れる。 このY字路を含め、要所要所に登山口への標識があるので、それに従って進めばよい。 Y字路から少し進むと、椎茸栽培ハウスに隣接する民家の庭先に登山口への標識があり、ここは左に折れて畑のあぜ道を進む。 宇樽部川の小さな橋を渡ると花鳥渓谷のバラ園に入り、車が通れるに十分な幅を持った道を直進して山裾に着くと、そこに登山口の標識がある。 車が通れるほどの道は左に折れているが、このカーブのところにある登山口から登る。 駐車場から登山口までは10分ほどである。
ブナ林で覆われた比較的勾配のある登山道を登りはじめ、40分ぐらい経って、ひと休みしたくなるころに展望所(668m)に着く。 展望所とは名ばかりで、展望は得られない。 展望所からは尾根に沿って緩やかに登ってゆく。 ブナ林であるのはよいが、展望の得られない単調な登りが続く。 やがて洗掘(せんくつ)された坂道を通る。両側は笹が密生しており、笹で出来たトンネルを通る感じである。 ここを通過すると小潅木地帯で勾配もゆるくなり、山頂が近い雰囲気になってくる。 やがて山頂に着く。宇樽部の駐車場から山頂までは2時間ほどかかる。
山頂は小さな広場になってる。山頂からは十和田湖全体を眺望することができる。 南の方向には戸来岳や十和利山が見え、北の方向には八甲田連峰が眺望できる。 北西には子ノ口からの登山道が着いている。
下山するときも山頂の近くでは十和田湖の展望を楽しむことができる。 すぐに展望の得られない単調な下山となり、1時間ほどで登山口に着く。
登山ガイドブックによると、登山適時は5月中旬から10月下旬になっている。 夏場の蚊のことを考えると、涼しい季節が良いと思う。
とわりやま
990.9m
十和田湖外輪山において、白地山と共に東北百名山に選ばれている。 登山口から1時間強で山頂に着く。それに比べて自宅から登山口への移動時間は遥かに長い。 そういった意味で十和利山は「遠い山」であった。 ところが山頂から十和田湖を一望したときは、遠路はるばる訪れる価値のある山へと、十和利山の印象が変わった。 それほど山頂からの眺望はすばらしいものがある。 とは言うものの、登山は2時間半ないしは3時間ほどで終わるので、十和田湖周辺のキャンプや観光といったものと組み合わせるのが良いように思える。
十和田湖と八戸とを結ぶ国道454号線の迷ガ平に登山口がある。 登山口のところには大きな駐車場を始め、トイレ・売店・レストランなどがある。キャンプ場もある。 鳥居が建っている登山口のところを直進し、幅の広い平坦な道を進むと、8分ぐらいで東西コースの分岐点に着く。 ここで登山道は西コースと東コースとに分かれ、山頂で合流する。 東コースと比べ、西コールは大きく迂回して緩やかに登るコースである。
西コースを辿ると、林道跡と思われる幅の広い緩斜面の道を進み、25分ぐらで東屋に着く。 ここにはキャンプ場があり、トイレもある。 さらに登山道脇には冷たい湧き水がパイプから流れ出ている。 この辺りから普通の登山道のような道幅と勾配になり、登山らしくなる。 樹間から十和田湖を展望できる場所が所々であり、山頂に近い感じになると、三ツ岳分岐に着く。 この分岐から片道2時間ほどの藪こぎで三ツ岳へ着くようだ。 三ツ岳分岐を過ぎると、すぐに西コースと東コースとがY字状に合流し、山頂(990m)となる。 登山口から1時間10分ほどで山頂に着く。
山頂は比較的大きな広場になっており、十和田湖方面が大きく開けている。 したがって十和田湖全体を一望することができ、遠くには岩木山や八甲田連峰などが見える。 東の方に目をやると十和田山や三ツ岳が見える。 南西方向の眼下には風力発電の風車群が見え、遥か彼方には白神山地が見える。 山頂からの展望は360度のパノラマに近い感じで大きく開かれており、特に十和田湖全体を一望できる点がうれしい。
西コースを登ってきたので、下山は東コースを利用することにする。 山頂から少し下ったところには短い脇道があり、その脇道の先端からは三ツ岳(1159m)や大駒ガ岳(1144m)を眺望することができる。 ブナ林の尾根道を735mピークまで下り、そこから緩斜面になり、緩やかな登山道をしばらく辿ると、東西コース分岐に着く。 そして山頂から45分ほどで登山口に着く。
へらいだけ
1159m
十和田湖の南東に位置する大駒ガ岳(1144m)と三ツ岳(1159m)とを総称して戸来岳(へらいだけ)と呼んでいる。東北百名山に選ばれている。 大駒ガ岳の山頂台地はイチイが自生していることで知られている。 そして大駒ガ岳〜三ツ岳の区間は展望の開けた登山を楽しむことができる。 平子沢登山口から大駒ガ岳を超え三ツ岳までは3時間弱かかり、長丁場と言わないまでも、かなりの時間を要する。
登山口への道順は次のようになる。 国道454号線を通り、間木ノ平グリーンパーク(道の駅しんごう)西側0.5Kmぐらいのところにある妙坂川親水公園へ入る。 国道から親水公園へ入る交差点には戸来岳歩道入口の標識がある。 しかし、迷ヶ平の方向から来た場合は公園の標識の陰になって戸来岳歩道入口の標識が見えない。 公園に入って最も奥の第1駐車場に駐車する。そこに平子沢登山口がある。トイレは近くにある。 青森市街から宇樽部・迷ヶ平を通って平子沢登山口までは2時間半ほどかかる。
平子沢登山口(420m)からの登り始めはアサファルト舗装の山道であるが、すぐに未舗装の山道になる。 以前は伐採道であった幅広い緩やかな坂道を登ってゆく。 40分ほどで鍋岳沢林道にでる。 林道を北へ(左へ)数十メートルも行くと右手に道標があり、普通の登山道が続いている。 ここは「兎平登山口」と呼ばれており、車数台が駐車できる大きさの兎平駐車場が近くにある。 道標によると、ここから大駒ガ岳山頂へは1時間半かかるようだ。 その登山道を少し進むと、兎平駐車場からショートカット的に延びている登山道と合流する。 「兎平分岐」とでも呼ぼう。 この分岐から数十メートル下ったところに兎平駐車場がある。
兎平分岐からは道幅が広くなった登山道を進み、緩やかに登っていく。 青森県自然環境保全地帯の看板があるところを通過し、さらに太いブナが見られるあたりを通過すると、 しだいに傾斜がきつくなり、大駒ガ岳山頂部への登りになる。 急登が終わると、山頂部の肩に出て平坦な道が山頂へ続いている。 イチイの群生が見られるようになり、林道から1時間20分ほどで大駒ガ岳山頂(1144m)に着く。 大駒ガ岳山頂に着くと、その先に三ツ岳が見え、十和田湖の一部も見える。遠くに八甲田連峰が見える。 山頂は数人が休憩できる程度の広さがある。
大駒ガ岳山頂からは急坂を下り、すぐに急坂を登る感じで三ツ岳への登りになる。 山頂の手前で十和利山からの縦走路と合流する。 大駒ガ岳山頂から三ツ岳山頂へは40分ほどで着く。 こちらの山頂も数人が休憩できる程度の広さがあり、360度の展望が得られる。 三ツ岳山頂(1159m)からは十和田湖のかなりの部分が見える。 北には八甲田連峰が見え、西の高原には風力発電の風車が十機ほど見える。
平子沢登山口(420m)から鍋岳沢林道を通って兎平駐車所(710m)に駐車することも考えられる。 この林道は普通車でも問題なく進むことができるが、林道であることに変わりはなく、それなりに凸凹したところがある。 兎平駐車場からスタートした場合は、1時間20分で大駒ガ岳山頂、2時間強で三ツ岳山頂に着く。 昼食の休憩を含め5時間ほどで往復できる。
イチイは北海道や北東北ではアイヌ語由来のオンコと呼ばれている。
おおいしがみピラミッド
地形図では「大石上」と記されている山に「大石神ピラミッド」がある。その近くには「上大石神ピラミッド」」もある。 8qほど離れたところには「キリストの墓」がある。
おおぐろもり
719m
大黒森は自生のヤマツツジが群生する山として知られている。 その開花期は6月上旬から6月中旬である。 登山口への道順は、まず県道21号・田子十和田湖線から体験施設「タプコプ創遊村」を目指し、それから大黒森町営牧場を東西に横切る舗装道路を進む。 その舗装道路から山頂へ向かう坂道の入口あたり、標高500mぐらいに位置するレストラン跡の駐車場に駐車する。 そこは舗装道路の終点になっている。 車で山頂へ向かうのも良いが、歩いて山頂へ向かう。 よく整備された砂利道を25分ほど歩くと大黒森神社に着く。神社には車10台ほどが駐車できる駐車場やトイレがある。 神社から2、3分で山頂に着く。山頂には高さ10mほどの展望台が設けられている。 山頂周辺はツツジ群生地になっており、周回式遊歩道が設けられている。 周回式遊歩道は10分ぐらいで1周できる。
片道30分ほどで登れてしまうので、近くの観光や別の登山を兼ねて大黒森を訪れるのが良い。
しかくだけ
1003m。 ちゅうだけ
1024m
四角岳は「東山」とも呼ばれ、青森・秋田・岩手の県境に位置するといった珍しさがある。 四角岳山頂は平坦な山頂台地の中央に位置し、周りの灌木で展望が得られるとは言いがたい。 四角岳山頂から登山道を辿って東へ5分ほど移動すると、山頂台地の縁に開けた場所があり、南北と東側の眺望が得られる。 一方、中岳は四角岳から西へ20分ほど移動した近距離にあり、中岳山頂からは360度の眺望が得られる。 南の方向には岩手山、南西の方向には森吉山、北の方向には八甲田連峰や戸来岳などが眺望できる。 このような両山に登れることが魅力的である。
登山口としては次の3カ所が一般的である。(1)青森県・田子町から入る東側の花木登山口、(2)秋田県・鹿角市から入る西側の不老倉登山口、(3)岩手県・安代町から入る南側の登山口。 いずれの登山口も人里から遠い。 青森市街から花木登山口へは車で3時間10分ほどかかる。 青森市あたりから出かける場合は不老倉登山口の方がかなり近い。
花木登山口への道順は、三戸町〜田子町〜道前集落の交差点〜落合橋〜遠瀬集落〜新田集落へと進む。 最後の集落・新田を通過すると、未舗装の道路となり、花木登山口へは9Kmの地点になる。 花木ダムを通過し、杉倉川に沿った花木林道を進む。奥地へ行くほど、林道らしい悪路になる。 やがて林道分岐となり、そこには「四角岳入口まで2.5Km」の登山口案内標識が立っている。 林道分岐から登山口への2.5Kmは坂道となり、さらに「悪路度」が増し、林道終点に着く。 林道終点の分岐を右へ入ったところに登山口があり、車数台が駐車できる広場になっている。 林道終点の分岐を左へ入ったところにも駐車広場がある。
登山口からは林道跡を辿り、25分ほどで登山道らしい道筋となる。 やがて尾根への登り坂となり、尾根上に出る。 尾根上に延びた登山道を辿り、徐々に高度を上げていく。 やがて一瞬山頂かと思われる展望所に着く。 平坦な山頂台地を5分ほど進むと、四角岳山頂に着く。 花木登山口から四角岳山頂へは1時間半ぐらいで着く。 四角岳山頂は平坦な場所にあり、周りの灌木のため、展望が得られるとは言いがたい。
四角岳〜中岳の区間はいずれの方向も20〜25分かかる。 その途中の鞍部には田山分岐があり、青森県側・秋田県側・岩手県側からの登山道が十文字状に交差し、登山標識が立っている。
登山終了後、時間があれば田子町の景勝地「みろくの滝」を訪れることが考えられる。
西側の不老倉登山口への道順は、まず秋田県・大湯温泉郷へ入り、四角岳の案内板がある交差点で、国道103号線から安久谷川沿いの道へ入る。 やがて未舗装の道となり、林道分岐では四角岳の案内板を確認しながら林道を進み、不老倉林道の終点に着く。 林道終点には堰堤があり、その脇に不老倉登山口を示す標柱が立っている。 しかし、林道終点手前450mのところに林道分岐があり、この分岐から林道終点への区間は悪路のようだ。 したがって、この分岐に駐車した方が良いかも知れない。 不老倉登山口から四角岳へは2時間強で着く。
安代町〜田山集落へと進み、さらに切通川に沿った林道、中沢に沿った林道へと進む。 中沢に沿った林道の区間は林道らしい悪路のようだ。 中沢に沿った林道の途中に登山口があり、登山口には「四角岳入口」と記した赤色の登山口標識が立っている。 その登山口から登ってきた登山者と中岳山頂で出会い、登山道の様子を聞いた。 藪こぎのない普通の登山道のようだ。 「登山道は手入れされ広い道でした」と記した山行記録も見られる。
たかやま
277.2m
高山については、山へ登ると言うよりも、今なお昔の面影を残す奥州街道を歩くハイキングになる。 高山を越える昔の奥州街道が「歴史の道百選」に選定されている。 「歴史の道百選」に選定されたのは「奥州街道―蓑ケ坂・長坂・高山越」と呼ばれる区間であり、北から南へ向かって、五戸町市街〜浅水集落〜高山〜長坂〜小向集落〜三戸町市街〜蓑ガ坂(三戸町)からなる区間である。 奥州街道に沿って歴史的な見どころが点在しており、往古の面影が忍ばれるところもあるようだ。 先の高山越の区間は、高山(277.2m)を峠とする山間部の山道、具体的には車でも通り抜けることのできる幅広い未舗装道路になっている。 この山道は片道2時間ぐらいで歩ける。浅水集落から高山までは1時間10分ぐらいで歩ける。
高山の山頂は広い広場になっており、展望台やトイレがある。高山に関する歴史的な案内板もある。 展望台に登ってみたが、周りの木々のため展望が得られるとは言い難かった。
一方、1日かけて歩くのであれば、五戸町市街〜三戸町市街の区間、21Kmほどが適当かも知れない。 三戸町市街の南側に位置する蓑ガ坂(みのがさか)を含めるとなると、さらに4Kmほど追加することになる。 つまり、五戸町市街〜三戸町市街〜蓑ガ坂の区間を歩くとなると、25Kmほどになる。
場所的には名久井岳の北隣りぐらいに高山がある。 青森市など、遠くから来る場合は、名久井岳と高山とを組み合わせた山行が考えられる。
三戸町市街〜小向〜浅水〜五戸町市街の区間を1日かけて歩く場合を想定し、その関連情報を集めてみた。
さらに蓑ガ坂(みのがさか)まで足をの延ばすことを想定し、蓑ガ坂あたりの情報を集めてみた。
なくいだけ
615m
名久井岳は南部町と三戸町の郊外にあり、青森県立自然公園になっている。 周辺には法光寺(ほうこうじ)や恵光院(けいこういん)など、由緒ある寺院や野外活動施設が点在している。 名久井岳への登山口は3つほどあるが、東側の法光寺と西側の恵光院とが一般的である。 いずれの登山口からも1時間強で名久井岳山頂へ着く。 山頂からは西側の眺望が得られ、眼下には馬淵川沿いの町並みが見える。
法光寺は北条時頼が山中で出会った僧・指城のため建長年間(1249〜56年)に興したと言われている由諸ある寺である。 深い森の中に建つ三重塔は、高さ33mで規模において日本一と言われ、北限の三重塔として有名である。 さらに参道松並木、推定樹齢1000年の爺杉などの観光スポットもある。
一方、恵光院は1390年創設と伝えられる由緒ある寺であり、観音堂内の奉納物など、興味深いものがある。 その裏側は長谷ぼたん園となっており、見頃となる5月下旬から6月上旬にかけては多くの観光客がぼたん園を訪れる。
登山と観光との組み合わせとしては、どちらの登山コースも魅力的であるが、どちらかと言えば法光寺コースの方か。 一方、登山単独であれば、恵光院から出発する周回コースが魅力的である。 車2台の場合は、法光寺〜名久井岳〜恵光院といったコース取りが考えられる。
法光寺東隣の交差点に、大きな駐車場や公衆トイレがある。ここが出発点となる。 そして県道・名久井岳公園線が5合目の峠を通って南西へ延びている。 5合目の峠からは長谷林道「かもしかライン」が名久井岳山頂の脇を通って恵光院へ延びている。 いずれも舗装道路である。 出発点となる駐車場から県道を200mほど進むと、「かもしか遊歩道」と呼ばれる東北自然歩道の入口が右手に見えてくる。 その入口には登山案内板があり、山頂まで1.7Km、長谷ぼたん園まで5.7Kmを示す標柱も立っている。 この自然歩道は尾根を通り、県道・名久井岳公園線とほぼ平行に延びている。
この自然歩道を辿り、459mピークを越えて30分ほど進むと、長谷林道へいったん出る。 標識に従い長谷林道を100mほど下ると、5合目の登山口があり、山頂への登山道が延びている。 この登山口から更に100mほど下ったことろは県道・名久井岳公園線の峠となっており、そこには駐車場や簡易トイレがある。
5合目からの登山道は広葉樹林帯の中に延びており、2カ所で鎖場を通る。 そして山頂直下になると、ストーブが備わった避難小屋に着く。 法光寺から1時間強で山頂に着く。
恵光院には大きな駐車場やトイレがある。 恵光院からのコースは周回コースにできる点が良い。 駐車場から長谷林道を100mほど進むと、登山口が右手に見えてくる。 杉林の中の登山道を進むと、すぐに登山道分岐となる。 「月山経由登山道1.8Km」、「天狗杉経由登山道1.5Km」といった登山標識が立っている。
月山経由登山道を進むと、小沢を横切り、鳥居から尾根への登りが始める。 急坂の尾根道を進み、荒沢不動尊経由を経由して月山神社に着く。 月山神社からは平坦な尾根道となり、山頂直下の鞍部に来ると、天狗杉経由登山道が合流する。 そこから山頂は近い。 恵光院から1時間強で山頂に着く。
天狗杉経由登山道を下りに利用する場合は、山頂直下の鞍部において月山経由登山道と別れ、標高差にして100m以上ある急坂を下る。 それから尾根を越えて隣の沢へ移り、その沢の右岸を進むと、長谷林道「かもしかライン」へ出る。 林道を数十メートル下ると登山道の続きがあり、再び登山道へ入る。 やがて推定樹齢300年の天狗杉の脇を通り、すぐに登山口近くの分岐へ着く。 下りは1時間ほどで恵光院へ戻ることができる。
ならわずだけ
374.9m
不習岳は「八戸市民の森」になっている里山であり、階上岳の西に位置する。 八戸市の南西郊外、新井田川の右岸、具体的には不習集落の南に位置する。 登山口となる駐車場は不習集落にある。 整備された多くの歩道があちらこちらに延びている。 歩道1と歩道4とがメインの歩道である。 メインの歩道を辿り、山頂を巡る周回コースとなるように歩くことが考えられる。 山頂には展望台があり、その脇には管理棟「総合案内施設」やキャンプ場(無料)がある。
はしかみだけ
740m
階上岳は八戸市の南郊外に位置し、種市岳(たねいちだけ)とも呼ばれている。 また、牛が伏せたような稜線をもっていることから臥牛(がぎゅう)山とも呼ばれている。 舗装道路が鳥谷部(とやべ)集落から8合目近くの大開平へ延び、さらに大開平から南西の山麓へ延びている。 山頂近くの車道周辺には放牧場などの観光施設がある。
気軽に登れること、観光施設もあることから、階上岳は八戸市周辺の人々から良く利用されている山だ。 その山頂(740m)には大石の群れが山肌から露出した広場があり、一等三角点がある。 眼下には八戸市街や太平洋が眺望できる。 ヤマツツジの群生地としても有名であり、5月下旬から6月中旬が開花期となる。
階上岳(740m)から平坦な稜線を南側へ約2km、20分ほど行ったところには南岳(739m)がある。 南岳山頂からは久慈平岳・平庭高原・遠島山などが眺望できる。 南岳山頂も腰を下ろすのに適した大石が点在しており、昼食休憩に適したピークである。 山頂一帯がヤマツツジの群生であり、開花期には階上岳山頂のヤマツツジよりも濃厚なヤマツツジが見られる。
階上岳への登山口は多くあるが、最も利用されているのは「フォレストピア階上」と呼ばれる公共施設がある鳥谷部(とやべ)口である。 フォレストピア階上は地元の農産物や特産品などを展示販売している産直施設であり、レストランもある。 県道「中川階上線」を通り、鳥谷部集落へ向かう。 そこにはフォレストピア階上があり、その駐車場が登山口となっている。
一方、舗装道路はフォレストピア階上から8合目近くの大開平へ延びており、その途中の駐車場や終点の大開平駐車場も登山口となっている。 大開平駐車場からはテレビ塔の脇を通り、広い道幅の登山道を辿って緩やかに登って行く。 大開平駐車場からだと20分ほどで階上岳山頂に着くことができる。
フォレストピア階上の駐車場(標高150m)からスタートする場合は、車道を300mほど進むと、左手に階上岳登山道入口が見えてくる。 その登山道を辿ると、やがて車道下のトンネルを通り、沢に沿った「せせらぎコース」を登り、「しるし平」と呼ばれる場所で車道へいったん出る。 しるし平には駐車場・トイレ・東屋が備わっており、ここも登山口として利用されている。
しるし平から再び登山道を辿り、300mほど進むと、緑コース・赤コースの分岐が見えてくる。 緑コースは大開平へ緩やかに登っていくことから、家族向けと位置づけられている。 これに対して赤コースの方は、途中に急坂があることから、上級者向けと位置付けられている。 しかし、両コースに大差はない。一方を登り、他方を下りに利用するのが良い。 8合目の「つつじの森休憩所」から山頂へ向けて100mほど進んだ地点で両コースが合流する。 山頂へ向けて緩やかに登って行くと、嶽大明神の鳥居と祠が見え、そこを回ると山頂広場へ出る。 鳥谷部口から1時間半ほどで山頂に着く。
なお、大開平のテレビ塔の脇には大開平避難小屋がある。 ストーブが備わり、一階・二階あわせて10人ほどが泊れる広さがある。トイレは屋外に設けられている。 近くの大開平駐車場にもトイレ(夏場だけ)がある。 緑コースを下りに利用する場合は、テレビ塔の脇で大開平への登山道と分かれ、下り始める。
田代集落の登山口(西登山口)には、田代せせらぎ公園があり、駐車場やトイレ、炊事場などがある。 テントを張ることは可能であるが、正式なキャンプ場はないようだ。 西登山口から 階上岳への登山コースは、多くの分岐を通るが、それぞれの分岐には登山標識があるので、道に迷うようなことはない。 全行程の半分近くが林道歩きとなるが、残りの半分は良く整備された登山道となっている。
鳥谷部や田代の他にも、寺下、ノソウケ峠、堀切、登切、鳩など、色々なところに登山口がある。 登切からの登山道はハッキリしている。ただし、登切からの登山道が西登山道と合流する分岐点や登切登山口を下見した程度である。
いしのくら
541m
石ノ倉は階上岳の少し東側、ふるさと牧場の隣に位置する山である。 階上岳の東登山口から階上岳へ登る登山コースの途中にある山と言った方が良いかも知れない。 牧場が広がっていることから、眺望は得られる。春にはカタクリの花が見られる。 階上岳の東登山口は寺下観音にある。
登山口にある寺下観音の情報を集めてみた。
寺下観音の周辺に「階上ボルダー」や「階上ボルダリング」と呼ばれるボルダリングの場所がある。 寺下観音の隣となる山館前公園に駐車場がある。
はとだけ
528.5m
鳩岳は階上岳の北西山麓に位置する里山である。 その山頂周辺には大石があちらこちらに点在している。 田代集落から階上岳へ至る登山道、登切集落からの登山道などが、鳩岳の脇を通っている。 そのような登山道から鳩岳へ登ることになる。 探す必要があるが、かすかな登山道が鳩岳へ延びているようだ。 階上岳の登山と合わせて鳩岳へ登ることが考えられる。
たねさし
このセクションには種差海岸周辺のハイキングコース情報が入る。現在のところ、ハイキングコースは次の一つだけである。
種差海岸は名勝やハイキングコースとして有名であり、国の名勝をはじめ、次の指定に含まれている。
2013年に創設された「みちのく潮風トレイル」は、青森県八戸市蕪島と福島県相馬市松川浦との間の海岸線に沿って延びた700Kmのロングトレイルである。 その開設にあたっては、新しい遊歩道が造られたり、既存の遊歩道が整備されたりする。 開設の第1弾として、八戸市〜久慈市の区間100Kmが2013年秋に開通する。 蕪島〜葦毛崎展望台の区間については、海岸線に遊歩道が開設されることを期待したい。
葦毛崎(あしげざき)展望台〜種差天然芝生地の区間は、約400種の海浜植物が自生しているリアス式海岸を歩き、奇岩怪石を見ながら5Kmほどを歩く平坦なコースになっている。 ニッコウキスゲなど、本州の中部地方では亜高山帯に生育する植物が海辺で見られるのも特徴的である。 これは夏季にオホーツク海気団から吹く冷涼・湿潤な北東風「やませ」が関係している。
種差海岸を訪れた回数は少なく、極めて限られた知識であるが、花を観るなら次の区間は外せない。
年によって多少前後するが、ニッコウキスゲは6月中旬、スカシユリは7月下旬に見ごろを迎えるようだ。 したがって6月中旬〜8月上旬であれば多くの花を楽しむことが出来る。もちろん、その前後でも花は観られるが。
東北自然歩道「種差海岸とうみねこのみち」の全行程8.9Kmを歩くのであれば問題ないが、東北自然歩道を辿りつつ周回コースとなるように歩けないものかと考えた場合、なかなか良いコース取りが見つからない。 一方、東北自然歩道を部分的に歩く場合は、種差天然芝生地〜葦毛崎展望台の区間5.2Kmが考えられる。 種差天然芝生地の駐車場としては種差噴水公園の隣に無料駐車場がある。 その駐車場から車道を横断したところに公衆トイレがあり、トイレ脇に東北自然歩道の案内板が立っている。 葦毛崎展望台の駐車場にも、東北自然歩道の案内板が立っている。
東北自然歩道の全行程を歩いた後に出発点へ戻る交通手段としては、バスもあるし、汽車もある。 蕪島・葦毛崎展望台・大須賀海岸などの途中で乗り降りする場合は、バスを利用することになる。
種差海岸は岩登り訓練やボルダリングにも利用されている。 「種差ボルダー」や「種差ボルダリング」の名で呼ばれることが多い。
無雪期の第2部には沢歩き情報が入っている。 ファイルサイズが1メガバイトを超えてはならないといった無料レンタル・サバ―の制約があり、それに対処するため、沢歩き情報は別ファイルに入れている。 ただし、ひとつのページの如くに表示されるように工夫している。
上の制約は以前に利用していた無料レンタル・サバ―の話であり、現在の無料レンタル・サバ―にはこのような制約がない。しかし、沢歩き情報を別ファイルに入れることは、そのままにしている。
このページのURL | http://www.yuugao.jp/hikeaomori/nonsnow.html |
|||||
ホームページのURL | http://www.yuugao.jp/hikeaomori/index.html |